自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
頂上対決を見守る覚悟
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跡部の奴、読み間違えたか。そう思う麻美だが、そこに怒りはなかった。
なぜならゲームは6-6と氷帝が追いつき、タイブレークに突入したからだ。
交互にサーブを打ち、7ポイント先取すれば勝ち。ただし6-6となった場合はどちらかが2ポイント連続で取らなければ試合は終わらない。
とはいえ肩を痛めた手塚になら試合が終わるのも時間の問題だ。
そう思っていたのだが、タイブレークは7ポイントでは決まらなかった。
気づけば跡部と手塚は35ポイントまで続いていてどちらも2ポイントを離すことが出来ない。
長いタイブレーク。もしかしたら終わらないんじゃないかとも思われるが、何事にも始まりがあれば終わりがくるもの。
手塚のボールがネットを超えることが出来ずにポイントを奪われ、試合が終了した。
長い試合の中、7-6で跡部の勝利となる。
「やったやった! 跡部勝ったじゃん!」
「おかえり、遥」
滝が氷帝席まで戻って来た遥に声をかけると、にへっと笑いながら彼女は「ただいまっ」と返事をする。
「あたしがいない間こんな凄い試合になってただなんてびっくりだよっ! でもギリギリ勝てて良かったねー!」
嬉しそうに駆け寄る遥は後ろから麻美と秋の間に割り込んだ。二人の肩をバシバシと叩く彼女に麻美は鬱陶しげにその手を払う。
「うざい!」
「遥、樺地くんは大丈夫そう?」
「うん。ちょっと安静にすればいいんだって。ねっ、かばっち!」
「ウス」
遥と共に会場に戻って来た樺地がこくりと頷く。それを見て安心する秋だったが、先ほどまで喜んでいた遥が今度は心配そうな表情を見せた。
「それにしても秋の従兄妹くん大丈夫かな?」
「分からない……けど、あとで聞いてみるね」
互いに手を取って空へと突き上げては相手を讃える二人の様子を見た秋は呟く。試合中の手塚の表情はかなり辛そうだったので大丈夫、とは思えなかった。
そんな中、壮絶な試合を見せた跡部が息を切らしながらベンチに座る。
「樺地……タオルだ」
「ウス……」
跡部の言葉に反応した樺地が予め準備していたタオルをキングへと差し出した。
ゆっくり呼吸をしながら俯き加減のその後頭部にタオルを引っ掛ける彼に麻美が立ち上がる。
そして跡部の前で止まった彼女は凛とした態度で口を開いた。
「やるじゃん。今まで見たあんたの試合の中では断トツで良かったな」
上から目線の言葉ではある。けれど彼女は本気でそう思ったし、口にしておきたいほどいい試合だったと感じたのだ。
正直言えば長時間のプレイなんて飽きがくるだろうと思っていたが目が離せなかった。跡部も手塚もどちらも譲ることなく、諦めもしなかったその気持ちが麻美にも伝わったから。
そんな気難しい麻美からの賞賛はそうそうないとも言えるので跡部は呼吸を整えながら口角を上げた。
「フッ、ハハッ! お前から褒め言葉を頂戴出来るとは思わなかったぜ。……ありがとよ」
軽く上げた顔で麻美を見つめる跡部に麻美も口元を緩める。
「よく繋げたな。お疲れ」
「あぁ」
少しだけ跡部を見直した。そう思った麻美は再び自分の座っていた席へと戻る。なぜならばまだ最後の試合が残っているから。
『氷帝VS青学の試合2勝2敗1ノーゲームにより第6試合控え選手によるシングルスを行います!!』
まさかの補欠同士の試合である。こんなことになるなんて誰が想像しただろう。5試合中に決着がつかないほどの白熱した戦いになるなんて。
「いやージローが負けてたなんて。シングルス2もそんな凄かったんだねー」
麻美と秋の後ろの席に座る遥が秋の膝の上でまだ眠りにつく芥川とスコアボードの結果を交互に見ながらそう口にする。
「青学の不二くんも相当手強くてね。でもジローは凄く楽しんでたからそれはそれで良かったかもしれないんだけど」
「良くはないだろ。こいつさえ勝てば跡部で終わってたんだよ。氷帝の勝敗をあのキノコに託すことになるんだからな」
