自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
復活公式戦ダブルス1
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ところ変わって試合コートから少し離れた場所では聖ルドルフの不二裕太と柳沢慎也が青学の試合を観戦するためコートを探していた。
不二周助の弟でもある裕太が歓声を耳にし、先輩である柳沢の名を呼び「あっちから声が……」と口にしたところ、何かに足が引っかかり転んでしまう。
「うわっ」
小石に躓いたなんて可愛いものではない。どうやら寝転がっている人物の足に引っかかってしまったようだ。芝生だったこともあり、怪我はないのが幸いである。
こんな所で寝てる奴がいるのかと思いながらも前方不注意だった自分にも非があるため裕太は寝ていた相手に向けて謝罪を口にしたが途中で言葉が途切れた。
「!」
「━━こいつ、裕太を15分で倒した奴だーね」
見覚えのある顔だった。それもそのはずそれはつい最近彼と試合をしたからだ。
忘れもしない5位決定戦。裕太はその対戦相手である芥川と試合し15分で完敗した。全国への夢も破れ、記憶にも新しい苦い思い出。
「あー」
上半身を起こし重たげな瞼の芥川が裕太に指を差して相手を認識した……と思ったら再び寝転がり眠りに入る。
すかさずルドルフの二人は「寝るなぁ!!」と怒鳴った。
「あ、いたいた!」
そこへ女子の声と共に裕太と柳沢の背後に大きな影が出来る。二人同時に後ろを振り向けば巨体の氷帝生の登場に「わぁっ!」と驚きを見せた。
「こ、こいつは氷帝の樺地だーね!」
「おや? 君達かばっちの知り合いかな?」
柳沢が対戦した樺地の名を口にすると、大きな身体を持つ少年、樺地の後ろから少女が姿を現す。
「えっ……」
「知り合い、というかこの間試合をした間柄だーね……」
「そなの、かばっち?」
「ウス」
「かばっちも試合した相手?」
「ウス」
「あたしも見たかったなぁ~」
少し残念そうにぼやく少女こと遥に裕太が戸惑いながら話しかける。
「あの、俺達に何か用ですか……?」
「あぁ、違うの。君達じゃなくて後ろのその者を回収しに来たのだよ」
遥を指を差す先には眠りこける芥川の姿。同じ氷帝生なのだからその理由はしっくりくるものだった。
「よーし、連れて帰るぞかばっち!」
「ウス」
こくりと頷いた樺地は黙々と眠り続ける芥川を俵で担ぐように持ち上げ、そのまま跡部達の元へと出発する。
「邪魔をしたね、君達っ! そんじゃーねっ!」
人差し指と中指を立ててポーズを決めると、遥は樺地の後を追った。唐突のことでポカンとするルドルフの二人だったが、しばらくしてから柳沢が口を開く。
「……樺地の奴、あんな簡単に人間一人担ぎ上げるのヤバすぎるだーね」
「ほんと、間近で見れば見るほど大きいですよね……」
「それにしてもさっきの女子も氷帝の子みたいだけど、あの樺地に怖気づかないなんて凄いだーね」
「同じ学校なら見慣れてるんじゃないんですかね」
「あとめっちゃ可愛かっただーね」
「……それが本音ですか」
「裕太はそう思わなかっただーね?」
「そういうのいいんで早く行きましょうよ……」
この先輩は……と溜め息を吐きながら裕太は柳沢を置いて青学のコートへと先に向かった。ここで馬鹿正直に答えると茶化すのが見えたための防衛策である。
「そういえばさっきの二人組ってどこの学校?」
裕太と柳沢から離れた遥が思い出したかのように呟く。
「聖ルドルフ……です」
「ルドルフ、ルドルフ……あ、5位決定戦の相手だよねっ?」
「ウス」
「ってことは麻美の従兄妹くんがいる学校だよね? さっきの二人のうちどっちかが赤澤って人だったかなー。挨拶すれば良かったー」
「いえ……彼らは……違います」
「あ、そうなの? いつか会ってみたいんだよね。もし見かけたら教えてねっ」
「ウス」
いつもと変わらぬ態度と言葉で遥に返事をする樺地。遥はただ会話出来るそれだけのことで幸せいっぱいに笑みを浮かべた。
そして樺地に抱えられながらもまだ寝入っている芥川に目を向けた彼女が呟く。
「ジローが羨ましいなぁ」
「?」
「あたしもかばっちに抱っこされたい!」
「……」
返事に困った。樺地はそう思ったが遥の言葉は続く。
「もし、あたしも眠りこけてたらジローみたいに抱っこしてね!」
「……ウス」
外で寝ると風邪を引くとか、女性の身体を簡単に触れるわけにはいかないとか、色々と思うことはあったが、それを口にしてしまえば遥ががっかりする姿が目に見えるため、樺地は落ち込ませないように大人しく頷いた。
その瞬間、幸せそうに笑っていた彼女はさらに目を輝かせるように全力の喜びを表に出す。
