自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
頂上対決を見守る覚悟
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試合は白熱していた。手塚は古傷を負っていた肘を無意識に庇って肩に負担をかけているとお得意の眼力で見抜いた跡部はその弱点を突くため長期戦に持ち込んでいたのだ。
焦って攻めてこい。その隙に決めてやるよ。そう言わんばかりのプレイを続けていた跡部だったが、いつまで経ってもその様子を見せない手塚に途中で確信した。
手塚国光は持久戦を受けて立っているということに。
「つまり、跡部の奴は試合を長引かせることで手塚の腕に負担を与えさせ、そうならないように手塚が攻め急いだ隙を一気に叩く、を狙ってるわけ?」
「そういうことやろなぁ」
跡部の狙いを語る忍足の話を聞いていた麻美が「ふーん」と呟きながら腕を組んだ。
「腕が潰れた場合の代償は?」
「そら、もうテニスが出来んくなるやろな。けど、手塚はプロを目指せる男でもあるんや。普通なら避けたいところやで」
「だったら攻めに転じないとまずいのになんでいつまで経っても手塚の奴は隙を見せないわけ?」
「俺が分かると思うん?」
「っち、見掛け倒しの眼鏡が」
「否定したいんやけど否定出来んのが悔しいわ……」
「伊達眼鏡だからな」
ぼそりと告げる宍戸の言葉。図星だったため忍足はそれ以上口を開くのをやめた。
試合はすでに6-5の青学がリードしている状況。長い試合だというのに手塚は焦ることもなくプレイを続けていた。
本当に手塚を潰せるのか? そんな疑問が麻美の中で芽生えた。
あれだけ大見得切ってコートに入ったんだ。ここで無様な負け姿を見せたらただじゃおかない。そう訴える強い目が跡部へと向けられる。
「……」
けれど麻美は隣の親友が気がかりになっていた。先ほどからずっと黙ったまま試合を見つめる秋の表情は少し不安げでもある。
それは跡部に向けてではなく、おそらく従兄妹である手塚に向けているのだろう。身内なのだから心配しないわけがない。
「まるで化け物だな……」
一人で小さくぼやく麻美も跡部から手塚へと視線を変えた。
青学の部長を担う手塚国光。跡部の読みでは古傷を庇うため肩へと負担をかけているのでそこを徹底的に叩き、肩が潰れる前に試合に決着をつけようと攻めに急いだところを狙う、はずだった。
それなのに攻めるどころか冷静に判断して跡部と互角に戦っている。
跡部の必殺技である破滅への輪舞曲 も返球する様子はまさに妥協を許さないといったように見えた。
その上、どんな打球も自身の元へと引き寄せる手塚ゾーンまで発動させる。これを化け物ではなく何と言うのか?
そしてとうとう手塚があと1球を決めれば決着がつく。青学側は何としてでも取りたいだろうし、氷帝側は何としてでも死守したい。
「跡部……死ぬ気で抑えろ」
麻美なりの小さな声援は周りの応援によって掻き消される。
そんな中、手塚はトスを上げた瞬間、左肩を押さえて崩れ落ちた。
「!」
会場の誰もがその姿に驚いただろう。手塚の名を叫ぶ青学の部員達が駆け寄ったが━━。
「来るなーーっ!!」
手塚が彼らを止めた。息を切らし、ゆらりと立ち上がった手塚は落としたラケットを握る。
「戻ってろ! ……まだ試合は終わっていない」
まだ戦う意思のある手塚の言葉。しかし試合は一旦中断された。
「さすが跡部じゃん! 狙ってたんだろアレを」
そう告げる向日だったが、心配そうに俯く秋の様子に彼は慌てて「やべっ!」と口を塞いだ。
秋と手塚は従兄妹だ。今の発言は喜ぶように受け取られたのかもしれないと内心焦った。
