自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
激しいパワー勝負
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樺地も波動球を打つようになってから河村もラケットを弾き飛ばされるようになり、ゲームは2-2とすぐに並んだ。
氷帝側もこの様子なら勝てると言わんばかりに応援に熱が入る。
しかし青学の切り札を封じたと思っていたが、またも河村が動き出す。その構えは波動球と一緒だった。けれど打つ際に先ほどまでは両手だったがここにきて片手で打ったのだ。
その威力は両手で打ったものとは桁違いのもの。まず音が激しく重いのだ。まるで大砲でも撃ち込まれたかのよう。
「ひえぇっ、凄い音だよっ!」
「切り札の切り札ってか? なかなかの威力だな」
「もしかして樺地くん、あれもコピーするのかな?」
河村の片手波動球にざわつくマネージャー陣に跡部はフッと鼻で笑う。
「当然だろ。なあ樺地」
グッとラケットを強く握った樺地はすぐさま河村と同じ撃ち方を真似する。
「ばぁぅ!!」
そして難なく河村に返球する。その様子を見た遥は更に黄色い声を上げ、再び麻美に殴られるのだった。
しかし、返したのもつかの間、河村は更に同じフォームで打ち返す。
けれども片手で打ち続けると腕に強い負担がかかり、そのまま壊してしまうほど強力なもので下手をすれば今後テニスが出来なくなる可能性があるほど。
青学面子が動揺や心配のため制止の声を河村に向けるが彼は連続の片手波動球勝負をやめなかった。
「バカめ。何度やっても同じだぜ! いけ……樺地」
「ウス……」
跡部の命令にこくりと頷いた樺地はまた片手波動球で返した。
「ガムシャラに打ったかて樺地には勝たれへん」
「かばっちーー!! いっけーー!! かっちょいーー!!」
「……ほんま、樺地は強敵やんな」
「侑士、それぜってーテニスのことじゃねーだろ」
ちらりと遥を見て自分の時とは違う応援の熱量をヒシヒシと感じた忍足はガクッと項垂れる。そんな相方の様子に向日はぼそりとツッコミを入れるが事実のため反論は出来なかった。
「それにしても……凄い力勝負だね。あんな激しいボール、普通は返せないよ」
「秋なら腕が折れるかもな。……っつーか、本当にこれテニスか? テニスにあるまじき音が響くんだけど?」
あまりにも激しいパワー勝負に怪我をしないだろうかと心配しだす秋であったが、麻美はテニスとは何なのかと思い始めていた。
試合は尚も互いに片手波動球で打ち合う。このラリーがいつまで続くのか分からず、ハラハラする者は少なくない。
そんな中、ラリーは急に止まってしまった。激しく打ち合っていたボールはコロ……と転がりネットに当たる。
相手側のコートに入ることなく自身のコートに落ちたボールはもちろん相手側の得点だ。
ラリーを止めた者、樺地は更にラケットを落として静寂した中、口を開く。
「もう、打てません……」
震える腕、手のひらは血だらけであった。そんな信じられない光景に氷帝部員が声を上げる。
「……ま、まさかっ、樺地のウデが先にいっちまった!?」
あの樺地が!? と驚く面々の中にもちろんレギュラーの何人かも同様の反応を見せる。
「アイツまさか……樺地が相手の技をコピーする習性を利用してあえて危険な片手の波動球勝負に持ち込んだのか?」
「どちらの腕が最後まで持つか一か八かの賭けに出たって事っスか?」
「だろうな」
鳳の問いに答えた跡部の言葉を聞いて向日は吠えた。
「きたねーハメやがったのか野郎!!」
「しかしテメーにそれが出来るか? 自分の腕を犠牲にしてよ」
「ゔ」
宍戸の言葉に返す言葉がなく、向日はあっさりと押し黙る。自分を犠牲にするだなんて強い決心がなければそう簡単には実行に移せないのだ。
それだけじゃなく先の試合で秋の応援と喜びを向けられた人物だけに向日は更に自分が惨めになるのを感じた。
(……んだよ、俺格好悪ィことばっかじゃねぇか)
ふと、秋に目を向けるとバチッと目が合う。
まさか聞かれてた? 見られてた? 河村みたく自分を犠牲にして勝利を収めない俺なんて男らしくないなんて思われてるんじゃ……。
そんな不安が渦巻く向日に秋は彼に向けて優しく微笑み、声をかける。
「私は自分を大切にすることも大事だと思うよ」
「そ、そうか」
フォローされちまったな……。そう感じるも、格好悪いとは思っていなさそうだったのでそこは安心した。
「しかしたいしたモンやな。青学、河村隆」
ならばこの試合は青学の勝利か。誰もがそう思ったが、監督である榊が呟いた。
「彼も限界だったようだな」
