自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
激しいパワー勝負
主人公名前変換
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「かっ、かかかかかばっちが、かばっちがっ!!」
樺地の「もう、打てません」宣言により驚きに固まっていた遥がようやく意識を取り戻したように口を開いた。
試合結果もそうだが、樺地の腕の負傷に目がいってしまい、遥の慌てっぷりが酷さを増す。
「どどどどうしようっ! かばっちが怪我してる! 死んじゃう!!」
「ほんと黙れ下僕!! 死にゃしねーよ!!」
「遥、心配なのは分かるけどちょっと落ち着こう?」
ガタガタと震える遥に怒鳴りつける麻美と優しく背中を叩く秋。それでも遥は樺地のことが心配で心配で仕方なかった。
「勝ちはしなかったが負けもしなかったノーゲーム、か。まぁ、残り2勝さえしてしまえばいい。次はシングルス2だけど……」
チラッ、麻美が次の選手である芥川に目を向ける。樺地から回収されててもずっとベンチの上で眠っている彼を見て不安と苛立ちが襲う。
「ああーーっ! また寝てやがるコイツ!!」
「おいジロー起きろ。出番だ!!」
もう試合の時間だというのに起きない彼をレギュラー面子が芥川を起こしにかかる。
叩かれたり怒鳴られたりしてようやく夢の世界から戻ってきた芥川は寝ぼけながらゆっくり身体を起こす。
「……」
「ジロー。次だよ、試合」
「んー……あ、秋だぁ。おはよ~」
「うん、おはよう」
秋がボケーッとする彼に声をかけると芥川はにへっと笑いながら呑気に挨拶をする。そんな彼を見て他の部員達は溜め息をついた。
「試合ー……樺ちゃんで終わったんじゃないのぉ?」
「今のところ1勝1敗、1ノーゲームなの」
確かに全勝すれば芥川にまでは回らなかったが、秋から試合結果を聞くとまだ覚醒しきらない頭で彼は考えた。
「あー……じゃあ、俺と跡部が勝てばオッケーってこと?」
「そうだよ。頑張ってね」
「おっけー」
まだ間延びした話し方ではあるが芥川にとって大好きな秋の声援を聞いて少しだけやる気が出た。
完全に覚醒したとは言えないが、ゆっくりとコートに向かう準備を始める。
その傍らで試合を終えた河村を病院に連れて行こうとする青学の顧問、竜崎が樺地も一緒に連れて行くことの許可を求めると、跡部はそのまま樺地を青学へと託すことに決めた。
榊もよろしくお願いしますと竜崎に頭を下げ、樺地は離脱する。
「かばっちが連れ攫われた!?」
「どう見たらそうなるんだよ! あんたの目は節穴か!?」
「ちょっとちょっと跡部! あたしのかばっちはどこに連れてかれるのさ!?」
「おめーのじゃねぇっつってんだろ! 樺地は病院だ!」
「病院……」
「怪我してんだから当然だろ」
ハァ、と溜め息混じりで呟く麻美の言葉に遥の頭の中では手術や入院など重いワードがぐるぐるする。
そんな大事ではないのにあわあわする彼女に向けてポンッと肩を優しく叩く者がいた。
「遥、心配なら病院に行ってあげなよ」
「は、萩っ!」
まるで背中を押してくれるように。そして彼女の行動力をよく理解してるからこその言葉に遥は悩んでる暇なんてないと言いたげに、うんっと力強く頷く。
「あたしかばっちの付き添いしてくる!」
「うん、行ってらっしゃい」
ダッと走り出す遥に滝は優しく手を振って見送った。それでこそ遥だと言わんばかりの慈愛の笑みも向けて。
そんな様子を腕を組みながら見ていた麻美はわざとらしい深い溜め息を吐き捨てる。
「損な役回りだな」
「そうかな? でも遅かれ早かれ遥は走ったと思うからその行動を早めただけだよ」
「……あんたがそれでいいならいいけど」
「赤宮は俺の心配してくれるんだ?」
「心配じゃなくムカつくんだよ。諦めてるようであいつに向ける気持ちを捨てられないそんな中途半端なとこがな」
「簡単に捨てられるほど短くないからね、遥への気持ちは。でも好きだからこそ彼女の気持ちが大事だし最優先にしたい。それにこうして手助けする方が性に合ってるし」
「面倒な感情だな」
「赤宮も誰かを好きなったら分かるんじゃないかな?」
