自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
復活公式戦ダブルス1
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試合を終えた宍戸と鳳は榊の元へ向かい、今回の試合による評価を彼の口から出るのを待った。
試合に勝ったからそれで終わり、ではない。試合時の動きや技術によりアドバイス、または辛口評価を受けることもなくはないのだ。
宍戸と鳳は息を呑むと、監督は言葉を告げた。
「宍戸は打球に追いついてからしっかりとテイクバック時に上体を捻るようにしろ。上体の回転を使ってライジングカウンターを打てば運動連鎖の効果により戻る力で打球が更に加速する。鳳はスカッドサーブ、重心の掛かった左足で地面をもっと蹴り上げろ。腕の振りだけでスピードを出そうとするな、下半身を使え。━━以上だ」
「「は、はいっ! ありがとうございました!!」」
二人は榊に頭を下げ、礼を言う。少し間を置いてから榊は宍戸の名を呼んだ。
「満足いく試合が出来たか?」
「……いえ」
嘘はつかなかった。勝ったとはいえ完璧な勝利とは言えないし、正直運が良かったという部分もあっただろう。
この答えに監督は呆れてしまうだろうか、せっかくレギュラーに戻ったというのに満足出来る試合が出来ないとは情けないと呆れられてしまうだろうか、あれこれ考えるが榊の返事は実にあっさりとしていた。
「ならば次の試合で満足してみせろ。ご苦労、行ってよし!」
人差し指と中指を差してビシッと決めるそのポーズは氷帝のもうひとつの名物とも言える「行ってよしのポーズ」だ。
次の試合がある。宍戸はその言葉を聞いてまた試合に立てるんだとようやく喜びを抱くことが出来た。
榊の批評を聞き終えた二人が部員達の元に戻る。みんな宍戸と鳳の勝利を讃えた。
「よくやったな」
二人へ麻美が声をかける。機嫌良く小さく笑みを浮かべ彼女なりの褒め言葉を彼らに投げた。
思わず二人は固まってしまう。それもそのはず相手は監督並に厳しいと言っても過言ではないあの麻美だ。
勝利を収めたとはいえ、揚げ足を取るように何かしら文句のひとつやふたつを言われるのではと考えていたから。
しばらく言葉が出なかったが先に声を発したのは鳳だった。
「あ、ありがとうございますっ赤宮さん! その、俺っ、嬉しいです!」
「あぁ、頑張ったな。長太郎の精神状態が些か心配だったがこの調子でこれからももっと励め」
そう言うと麻美は嬉しそうに鳳の頭を撫でた。彼の方が背は高いが手を伸ばして頭が届かないほどではない。とはいえまさか今この場で撫でられるなんて思っても見なかった鳳は「えっ、あのっ! ま、待ってください!」と顔を赤くしながら声を上げる。
「俺、汗かいてるから汚いですって!」
「ふっ、ははっ、ほんとだな。びしゃびしゃじゃん」
さらにくしゃりと笑みを深めた麻美に鳳の胸は大きく高鳴る。もうすでにいっぱいいっぱいの状態だったため彼はもう駄目だと言わんばかりに少し声が裏返りながら彼女の矛先を変えようとした。
「あああのっ、俺は宍戸さんの言葉のおかげでなんとか頑張れたんです! 宍戸さんにも賞賛をお願いしますっ!」
「そうか」
そう言って麻美の視線は宍戸に向けられた。鳳の様子を一部始終見ていただけに宍戸もドキリとする。
ま、まさか俺も長太郎みたいに撫でられんのか? いや、そんな子どもみてーなことをされたくねぇぞ! しかし赤宮に褒められるなんてあまりないことだし、拒絶して機嫌を悪くさせるくらいなら受け入れるべきか……? と、ああだこうだと悩んだ宍戸の前に麻美は立った。
「宍戸。あんたもやるじゃん」
ぽんっ、と肩を叩かれた。そう、それだけだった。頭を撫でることはない。そう察した瞬間、宍戸は身構えていただけに損した気分になる。
いや、別に残念とかじゃねーし! 期待とかもしてねーから! と誰に向けたわけでもなく自分に言い聞かせるように心の中で言い訳がましいことを思った。
その後、帽子を被ってたから撫でられなかったとか? 外せば良かったか……? と考えることになる。
「ダブルス、向いてたな。後輩の言葉掛けも良かった。記念すべき復活公式戦悪くなかったから次もやってやれ」
「お、おう……」
まぁ、赤宮に褒められて悪くはないな。肩ぽんだろうと賞賛してくれてることに間違いはないんだし。相変わらずマネージャーなのになんで上から目線なのかは分からないけど。
麻美の言葉を素直に受け入れたところで氷帝チーム戻ってきたメンバーがいた。
「おー! 宍戸と長太郎が勝ったんだね! おめでとー!」
遥と芥川を背負った樺地である。遥は試合結果を見て宍戸と鳳に向けて拍手を送った。