カラン、と落ちたのは河村のラケットであった。それは樺地と同じく彼の腕も痙攣を起こし、手の中は血が滴っている。
その結果、両者試合続行不可能ということになり、シングルス3は無効試合となった。
氷帝側もこの様子なら勝てると言わんばかりに応援に熱が入る。
しかし青学の切り札を封じたと思っていたが、またも河村が動き出す。その構えは波動球と一緒だった。けれど打つ際に先ほどまでは両手だったがここにきて片手で打ったのだ。
その威力は両手で打ったものとは桁違いのもの。まず音が激しく重いのだ。まるで大砲でも撃ち込まれたかのよう。
「ひえぇっ、凄い音だよっ!」
「切り札の切り札ってか? なかなかの威力だな」
「もしかして樺地くん、あれもコピーするのかな?」
河村の片手波動球にざわつくマネージャー陣に跡部はフッと鼻で笑う。
「当然だろ。なあ樺地」
グッとラケットを強く握った樺地はすぐさま河村と同じ撃ち方を真似する。
「ばぁぅ!!」
そして難なく河村に返球する。その様子を見た遥は更に黄色い声を上げ、再び麻美に殴られるのだった。
しかし、返したのもつかの間、河村は更に同じフォームで打ち返す。
けれども片手で打ち続けると腕に強い負担がかかり、そのまま壊してしまうほど強力なもので下手をすれば今後テニスが出来なくなる可能性があるほど。
青学面子が動揺や心配のため制止の声を河村に向けるが彼は連続の片手波動球勝負をやめなかった。
「バカめ。何度やっても同じだぜ! いけ……樺地」
「ウス……」
跡部の命令にこくりと頷いた樺地はまた片手波動球で返した。
「ガムシャラに打ったかて樺地には勝たれへん」
「かばっちーー!! いっけーー!! かっちょいーー!!」
「……ほんま、樺地は強敵やんな」
「侑士、それぜってーテニスのことじゃねーだろ」
ちらりと遥を見て自分の時とは違う応援の熱量をヒシヒシと感じた忍足はガクッと項垂れる。そんな相方の様子に向日はぼそりとツッコミを入れるが事実のため反論は出来なかった。
「それにしても……凄い力勝負だね。あんな激しいボール、普通は返せないよ」
「秋なら腕が折れるかもな。……っつーか、本当にこれテニスか? テニスにあるまじき音が響くんだけど?」
あまりにも激しいパワー勝負に怪我をしないだろうかと心配しだす秋であったが、麻美はテニスとは何なのかと思い始めていた。
試合は尚も互いに片手波動球で打ち合う。このラリーがいつまで続くのか分からず、ハラハラする者は少なくない。
そんな中、ラリーは急に止まってしまった。激しく打ち合っていたボールはコロ……と転がりネットに当たる。
相手側のコートに入ることなく自身のコートに落ちたボールはもちろん相手側の得点だ。
ラリーを止めた者、樺地は更にラケットを落として静寂した中、口を開く。
「もう、打てません……」
震える腕、手のひらは血だらけであった。そんな信じられない光景に氷帝部員が声を上げる。
「……ま、まさかっ、樺地のウデが先にいっちまった!?」
あの樺地が!? と驚く面々の中にもちろんレギュラーの何人かも同様の反応を見せる。
「アイツまさか……樺地が相手の技をコピーする習性を利用してあえて危険な片手の波動球勝負に持ち込んだのか?」
「どちらの腕が最後まで持つか一か八かの賭けに出たって事っスか?」
「だろうな」
鳳の問いに答えた跡部の言葉を聞いて向日は吠えた。
「きたねーハメやがったのか野郎!!」
「しかしテメーにそれが出来るか? 自分の腕を犠牲にしてよ」
「ゔ」
宍戸の言葉に返す言葉がなく、向日はあっさりと押し黙る。自分を犠牲にするだなんて強い決心がなければそう簡単には実行に移せないのだ。
それだけじゃなく先の試合で秋の応援と喜びを向けられた人物だけに向日は更に自分が惨めになるのを感じた。
(……んだよ、俺格好悪ィことばっかじゃねぇか)
ふと、秋に目を向けるとバチッと目が合う。
まさか聞かれてた? 見られてた? 河村みたく自分を犠牲にして勝利を収めない俺なんて男らしくないなんて思われてるんじゃ……。
そんな不安が渦巻く向日に秋は彼に向けて優しく微笑み、声をかける。
「私は自分を大切にすることも大事だと思うよ」
「そ、そうか」
フォローされちまったな……。そう感じるも、格好悪いとは思っていなさそうだったのでそこは安心した。
「しかしたいしたモンやな。青学、河村隆」
ならばこの試合は青学の勝利か。誰もがそう思ったが、監督である榊が呟いた。
「彼も限界だったようだな」
カラン、と落ちたのは河村のラケットであった。それは樺地と同じく彼の腕も痙攣を起こし、手の中は血が滴っている。
その結果、両者試合続行不可能ということになり、シングルス3は無効試合となった。