「分かりたくない」
髪を耳にかける滝のにっこりと笑う表情と言葉にイラッとした麻美は不機嫌そうに顔を逸らす。
試合コートはシングルス2の準備が行われていた。
樺地の「もう、打てません」宣言により驚きに固まっていた遥がようやく意識を取り戻したように口を開いた。
試合結果もそうだが、樺地の腕の負傷に目がいってしまい、遥の慌てっぷりが酷さを増す。
「どどどどうしようっ! かばっちが怪我してる! 死んじゃう!!」
「ほんと黙れ下僕!! 死にゃしねーよ!!」
「遥、心配なのは分かるけどちょっと落ち着こう?」
ガタガタと震える遥に怒鳴りつける麻美と優しく背中を叩く秋。それでも遥は樺地のことが心配で心配で仕方なかった。
「勝ちはしなかったが負けもしなかったノーゲーム、か。まぁ、残り2勝さえしてしまえばいい。次はシングルス2だけど……」
チラッ、麻美が次の選手である芥川に目を向ける。樺地から回収されててもずっとベンチの上で眠っている彼を見て不安と苛立ちが襲う。
「ああーーっ! また寝てやがるコイツ!!」
「おいジロー起きろ。出番だ!!」
もう試合の時間だというのに起きない彼をレギュラー面子が芥川を起こしにかかる。
叩かれたり怒鳴られたりしてようやく夢の世界から戻ってきた芥川は寝ぼけながらゆっくり身体を起こす。
「……」
「ジロー。次だよ、試合」
「んー……あ、秋だぁ。おはよ~」
「うん、おはよう」
秋がボケーッとする彼に声をかけると芥川はにへっと笑いながら呑気に挨拶をする。そんな彼を見て他の部員達は溜め息をついた。
「試合ー……樺ちゃんで終わったんじゃないのぉ?」
「今のところ1勝1敗、1ノーゲームなの」
確かに全勝すれば芥川にまでは回らなかったが、秋から試合結果を聞くとまだ覚醒しきらない頭で彼は考えた。
「あー……じゃあ、俺と跡部が勝てばオッケーってこと?」
「そうだよ。頑張ってね」
「おっけー」
まだ間延びした話し方ではあるが芥川にとって大好きな秋の声援を聞いて少しだけやる気が出た。
完全に覚醒したとは言えないが、ゆっくりとコートに向かう準備を始める。
その傍らで試合を終えた河村を病院に連れて行こうとする青学の顧問、竜崎が樺地も一緒に連れて行くことの許可を求めると、跡部はそのまま樺地を青学へと託すことに決めた。
榊もよろしくお願いしますと竜崎に頭を下げ、樺地は離脱する。
「かばっちが連れ攫われた!?」
「どう見たらそうなるんだよ! あんたの目は節穴か!?」
「ちょっとちょっと跡部! あたしのかばっちはどこに連れてかれるのさ!?」
「おめーのじゃねぇっつってんだろ! 樺地は病院だ!」
「病院……」
「怪我してんだから当然だろ」
ハァ、と溜め息混じりで呟く麻美の言葉に遥の頭の中では手術や入院など重いワードがぐるぐるする。
そんな大事ではないのにあわあわする彼女に向けてポンッと肩を優しく叩く者がいた。
「遥、心配なら病院に行ってあげなよ」
「は、萩っ!」
まるで背中を押してくれるように。そして彼女の行動力をよく理解してるからこその言葉に遥は悩んでる暇なんてないと言いたげに、うんっと力強く頷く。
「あたしかばっちの付き添いしてくる!」
「うん、行ってらっしゃい」
ダッと走り出す遥に滝は優しく手を振って見送った。それでこそ遥だと言わんばかりの慈愛の笑みも向けて。
そんな様子を腕を組みながら見ていた麻美はわざとらしい深い溜め息を吐き捨てる。
「損な役回りだな」
「そうかな? でも遅かれ早かれ遥は走ったと思うからその行動を早めただけだよ」
「……あんたがそれでいいならいいけど」
「赤宮は俺の心配してくれるんだ?」
「心配じゃなくムカつくんだよ。諦めてるようであいつに向ける気持ちを捨てられないそんな中途半端なとこがな」
「簡単に捨てられるほど短くないからね、遥への気持ちは。でも好きだからこそ彼女の気持ちが大事だし最優先にしたい。それにこうして手助けする方が性に合ってるし」
「面倒な感情だな」
「赤宮も誰かを好きなったら分かるんじゃないかな?」
「分かりたくない」
髪を耳にかける滝のにっこりと笑う表情と言葉にイラッとした麻美は不機嫌そうに顔を逸らす。
試合コートはシングルス2の準備が行われていた。