はんっ。と鼻で息を吐き捨てる麻美の視線は最後の試合に出場する準レギュラーへと忌々しい視線を向けるのだった。
なぜならゲームは6-6と氷帝が追いつき、タイブレークに突入したからだ。
交互にサーブを打ち、7ポイント先取すれば勝ち。ただし6-6となった場合はどちらかが2ポイント連続で取らなければ試合は終わらない。
とはいえ肩を痛めた手塚になら試合が終わるのも時間の問題だ。
そう思っていたのだが、タイブレークは7ポイントでは決まらなかった。
気づけば跡部と手塚は35ポイントまで続いていてどちらも2ポイントを離すことが出来ない。
長いタイブレーク。もしかしたら終わらないんじゃないかとも思われるが、何事にも始まりがあれば終わりがくるもの。
手塚のボールがネットを超えることが出来ずにポイントを奪われ、試合が終了した。
長い試合の中、7-6で跡部の勝利となる。
「やったやった! 跡部勝ったじゃん!」
「おかえり、遥」
滝が氷帝席まで戻って来た遥に声をかけると、にへっと笑いながら彼女は「ただいまっ」と返事をする。
「あたしがいない間こんな凄い試合になってただなんてびっくりだよっ! でもギリギリ勝てて良かったねー!」
嬉しそうに駆け寄る遥は後ろから麻美と秋の間に割り込んだ。二人の肩をバシバシと叩く彼女に麻美は鬱陶しげにその手を払う。
「うざい!」
「遥、樺地くんは大丈夫そう?」
「うん。ちょっと安静にすればいいんだって。ねっ、かばっち!」
「ウス」
遥と共に会場に戻って来た樺地がこくりと頷く。それを見て安心する秋だったが、先ほどまで喜んでいた遥が今度は心配そうな表情を見せた。
「それにしても秋の従兄妹くん大丈夫かな?」
「分からない……けど、あとで聞いてみるね」
互いに手を取って空へと突き上げては相手を讃える二人の様子を見た秋は呟く。試合中の手塚の表情はかなり辛そうだったので大丈夫、とは思えなかった。
そんな中、壮絶な試合を見せた跡部が息を切らしながらベンチに座る。
「樺地……タオルだ」
「ウス……」
跡部の言葉に反応した樺地が予め準備していたタオルをキングへと差し出した。
ゆっくり呼吸をしながら俯き加減のその後頭部にタオルを引っ掛ける彼に麻美が立ち上がる。
そして跡部の前で止まった彼女は凛とした態度で口を開いた。
「やるじゃん。今まで見たあんたの試合の中では断トツで良かったな」
上から目線の言葉ではある。けれど彼女は本気でそう思ったし、口にしておきたいほどいい試合だったと感じたのだ。
正直言えば長時間のプレイなんて飽きがくるだろうと思っていたが目が離せなかった。跡部も手塚もどちらも譲ることなく、諦めもしなかったその気持ちが麻美にも伝わったから。
そんな気難しい麻美からの賞賛はそうそうないとも言えるので跡部は呼吸を整えながら口角を上げた。
「フッ、ハハッ! お前から褒め言葉を頂戴出来るとは思わなかったぜ。……ありがとよ」
軽く上げた顔で麻美を見つめる跡部に麻美も口元を緩める。
「よく繋げたな。お疲れ」
「あぁ」
少しだけ跡部を見直した。そう思った麻美は再び自分の座っていた席へと戻る。なぜならばまだ最後の試合が残っているから。
『氷帝VS青学の試合2勝2敗1ノーゲームにより第6試合控え選手によるシングルスを行います!!』
まさかの補欠同士の試合である。こんなことになるなんて誰が想像しただろう。5試合中に決着がつかないほどの白熱した戦いになるなんて。
「いやージローが負けてたなんて。シングルス2もそんな凄かったんだねー」
麻美と秋の後ろの席に座る遥が秋の膝の上でまだ眠りにつく芥川とスコアボードの結果を交互に見ながらそう口にする。
「青学の不二くんも相当手強くてね。でもジローは凄く楽しんでたからそれはそれで良かったかもしれないんだけど」
「良くはないだろ。こいつさえ勝てば跡部で終わってたんだよ。氷帝の勝敗をあのキノコに託すことになるんだからな」
はんっ。と鼻で息を吐き捨てる麻美の視線は最後の試合に出場する準レギュラーへと忌々しい視線を向けるのだった。