自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
関東大会開幕VS青学
主人公名前変換
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「クソクソッ! なんだよあいつら!」
「すまんなぁ、岳人……まさか最後に桃城やなくて菊丸に決められるとは思わんかったわ」
第1試合を終えて帰ってきた向日と忍足のペア。しかし氷帝側はその試合結果に驚きを隠せなかった。
秋もショックを受けて、胸がぎゅっと締め付けられる。
岳人達が負けるなんて、当初はそんな心配はなかったのに試合が進む度に不安は大きくなり、そしてその不安は的中してしまった。
黄金ペアでもない急造コンビに逆転負け。正直なところこの敗北はかなり痛い。
そんな二人の前に麻美が立ちはだかる。
「なんだこの体たらくは」
腕を組みながら睨みつけ、苛立ちの炎までバックに背負っているように見える。結果が結果だけに向日と忍足はぐっと押し黙った。
「まぁまぁ、麻美もそうカッカッしないでよ。まだ1敗だけなんだしっ」
「その1敗を許せるわけないだろ。あと4戦なんだよ、あんたが何とか出来るのか? あぁ?」
「ひぃん! 怒りの矛先をこちらに向けないでくれたまえ!」
遥はちょっと宥めたつもりなのに麻美の怒りを買ってしまった。麻美のその態度は敗者に厳しい氷帝テニス部に相応しいとも言える。マネージャーではあるが。
「やめろ、赤宮。その仕事は監督の仕事だ。おら、お前らとさっさと監督の所へ行って叱られてこい」
「はあ、気ぃ重いわぁ……」
「くっそぉ……」
跡部が命令すると二人は渋々とベンチに座る榊の元へ向かった。邪魔をされた麻美はというと、じろりと黙ったまま跡部を睨みつける。
「睨むな。お前が怒ったところで終わった試合はひっくり返せねぇんだぜ」
「あんな無様な試合を見せられて随分と余裕そうだな」
「西成も言っていたが1敗で目くじら立てねぇよ」
さすが都大会で敗れても動揺しない男である。そう思うと同時に向日と忍足を擁護する気はないが、桃城にはやられたと思うのもまた事実。
そして麻美は思った。見た目はどこにでもいそうなスポーツ少年だというのに。あれだけ大きな声で覚悟を叫ぶので桃城が決め球を打つと誰もが思ったはず。しかし実際に打ったのは菊丸だ。
確かに「“俺”がこの一球に全てを懸ける」と言ったわけではないので騙したことにはならないがとんだ食わせ者だ。
「ま、あいつらにはたっぷりとこれからの課題を押し付けてやるがな」
「あ、そ」
ペナルティーと思えばいいのか。まぁ、罰があるなら、と麻美は納得することにした。そして何より跡部の言う通りもう終わってしまったことなので次の試合に期待することに決める。
しかし、すでに不安を抱く部員や応援に来ていた氷帝生は狼狽えていた。
「あの忍足、向日ペアが負けちまうとは」
「どうなってんだ。今年の大会は……大丈夫なのか?」
ざわつく氷帝側。相手が相手だったこともあり、1敗するなんて思っていなかったからその動揺は大きい。
「まさか全国に……」
誰かが呟く。そこから続く言葉は察することは出来たが、さすがにそれを決めつけるのは早計すぎる。
そんな情けない言葉は聞くに堪えないと感じた麻美がガンをつけて黙らせようとしたその時だった。
「激ダサだな、お前ら」
コートへと向かおうとする宍戸が発した。
「おらぁ、うろたえてんじゃねぇーぞ! コラ! 勝つのは氷帝だろが!! 気合い入れて応援しろ、アホ!!」
宍戸の怒号が飛ぶ。けど、そのおかげで氷帝応援団達は声援を再開させた。
言葉遣いはあまり褒められたものではないが彼の言うことはもっともであり、1回戦に負けたからこそ必要な処置でもある。
「宍戸ったら……あの言い方はどうにかならなかったのかな」
呆れるように眉を下げる秋だが、小さく笑っていた。どうやら宍戸の言葉はショックを受けていた秋の心にも響いたようだ。だからなのか、今回は小言は言わないでおこうと決める。
「宍戸らしー」
遥はそれこそ宍戸だと言うようにうんうんと頷いていた。ちょっとガサツで口も悪いけど、燃えやすくもある宍戸らしい言葉だと受け止めている。
「ふーん、やるじゃん。どん底まで落ちた奴が口にすると随分と重みがあるな」
