自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
円満解決
主人公名前変換
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「よぉ……ちょっと、話いいか?」
秋と鳳が芥川に感謝をしている同時刻。宍戸はいよいよ遥と話し合おうと彼女に声をかけた。厳しいとも不安とも取れるような表情で。
「……いいよ」
遥も同じような顔で答えた。その声色はまだどこか不貞腐れるようなものだったが。
とにかく話をする時間を設けることが出来たのでテニスコートを出た場所で二人は話をすることになった。
話を切り出したのはもちろん遥に声をかけた宍戸から。
「まず、言い訳がましいかもしれねぇけど、これだけは言わせてくれ。俺は何が何でもレギュラーに戻りたかったから、新しく生まれ変わった俺の力を最大に発揮出来る相手を選んだ。その相手が滝だったんだよ」
宍戸はどちらかといえば滝のテニスは苦手だった。守備型でこちらのミスを待つのが得意な彼は涼しい顔をしてラリーをするどこか上品なテニスだ。
それだけならまだいいが、滝の打つボールはそれなりに速い。ボールが消えたように見える時もあった。だから宍戸は彼よりも速いサーブを打てる鳳との特訓で目も慣らし、追いつける努力をしたのだ。
苦手な相手と戦い、完全勝利するために。
「……」
遥は黙ったまま宍戸の話に耳を傾ける。
「あー……お前が怒る気持ちはよく分かってるし、俺のやり方を気に食わねぇって思う奴が他にいるのも理解してる。それでも俺は俺のしたことに後悔はしてねぇし、謝罪するつもりはねぇ」
はっきりと宍戸はそう言った。てっきり謝られる流れかと思っていた遥は大きな目で瞬きをする。
「……いや、そりゃあ、ちょっとはお前に悪いって気持ちがなくもないけど、謝っちまったら俺が間違ったことをしてるみたいになるからよ、そこだけは理解してもらいたいっつーか……」
えーと、と言葉に詰まる。あっさりとではあるが言いたいことを言ったため、これ以上何を言えばいいか分からない宍戸はそのまま黙ってしまう。
しん、となる空気に押し潰されそうになったが、その空気を破るように小さな笑い声が聞こえた。
「ふふふっ。宍戸ってばしどろもどろしてるっ」
意外にもそれが目の前の遥の口から漏れていて、続く言葉に茶化されたと気づいた宍戸は「なっ!」と声を上げる。
「お、お前っ! 怒ってたんじゃねーのかよっ!」
「そりゃあもう怒ってたよ? さっきまでプンスコってね。でも、まぁ、もう過ぎたことだし、宍戸もあたしが怒ってるのを気にしてるみたいだったし、それより何より萩が怒らないでって言うから仕方なくだよっ? 萩に免じて君の狡いやり方を許してあげるんだからねっ?」
昨日までとは違い、いつもの調子の遥に宍戸は思わず言葉を失ってしまった。
いつもの遥と話せる関係には戻りたいと思ってはいたが、こうもあっさりと変わると宍戸が作った真面目な空気が壊されたような気もする。
「それに、あたしに謝らないって言うならあたしも間違ったことを言ったつもりはないから謝らないよっ。それでもいいって言うならレギュラー復帰をお祝いしてやらないこともないんだからね!」
わざとらしく最後はツンデレを意識する遥にとうとう宍戸も吹き出すように笑った。
「ははっ、なんだよそれ。まぁ、元から西成に謝罪は求めてねぇよ」
「ふふん。よろしいっ! ならば元鞘ってやつだ」
ドヤ顔を決めながら宍戸の前に拳を突き出すと、宍戸も拳を突き合わせた。
「あぁ」
にっこりと笑う宍戸を見て、遥はこれで良かったんだよね、と幼馴染みの顔を浮かべた。
今朝から今までの間、ずっと宍戸とどう向き合うか考えているうちに宍戸ががむしゃらに頑張っていたことも少しずつ理解するようになり、持ち前の前向きな思考もあって宍戸のことを許そう。嫌うのをやめようと決心した。