「樺地。ちょうどいい、出番だ」
「ウス」
こくっと頷く樺地はいまだ眠り続ける芥川をベンチに下ろし、次の試合の準備を始めた。
1勝1敗。勝負はまだまだこれからだ。
試合に勝ったからそれで終わり、ではない。試合時の動きや技術によりアドバイス、または辛口評価を受けることもなくはないのだ。
宍戸と鳳は息を呑むと、監督は言葉を告げた。
「宍戸は打球に追いついてからしっかりとテイクバック時に上体を捻るようにしろ。上体の回転を使ってライジングカウンターを打てば運動連鎖の効果により戻る力で打球が更に加速する。鳳はスカッドサーブ、重心の掛かった左足で地面をもっと蹴り上げろ。腕の振りだけでスピードを出そうとするな、下半身を使え。━━以上だ」
「「は、はいっ! ありがとうございました!!」」
二人は榊に頭を下げ、礼を言う。少し間を置いてから榊は宍戸の名を呼んだ。
「満足いく試合が出来たか?」
「……いえ」
嘘はつかなかった。勝ったとはいえ完璧な勝利とは言えないし、正直運が良かったという部分もあっただろう。
この答えに監督は呆れてしまうだろうか、せっかくレギュラーに戻ったというのに満足出来る試合が出来ないとは情けないと呆れられてしまうだろうか、あれこれ考えるが榊の返事は実にあっさりとしていた。
「ならば次の試合で満足してみせろ。ご苦労、行ってよし!」
人差し指と中指を差してビシッと決めるそのポーズは氷帝のもうひとつの名物とも言える「行ってよしのポーズ」だ。
次の試合がある。宍戸はその言葉を聞いてまた試合に立てるんだとようやく喜びを抱くことが出来た。
榊の批評を聞き終えた二人が部員達の元に戻る。みんな宍戸と鳳の勝利を讃えた。
「よくやったな」
二人へ麻美が声をかける。機嫌良く小さく笑みを浮かべ彼女なりの褒め言葉を彼らに投げた。
思わず二人は固まってしまう。それもそのはず相手は監督並に厳しいと言っても過言ではないあの麻美だ。
勝利を収めたとはいえ、揚げ足を取るように何かしら文句のひとつやふたつを言われるのではと考えていたから。
しばらく言葉が出なかったが先に声を発したのは鳳だった。
「あ、ありがとうございますっ赤宮さん! その、俺っ、嬉しいです!」
「あぁ、頑張ったな。長太郎の精神状態が些か心配だったがこの調子でこれからももっと励め」
そう言うと麻美は嬉しそうに鳳の頭を撫でた。彼の方が背は高いが手を伸ばして頭が届かないほどではない。とはいえまさか今この場で撫でられるなんて思っても見なかった鳳は「えっ、あのっ! ま、待ってください!」と顔を赤くしながら声を上げる。
「俺、汗かいてるから汚いですって!」
「ふっ、ははっ、ほんとだな。びしゃびしゃじゃん」
さらにくしゃりと笑みを深めた麻美に鳳の胸は大きく高鳴る。もうすでにいっぱいいっぱいの状態だったため彼はもう駄目だと言わんばかりに少し声が裏返りながら彼女の矛先を変えようとした。
「あああのっ、俺は宍戸さんの言葉のおかげでなんとか頑張れたんです! 宍戸さんにも賞賛をお願いしますっ!」
「そうか」
そう言って麻美の視線は宍戸に向けられた。鳳の様子を一部始終見ていただけに宍戸もドキリとする。
ま、まさか俺も長太郎みたいに撫でられんのか? いや、そんな子どもみてーなことをされたくねぇぞ! しかし赤宮に褒められるなんてあまりないことだし、拒絶して機嫌を悪くさせるくらいなら受け入れるべきか……? と、ああだこうだと悩んだ宍戸の前に麻美は立った。
「宍戸。あんたもやるじゃん」
ぽんっ、と肩を叩かれた。そう、それだけだった。頭を撫でることはない。そう察した瞬間、宍戸は身構えていただけに損した気分になる。
いや、別に残念とかじゃねーし! 期待とかもしてねーから! と誰に向けたわけでもなく自分に言い聞かせるように心の中で言い訳がましいことを思った。
その後、帽子を被ってたから撫でられなかったとか? 外せば良かったか……? と考えることになる。
「ダブルス、向いてたな。後輩の言葉掛けも良かった。記念すべき復活公式戦悪くなかったから次もやってやれ」
「お、おう……」
まぁ、赤宮に褒められて悪くはないな。肩ぽんだろうと賞賛してくれてることに間違いはないんだし。相変わらずマネージャーなのになんで上から目線なのかは分からないけど。
麻美の言葉を素直に受け入れたところで氷帝チーム戻ってきたメンバーがいた。
「おー! 宍戸と長太郎が勝ったんだね! おめでとー!」
遥と芥川を背負った樺地である。遥は試合結果を見て宍戸と鳳に向けて拍手を送った。
「樺地。ちょうどいい、出番だ」
「ウス」
こくっと頷く樺地はいまだ眠り続ける芥川をベンチに下ろし、次の試合の準備を始めた。
1勝1敗。勝負はまだまだこれからだ。