自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
シングルス2とその合間に出会った入院中の少年
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不二のサービスゲームに芥川は何とか取ろうとするも敵わず、あっという間に青学が1ゲーム先取した。
「全部あのふざけたサーブで点取りやがったな。おい、跡部。どういう原理でああなった?」
腕を組みながら麻美は跡部に解説を求める。跡部は「俺は解説役じゃねーぞ」と口にしながらも疑問を持って尋ねようとする彼女に悪い気はしないのですぐに答えた。
「ボールを落とす際に強烈なスピンをかけたことによりバウンドした球が急激に外へ曲がったってことだ。だから消えたように見えて本当に消えたわけじゃねーぜ」
「そんなもん当たり前だろ。ボールが消えるわけない」
「そうかよ。ま、余程のテクニックがなきゃあそこまで綺麗に曲がらねぇがな。さすが天才不二周助だ」
「うちの天才なんぞと呼ばれる奴とは大違いだな」
「いきなりディスるのやめてくれへん……?」
まさかここで自分が貶されるとは思わなかった忍足が反論する。しかし、誰もそれを聞き入れてくれなかったので忍足はさらに心を閉ざした。
もちろんそれでも試合は続く。次の芥川からのサービスゲームで彼はサーブを打ってすぐにネットへと向かうプレイスタイルであるサーブ&ボレーを発揮する。
しかしネットへと着く前に不二が芥川の足元めがけてボールを返した。しかも着地する足を。不二はそこまで狙っていたのだ。
芥川は慌てて返球したが、そのボールはちゃんと不二側のコートへと戻った。
まぐれだと思われたが、実はしっかりと狙って返していることに気づいたのはそのまぐれが再度訪れた時だった。
「不二相手でもやるなジローは」
「強い奴だとあいつもやる気が出るしちょうどいいくらいだ」
「それにしても不二って前にもどっかで聞いたな」
「5位決定戦のルドルフとの試合でジローが対戦した奴も不二だ」
「あー……それか」
「あそこにいる不二の弟だとよ」
「兄弟なのに別の学校かよ」
「家庭の事情は俺様には関係ないからその辺りは知らねぇな」
麻美もそこまで知りたいとは思わないのでそれ以上会話を広げることはなかった。
しかし、早々に不二は芥川にボレーを打たせない手を打ってきた。ずっとベースラインを狙って前に出させないようにする。
どの体勢でも自由自在にボールを返すことが出来る芥川にネットプレイさせることが出来ないのは相当痛いものであった。
「跡部」
「今度はなんだ」
「仮にあいつが負けて次あんたが試合するだろ」
「ああ」
「あんたが勝ったら2勝2敗1引き分けになる。この場合どうなるわけ?」
「控え選手、つまり補欠同士の試合になるな」
「補欠……」
氷帝の補欠選手は先ほど麻美が言い争った日吉若だ。芥川の負けはまだ確定していないが、その可能性はなきにしもあらず。
青学が補欠にどんな選手をエントリーしたかは分からないとはいえ、このまま氷帝が負けるわけにはいかないので何としてでも早く3勝して青学を敗退させたいところ。
従兄妹である赤澤が所属するルドルフを打ち負かした青学。麻美としてはここで従兄妹の借りを返したいところであった。
しかし氷帝も5位決定戦にてルドルフを降したが、彼女にとってはそんなことは関係がなかったのだ。結局自分の学校さえ勝てばいいので。
芥川の試合はまだ挽回出来るチャンスはある。そう思って観戦を続けたが、芥川のサービスゲームでは彼の得意なネットプレイが出来るはずなのに不二はまた周りを驚かせる技を見せた。
不二の打ったボールが芥川の前で大きく跳ね上がり、オーバーする打球は彼らしくないと口にする者もいたためアウトになるかと思われたが……。
「ジロー!!」
跡部は気づいた。そのボールの変化に。油断しきった芥川に向けて彼は名を叫ぶも遅かった。
しっかり芥川のコートへインしたボールはそのまま強いバックスピンがかかり、芥川の顔横を通って不二の元へと戻ったのだ。まるで操っているのかというように不二はその球をキャッチする。
「白鯨……」
消えるサーブ、バニッシングカットを披露した時と同様に周りは、しんと静寂に包まれていた。
「さあ、もう1球いこうか……風の止まないうちに」
微量の逆風を利用した不二の三種の返し技 のひとつ、その名を白鯨と呼ぶ。そんな彼の信じられないテクニックに青学の仲間も観客も皆歓声を上げた。
「赤宮、お前はあれをどう思う? あのジローでさえも赤子のように扱うあいつを」