そして目の前で真面目に話をするも上手く締まらない様子の宍戸が何だかおかしく思えてきて怒るのも馬鹿らしくなった遥はどこか不器用な宍戸のレギュラー復帰をようやく受け入れたのだった。
秋と鳳が芥川に感謝をしている同時刻。宍戸はいよいよ遥と話し合おうと彼女に声をかけた。厳しいとも不安とも取れるような表情で。
「……いいよ」
遥も同じような顔で答えた。その声色はまだどこか不貞腐れるようなものだったが。
とにかく話をする時間を設けることが出来たのでテニスコートを出た場所で二人は話をすることになった。
話を切り出したのはもちろん遥に声をかけた宍戸から。
「まず、言い訳がましいかもしれねぇけど、これだけは言わせてくれ。俺は何が何でもレギュラーに戻りたかったから、新しく生まれ変わった俺の力を最大に発揮出来る相手を選んだ。その相手が滝だったんだよ」
宍戸はどちらかといえば滝のテニスは苦手だった。守備型でこちらのミスを待つのが得意な彼は涼しい顔をしてラリーをするどこか上品なテニスだ。
それだけならまだいいが、滝の打つボールはそれなりに速い。ボールが消えたように見える時もあった。だから宍戸は彼よりも速いサーブを打てる鳳との特訓で目も慣らし、追いつける努力をしたのだ。
苦手な相手と戦い、完全勝利するために。
「……」
遥は黙ったまま宍戸の話に耳を傾ける。
「あー……お前が怒る気持ちはよく分かってるし、俺のやり方を気に食わねぇって思う奴が他にいるのも理解してる。それでも俺は俺のしたことに後悔はしてねぇし、謝罪するつもりはねぇ」
はっきりと宍戸はそう言った。てっきり謝られる流れかと思っていた遥は大きな目で瞬きをする。
「……いや、そりゃあ、ちょっとはお前に悪いって気持ちがなくもないけど、謝っちまったら俺が間違ったことをしてるみたいになるからよ、そこだけは理解してもらいたいっつーか……」
えーと、と言葉に詰まる。あっさりとではあるが言いたいことを言ったため、これ以上何を言えばいいか分からない宍戸はそのまま黙ってしまう。
しん、となる空気に押し潰されそうになったが、その空気を破るように小さな笑い声が聞こえた。
「ふふふっ。宍戸ってばしどろもどろしてるっ」
意外にもそれが目の前の遥の口から漏れていて、続く言葉に茶化されたと気づいた宍戸は「なっ!」と声を上げる。
「お、お前っ! 怒ってたんじゃねーのかよっ!」
「そりゃあもう怒ってたよ? さっきまでプンスコってね。でも、まぁ、もう過ぎたことだし、宍戸もあたしが怒ってるのを気にしてるみたいだったし、それより何より萩が怒らないでって言うから仕方なくだよっ? 萩に免じて君の狡いやり方を許してあげるんだからねっ?」
昨日までとは違い、いつもの調子の遥に宍戸は思わず言葉を失ってしまった。
いつもの遥と話せる関係には戻りたいと思ってはいたが、こうもあっさりと変わると宍戸が作った真面目な空気が壊されたような気もする。
「それに、あたしに謝らないって言うならあたしも間違ったことを言ったつもりはないから謝らないよっ。それでもいいって言うならレギュラー復帰をお祝いしてやらないこともないんだからね!」
わざとらしく最後はツンデレを意識する遥にとうとう宍戸も吹き出すように笑った。
「ははっ、なんだよそれ。まぁ、元から西成に謝罪は求めてねぇよ」
「ふふん。よろしいっ! ならば元鞘ってやつだ」
ドヤ顔を決めながら宍戸の前に拳を突き出すと、宍戸も拳を突き合わせた。
「あぁ」
にっこりと笑う宍戸を見て、遥はこれで良かったんだよね、と幼馴染みの顔を浮かべた。
今朝から今までの間、ずっと宍戸とどう向き合うか考えているうちに宍戸ががむしゃらに頑張っていたことも少しずつ理解するようになり、持ち前の前向きな思考もあって宍戸のことを許そう。嫌うのをやめようと決心した。
そして目の前で真面目に話をするも上手く締まらない様子の宍戸が何だかおかしく思えてきて怒るのも馬鹿らしくなった遥はどこか不器用な宍戸のレギュラー復帰をようやく受け入れたのだった。