自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
関東大会開幕VS青学
主人公名前変換
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「はぁー……」
向日は深い溜め息をついた。まさかの逆転負けをしたことにより監督である榊から小言を受けてしまい、気分は最悪。時を戻せるのならもう同じ過ちはしねぇ、と思うもそんな上手いことが出来たら苦労しないので現実逃避はすぐにやめた。
忍足と共に戻って来たがとぼとぼと歩く向日に対して忍足はいつも通りの表情でなんでこいつはいつも涼しい顔してんだよと思わずにはいられなかった。
「……侑士、随分と余裕そうだな」
「そんなわけないやん。これでもめっちゃ気落ちしとるで」
「どこがだよ……ったく、マジ腹立つぜ青学!」
地団駄を踏んで青学への鬱憤を晴らそうとするが、結局悔しいことには変わりないため無意味に体力を消費する。
そんな彼を秋が出迎えた。「岳人」と声をかける彼女に向日はぴたりと立ち止まる。
「お疲れ様」
「おー……」
思わず相手の顔を見れず目線を逸らしながら適当な返事をする。特に何もしたわけじゃないが気まずい感じがしたからだ。いや、何かをしたのではなく、正確には何も結果を残せなかったという方が正しい。
ただでさえ秋は向日のファンと口にしていたので、この試合を見て幻滅したんじゃないかと思ってしまい、向日はまともに彼女の顔が見れなかった。
まぁ、こういう時はダブルスの相方である侑士が何とかしてくれるだろう。何故なら奴はそれなりに空気が読めるし、それとなくこの雰囲気もどうにかしてくれる。そう思っていたのだったが━━。
「じゃあ、俺は遥のとこ行って来るわ」
「は? おま、何言ってんだよっ」
「癒しを求めに」
何格好つけてんだよ、こいつ。呆れ混じりの視線を向けると、忍足はこそっと耳打ちをした。
「邪魔もんは退散せなと思うてな」
「何が邪魔もんだよ。っつーか、どうにかしろって。気まずいだろっ」
「むしろ俺がおる方が気まずいわ」
「はあ? どういうことだよ、お前……」
「気まずいんやったら自分で避けるなり無視するなりしたらええやん」
「んなこと出来るわけ━━」
「ほなな」
言葉を遮って胡散臭い笑みを浮かべる相方はさっさと行ってしまった。遥の元へ。遥が「な、何用だ!?」と忍足に向かって喚いている様子を遠巻きで眺めていると後ろから「岳人?」と声をかけられ、向日はハッとする。
「どうしたの?」
「あ、いや、侑士の奴が遥のとこに行くって言うから見送ったっつーか……えーと……あー……その、だな」
「?」
「格好悪ィとこ見せちまったな……がっかりしただろ」
溜め息を吐き、頭を掻きながら言いにくそうに口にするその言葉に秋は瞬きをする。
「えっ。そんなことないよ。がっかりだなんてとんでもない! 私は岳人が一生懸命頑張ってたって思ってるし、試合前に言ってたように沢山アクロバティックなプレイも見せてくれたし、十分に格好良かったよ」
「そ、そうか……?」
てっきり呆れてしまったのかと思っていたが、秋は優しく微笑んでいた。
正直青学の奴らに情けない負け方をしたし、醜態だって晒した自覚もある向日には眩しすぎる優しい光のように感じてどこかむず痒い。
「それに次の試合は宍戸と鳳くんだし、きっとあの二人が岳人達の仇をとってくれるよ」
「あー……そうだな……」
「宍戸、強くなったからきっと勝てるよ」
にっこりと笑いながら宍戸の勝利を信じてる秋に向日はむず痒がった気持ちが今度はモヤモヤし始める。
秋はそんな向日の心を知る由もないので宍戸がさっきみんなに活を入れていたことなど楽しげに話していたが、向日はあまりいい気がしなかった。
負けたから仕方ないとはいえもう少し残念がったり慰めてもいいんじゃないのか。もっと親身になってもいいだろ。
どこか不満に感じながらもすぐに俺は何考えてんだっ? と気づいた向日はブンブンと首を振ってモヤモヤした思考も払おうとした。
(案外岳人もその気があるんちゃうか?)
(なんであたしの隣に立ったと思ったら秋を見てるのだこの者は……ハッ! やっぱり今度は秋にロックオンしてるんだ!)