「キザったらしくて、ムカつく」
「そういうことを聞きたいわけじゃねーんだよ」
技だとか強さについての意見を聞きたかった跡部にだったが、不二の違う所に注目して勝手に苛立つ麻美の返答に彼は溜め息をつかざるを得なかった。
「全部あのふざけたサーブで点取りやがったな。おい、跡部。どういう原理でああなった?」
腕を組みながら麻美は跡部に解説を求める。跡部は「俺は解説役じゃねーぞ」と口にしながらも疑問を持って尋ねようとする彼女に悪い気はしないのですぐに答えた。
「ボールを落とす際に強烈なスピンをかけたことによりバウンドした球が急激に外へ曲がったってことだ。だから消えたように見えて本当に消えたわけじゃねーぜ」
「そんなもん当たり前だろ。ボールが消えるわけない」
「そうかよ。ま、余程のテクニックがなきゃあそこまで綺麗に曲がらねぇがな。さすが天才不二周助だ」
「うちの天才なんぞと呼ばれる奴とは大違いだな」
「いきなりディスるのやめてくれへん……?」
まさかここで自分が貶されるとは思わなかった忍足が反論する。しかし、誰もそれを聞き入れてくれなかったので忍足はさらに心を閉ざした。
もちろんそれでも試合は続く。次の芥川からのサービスゲームで彼はサーブを打ってすぐにネットへと向かうプレイスタイルであるサーブ&ボレーを発揮する。
しかしネットへと着く前に不二が芥川の足元めがけてボールを返した。しかも着地する足を。不二はそこまで狙っていたのだ。
芥川は慌てて返球したが、そのボールはちゃんと不二側のコートへと戻った。
まぐれだと思われたが、実はしっかりと狙って返していることに気づいたのはそのまぐれが再度訪れた時だった。
「不二相手でもやるなジローは」
「強い奴だとあいつもやる気が出るしちょうどいいくらいだ」
「それにしても不二って前にもどっかで聞いたな」
「5位決定戦のルドルフとの試合でジローが対戦した奴も不二だ」
「あー……それか」
「あそこにいる不二の弟だとよ」
「兄弟なのに別の学校かよ」
「家庭の事情は俺様には関係ないからその辺りは知らねぇな」
麻美もそこまで知りたいとは思わないのでそれ以上会話を広げることはなかった。
しかし、早々に不二は芥川にボレーを打たせない手を打ってきた。ずっとベースラインを狙って前に出させないようにする。
どの体勢でも自由自在にボールを返すことが出来る芥川にネットプレイさせることが出来ないのは相当痛いものであった。
「跡部」
「今度はなんだ」
「仮にあいつが負けて次あんたが試合するだろ」
「ああ」
「あんたが勝ったら2勝2敗1引き分けになる。この場合どうなるわけ?」
「控え選手、つまり補欠同士の試合になるな」
「補欠……」
氷帝の補欠選手は先ほど麻美が言い争った日吉若だ。芥川の負けはまだ確定していないが、その可能性はなきにしもあらず。
青学が補欠にどんな選手をエントリーしたかは分からないとはいえ、このまま氷帝が負けるわけにはいかないので何としてでも早く3勝して青学を敗退させたいところ。
従兄妹である赤澤が所属するルドルフを打ち負かした青学。麻美としてはここで従兄妹の借りを返したいところであった。
しかし氷帝も5位決定戦にてルドルフを降したが、彼女にとってはそんなことは関係がなかったのだ。結局自分の学校さえ勝てばいいので。
芥川の試合はまだ挽回出来るチャンスはある。そう思って観戦を続けたが、芥川のサービスゲームでは彼の得意なネットプレイが出来るはずなのに不二はまた周りを驚かせる技を見せた。
不二の打ったボールが芥川の前で大きく跳ね上がり、オーバーする打球は彼らしくないと口にする者もいたためアウトになるかと思われたが……。
「ジロー!!」
跡部は気づいた。そのボールの変化に。油断しきった芥川に向けて彼は名を叫ぶも遅かった。
しっかり芥川のコートへインしたボールはそのまま強いバックスピンがかかり、芥川の顔横を通って不二の元へと戻ったのだ。まるで操っているのかというように不二はその球をキャッチする。
「白鯨……」
消えるサーブ、バニッシングカットを披露した時と同様に周りは、しんと静寂に包まれていた。
「さあ、もう1球いこうか……風の止まないうちに」
微量の逆風を利用した不二の
「赤宮、お前はあれをどう思う? あのジローでさえも赤子のように扱うあいつを」
「キザったらしくて、ムカつく」
「そういうことを聞きたいわけじゃねーんだよ」
技だとか強さについての意見を聞きたかった跡部にだったが、不二の違う所に注目して勝手に苛立つ麻美の返答に彼は溜め息をつかざるを得なかった。