麻美もどこか感心したような口振りだった。宍戸が口を出さなければ麻美が怒鳴りつけていたが、自分が出る幕でもなかったなとフッと笑みを浮かべる。
「すまんなぁ、岳人……まさか最後に桃城やなくて菊丸に決められるとは思わんかったわ」
第1試合を終えて帰ってきた向日と忍足のペア。しかし氷帝側はその試合結果に驚きを隠せなかった。
秋もショックを受けて、胸がぎゅっと締め付けられる。
岳人達が負けるなんて、当初はそんな心配はなかったのに試合が進む度に不安は大きくなり、そしてその不安は的中してしまった。
黄金ペアでもない急造コンビに逆転負け。正直なところこの敗北はかなり痛い。
そんな二人の前に麻美が立ちはだかる。
「なんだこの体たらくは」
腕を組みながら睨みつけ、苛立ちの炎までバックに背負っているように見える。結果が結果だけに向日と忍足はぐっと押し黙った。
「まぁまぁ、麻美もそうカッカッしないでよ。まだ1敗だけなんだしっ」
「その1敗を許せるわけないだろ。あと4戦なんだよ、あんたが何とか出来るのか? あぁ?」
「ひぃん! 怒りの矛先をこちらに向けないでくれたまえ!」
遥はちょっと宥めたつもりなのに麻美の怒りを買ってしまった。麻美のその態度は敗者に厳しい氷帝テニス部に相応しいとも言える。マネージャーではあるが。
「やめろ、赤宮。その仕事は監督の仕事だ。おら、お前らとさっさと監督の所へ行って叱られてこい」
「はあ、気ぃ重いわぁ……」
「くっそぉ……」
跡部が命令すると二人は渋々とベンチに座る榊の元へ向かった。邪魔をされた麻美はというと、じろりと黙ったまま跡部を睨みつける。
「睨むな。お前が怒ったところで終わった試合はひっくり返せねぇんだぜ」
「あんな無様な試合を見せられて随分と余裕そうだな」
「西成も言っていたが1敗で目くじら立てねぇよ」
さすが都大会で敗れても動揺しない男である。そう思うと同時に向日と忍足を擁護する気はないが、桃城にはやられたと思うのもまた事実。
そして麻美は思った。見た目はどこにでもいそうなスポーツ少年だというのに。あれだけ大きな声で覚悟を叫ぶので桃城が決め球を打つと誰もが思ったはず。しかし実際に打ったのは菊丸だ。
確かに「“俺”がこの一球に全てを懸ける」と言ったわけではないので騙したことにはならないがとんだ食わせ者だ。
「ま、あいつらにはたっぷりとこれからの課題を押し付けてやるがな」
「あ、そ」
ペナルティーと思えばいいのか。まぁ、罰があるなら、と麻美は納得することにした。そして何より跡部の言う通りもう終わってしまったことなので次の試合に期待することに決める。
しかし、すでに不安を抱く部員や応援に来ていた氷帝生は狼狽えていた。
「あの忍足、向日ペアが負けちまうとは」
「どうなってんだ。今年の大会は……大丈夫なのか?」
ざわつく氷帝側。相手が相手だったこともあり、1敗するなんて思っていなかったからその動揺は大きい。
「まさか全国に……」
誰かが呟く。そこから続く言葉は察することは出来たが、さすがにそれを決めつけるのは早計すぎる。
そんな情けない言葉は聞くに堪えないと感じた麻美がガンをつけて黙らせようとしたその時だった。
「激ダサだな、お前ら」
コートへと向かおうとする宍戸が発した。
「おらぁ、うろたえてんじゃねぇーぞ! コラ! 勝つのは氷帝だろが!! 気合い入れて応援しろ、アホ!!」
宍戸の怒号が飛ぶ。けど、そのおかげで氷帝応援団達は声援を再開させた。
言葉遣いはあまり褒められたものではないが彼の言うことはもっともであり、1回戦に負けたからこそ必要な処置でもある。
「宍戸ったら……あの言い方はどうにかならなかったのかな」
呆れるように眉を下げる秋だが、小さく笑っていた。どうやら宍戸の言葉はショックを受けていた秋の心にも響いたようだ。だからなのか、今回は小言は言わないでおこうと決める。
「宍戸らしー」
遥はそれこそ宍戸だと言うようにうんうんと頷いていた。ちょっとガサツで口も悪いけど、燃えやすくもある宍戸らしい言葉だと受け止めている。
「ふーん、やるじゃん。どん底まで落ちた奴が口にすると随分と重みがあるな」
麻美もどこか感心したような口振りだった。宍戸が口を出さなければ麻美が怒鳴りつけていたが、自分が出る幕でもなかったなとフッと笑みを浮かべる。