二人の様子を見守っていた忍足は遥にまた勘違いされているとも知らずに向日と秋の仲をもう少し見守ってみようと決めた。
向日は深い溜め息をついた。まさかの逆転負けをしたことにより監督である榊から小言を受けてしまい、気分は最悪。時を戻せるのならもう同じ過ちはしねぇ、と思うもそんな上手いことが出来たら苦労しないので現実逃避はすぐにやめた。
忍足と共に戻って来たがとぼとぼと歩く向日に対して忍足はいつも通りの表情でなんでこいつはいつも涼しい顔してんだよと思わずにはいられなかった。
「……侑士、随分と余裕そうだな」
「そんなわけないやん。これでもめっちゃ気落ちしとるで」
「どこがだよ……ったく、マジ腹立つぜ青学!」
地団駄を踏んで青学への鬱憤を晴らそうとするが、結局悔しいことには変わりないため無意味に体力を消費する。
そんな彼を秋が出迎えた。「岳人」と声をかける彼女に向日はぴたりと立ち止まる。
「お疲れ様」
「おー……」
思わず相手の顔を見れず目線を逸らしながら適当な返事をする。特に何もしたわけじゃないが気まずい感じがしたからだ。いや、何かをしたのではなく、正確には何も結果を残せなかったという方が正しい。
ただでさえ秋は向日のファンと口にしていたので、この試合を見て幻滅したんじゃないかと思ってしまい、向日はまともに彼女の顔が見れなかった。
まぁ、こういう時はダブルスの相方である侑士が何とかしてくれるだろう。何故なら奴はそれなりに空気が読めるし、それとなくこの雰囲気もどうにかしてくれる。そう思っていたのだったが━━。
「じゃあ、俺は遥のとこ行って来るわ」
「は? おま、何言ってんだよっ」
「癒しを求めに」
何格好つけてんだよ、こいつ。呆れ混じりの視線を向けると、忍足はこそっと耳打ちをした。
「邪魔もんは退散せなと思うてな」
「何が邪魔もんだよ。っつーか、どうにかしろって。気まずいだろっ」
「むしろ俺がおる方が気まずいわ」
「はあ? どういうことだよ、お前……」
「気まずいんやったら自分で避けるなり無視するなりしたらええやん」
「んなこと出来るわけ━━」
「ほなな」
言葉を遮って胡散臭い笑みを浮かべる相方はさっさと行ってしまった。遥の元へ。遥が「な、何用だ!?」と忍足に向かって喚いている様子を遠巻きで眺めていると後ろから「岳人?」と声をかけられ、向日はハッとする。
「どうしたの?」
「あ、いや、侑士の奴が遥のとこに行くって言うから見送ったっつーか……えーと……あー……その、だな」
「?」
「格好悪ィとこ見せちまったな……がっかりしただろ」
溜め息を吐き、頭を掻きながら言いにくそうに口にするその言葉に秋は瞬きをする。
「えっ。そんなことないよ。がっかりだなんてとんでもない! 私は岳人が一生懸命頑張ってたって思ってるし、試合前に言ってたように沢山アクロバティックなプレイも見せてくれたし、十分に格好良かったよ」
「そ、そうか……?」
てっきり呆れてしまったのかと思っていたが、秋は優しく微笑んでいた。
正直青学の奴らに情けない負け方をしたし、醜態だって晒した自覚もある向日には眩しすぎる優しい光のように感じてどこかむず痒い。
「それに次の試合は宍戸と鳳くんだし、きっとあの二人が岳人達の仇をとってくれるよ」
「あー……そうだな……」
「宍戸、強くなったからきっと勝てるよ」
にっこりと笑いながら宍戸の勝利を信じてる秋に向日はむず痒がった気持ちが今度はモヤモヤし始める。
秋はそんな向日の心を知る由もないので宍戸がさっきみんなに活を入れていたことなど楽しげに話していたが、向日はあまりいい気がしなかった。
負けたから仕方ないとはいえもう少し残念がったり慰めてもいいんじゃないのか。もっと親身になってもいいだろ。
どこか不満に感じながらもすぐに俺は何考えてんだっ? と気づいた向日はブンブンと首を振ってモヤモヤした思考も払おうとした。
(案外岳人もその気があるんちゃうか?)
(なんであたしの隣に立ったと思ったら秋を見てるのだこの者は……ハッ! やっぱり今度は秋にロックオンしてるんだ!)
二人の様子を見守っていた忍足は遥にまた勘違いされているとも知らずに向日と秋の仲をもう少し見守ってみようと決めた。