「土壇場で大逆転やな」
「……よく持った方ではあるな」
ふぅ、と溜め息を吐き捨てながらようやく決着がつくと安堵する麻美だったが、鳳と宍戸は跡部へと注目していた。
「……でも」
「ああ……跡部の奴ちっとも嬉しそうじゃねぇ」
焦って攻めてこい。その隙に決めてやるよ。そう言わんばかりのプレイを続けていた跡部だったが、いつまで経ってもその様子を見せない手塚に途中で確信した。
手塚国光は持久戦を受けて立っているということに。
「つまり、跡部の奴は試合を長引かせることで手塚の腕に負担を与えさせ、そうならないように手塚が攻め急いだ隙を一気に叩く、を狙ってるわけ?」
「そういうことやろなぁ」
跡部の狙いを語る忍足の話を聞いていた麻美が「ふーん」と呟きながら腕を組んだ。
「腕が潰れた場合の代償は?」
「そら、もうテニスが出来んくなるやろな。けど、手塚はプロを目指せる男でもあるんや。普通なら避けたいところやで」
「だったら攻めに転じないとまずいのになんでいつまで経っても手塚の奴は隙を見せないわけ?」
「俺が分かると思うん?」
「っち、見掛け倒しの眼鏡が」
「否定したいんやけど否定出来んのが悔しいわ……」
「伊達眼鏡だからな」
ぼそりと告げる宍戸の言葉。図星だったため忍足はそれ以上口を開くのをやめた。
試合はすでに6-5の青学がリードしている状況。長い試合だというのに手塚は焦ることもなくプレイを続けていた。
本当に手塚を潰せるのか? そんな疑問が麻美の中で芽生えた。
あれだけ大見得切ってコートに入ったんだ。ここで無様な負け姿を見せたらただじゃおかない。そう訴える強い目が跡部へと向けられる。
「……」
けれど麻美は隣の親友が気がかりになっていた。先ほどからずっと黙ったまま試合を見つめる秋の表情は少し不安げでもある。
それは跡部に向けてではなく、おそらく従兄妹である手塚に向けているのだろう。身内なのだから心配しないわけがない。
「まるで化け物だな……」
一人で小さくぼやく麻美も跡部から手塚へと視線を変えた。
青学の部長を担う手塚国光。跡部の読みでは古傷を庇うため肩へと負担をかけているのでそこを徹底的に叩き、肩が潰れる前に試合に決着をつけようと攻めに急いだところを狙う、はずだった。
それなのに攻めるどころか冷静に判断して跡部と互角に戦っている。
跡部の必殺技である破滅への
その上、どんな打球も自身の元へと引き寄せる手塚ゾーンまで発動させる。これを化け物ではなく何と言うのか?
そしてとうとう手塚があと1球を決めれば決着がつく。青学側は何としてでも取りたいだろうし、氷帝側は何としてでも死守したい。
「跡部……死ぬ気で抑えろ」
麻美なりの小さな声援は周りの応援によって掻き消される。
そんな中、手塚はトスを上げた瞬間、左肩を押さえて崩れ落ちた。
「!」
会場の誰もがその姿に驚いただろう。手塚の名を叫ぶ青学の部員達が駆け寄ったが━━。
「来るなーーっ!!」
手塚が彼らを止めた。息を切らし、ゆらりと立ち上がった手塚は落としたラケットを握る。
「戻ってろ! ……まだ試合は終わっていない」
まだ戦う意思のある手塚の言葉。しかし試合は一旦中断された。
「さすが跡部じゃん! 狙ってたんだろアレを」
そう告げる向日だったが、心配そうに俯く秋の様子に彼は慌てて「やべっ!」と口を塞いだ。
秋と手塚は従兄妹だ。今の発言は喜ぶように受け取られたのかもしれないと内心焦った。
「土壇場で大逆転やな」
「……よく持った方ではあるな」
ふぅ、と溜め息を吐き捨てながらようやく決着がつくと安堵する麻美だったが、鳳と宍戸は跡部へと注目していた。
「……でも」
「ああ……跡部の奴ちっとも嬉しそうじゃねぇ」