約束だよっ!? と詰め寄る遥に二文字の返事と共に頷くとまた満足気に笑う。
「……」
他人を楽しませることは出来ないけど、返事をするだけで眩しいくらいの笑顔を見せる遥を見て樺地もどこか嬉しくなった。
不二周助の弟でもある裕太が歓声を耳にし、先輩である柳沢の名を呼び「あっちから声が……」と口にしたところ、何かに足が引っかかり転んでしまう。
「うわっ」
小石に躓いたなんて可愛いものではない。どうやら寝転がっている人物の足に引っかかってしまったようだ。芝生だったこともあり、怪我はないのが幸いである。
こんな所で寝てる奴がいるのかと思いながらも前方不注意だった自分にも非があるため裕太は寝ていた相手に向けて謝罪を口にしたが途中で言葉が途切れた。
「!」
「━━こいつ、裕太を15分で倒した奴だーね」
見覚えのある顔だった。それもそのはずそれはつい最近彼と試合をしたからだ。
忘れもしない5位決定戦。裕太はその対戦相手である芥川と試合し15分で完敗した。全国への夢も破れ、記憶にも新しい苦い思い出。
「あー」
上半身を起こし重たげな瞼の芥川が裕太に指を差して相手を認識した……と思ったら再び寝転がり眠りに入る。
すかさずルドルフの二人は「寝るなぁ!!」と怒鳴った。
「あ、いたいた!」
そこへ女子の声と共に裕太と柳沢の背後に大きな影が出来る。二人同時に後ろを振り向けば巨体の氷帝生の登場に「わぁっ!」と驚きを見せた。
「こ、こいつは氷帝の樺地だーね!」
「おや? 君達かばっちの知り合いかな?」
柳沢が対戦した樺地の名を口にすると、大きな身体を持つ少年、樺地の後ろから少女が姿を現す。
「えっ……」
「知り合い、というかこの間試合をした間柄だーね……」
「そなの、かばっち?」
「ウス」
「かばっちも試合した相手?」
「ウス」
「あたしも見たかったなぁ~」
少し残念そうにぼやく少女こと遥に裕太が戸惑いながら話しかける。
「あの、俺達に何か用ですか……?」
「あぁ、違うの。君達じゃなくて後ろのその者を回収しに来たのだよ」
遥を指を差す先には眠りこける芥川の姿。同じ氷帝生なのだからその理由はしっくりくるものだった。
「よーし、連れて帰るぞかばっち!」
「ウス」
こくりと頷いた樺地は黙々と眠り続ける芥川を俵で担ぐように持ち上げ、そのまま跡部達の元へと出発する。
「邪魔をしたね、君達っ! そんじゃーねっ!」
人差し指と中指を立ててポーズを決めると、遥は樺地の後を追った。唐突のことでポカンとするルドルフの二人だったが、しばらくしてから柳沢が口を開く。
「……樺地の奴、あんな簡単に人間一人担ぎ上げるのヤバすぎるだーね」
「ほんと、間近で見れば見るほど大きいですよね……」
「それにしてもさっきの女子も氷帝の子みたいだけど、あの樺地に怖気づかないなんて凄いだーね」
「同じ学校なら見慣れてるんじゃないんですかね」
「あとめっちゃ可愛かっただーね」
「……それが本音ですか」
「裕太はそう思わなかっただーね?」
「そういうのいいんで早く行きましょうよ……」
この先輩は……と溜め息を吐きながら裕太は柳沢を置いて青学のコートへと先に向かった。ここで馬鹿正直に答えると茶化すのが見えたための防衛策である。
「そういえばさっきの二人組ってどこの学校?」
裕太と柳沢から離れた遥が思い出したかのように呟く。
「聖ルドルフ……です」
「ルドルフ、ルドルフ……あ、5位決定戦の相手だよねっ?」
「ウス」
「ってことは麻美の従兄妹くんがいる学校だよね? さっきの二人のうちどっちかが赤澤って人だったかなー。挨拶すれば良かったー」
「いえ……彼らは……違います」
「あ、そうなの? いつか会ってみたいんだよね。もし見かけたら教えてねっ」
「ウス」
いつもと変わらぬ態度と言葉で遥に返事をする樺地。遥はただ会話出来るそれだけのことで幸せいっぱいに笑みを浮かべた。
そして樺地に抱えられながらもまだ寝入っている芥川に目を向けた彼女が呟く。
「ジローが羨ましいなぁ」
「?」
「あたしもかばっちに抱っこされたい!」
「……」
返事に困った。樺地はそう思ったが遥の言葉は続く。
「もし、あたしも眠りこけてたらジローみたいに抱っこしてね!」
「……ウス」
外で寝ると風邪を引くとか、女性の身体を簡単に触れるわけにはいかないとか、色々と思うことはあったが、それを口にしてしまえば遥ががっかりする姿が目に見えるため、樺地は落ち込ませないように大人しく頷いた。
その瞬間、幸せそうに笑っていた彼女はさらに目を輝かせるように全力の喜びを表に出す。
約束だよっ!? と詰め寄る遥に二文字の返事と共に頷くとまた満足気に笑う。
「……」
他人を楽しませることは出来ないけど、返事をするだけで眩しいくらいの笑顔を見せる遥を見て樺地もどこか嬉しくなった。