自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
マネージャー初日の自己紹介
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「━━以上がマネージャーとしてお前達にやってもらう仕事だ」
マネージャーの紹介が終わると、部員達はそれぞれの練習を始め、新マネージャー三人はコートの隅の方でマネージャーの役割などが記載されたプリントを跡部から渡され、説明を受けていた。
「分からないことがあれば俺に尋ねろ。俺がいなければレギュラー陣に頼れ」
「レギュラーが誰か知らないんだけど?」
そう口を挟むのは麻美であった。
氷帝男子テニス部のレギュラーは知名度があり、知らない人はほとんどいないとされているが、どうやら男子テニス部すら興味のない彼女はレギュラーが誰かなんて知らなくて当然と言わんばかりの態度である。
「……樺地。レギュラー達を呼んでこい」
「ウス」
跡部の後ろに立っていた樺地が頷くと、彼はレギュラー陣を呼びに動いた。
「あ、あたしも行くっ!」
「遥。樺地くんの邪魔しちゃダメでしょ?」
「邪魔しないもーーん!!」
「うるさい、下僕。ぶん殴られたいのか?」
「ぴえん」
そう呟いた瞬間、イラッときたのか遥の顔面に麻美の張り手が飛んだ。
バチーン! と、大きな音が響き、麻美からの攻撃を受けた遥は鼻を赤くして、その痛みに苦しみ、悶え転がった。
「いったぁぁぁぁい!! あたしの高いお鼻が潰れちゃううぅぅ!!」
「安心しろ。最初から潰れてる」
「酷いっ!!」
「もう、二人とも騒がしくしないの」
今は部活中なんだからと秋が注意するが、二人に反省の色は見られず溜め息をついてしまう。
そんなときだった。
「秋~溜め息なんてついてどーしたのー?」
「ジロー」
同じクラスの芥川が秋の顔を覗く。
彼だけではなく、他の正レギュラーの面子もぞろぞろと集まってきた。樺地による早い招集のおかげだろう。
そして先程までは転げ回って、今はただ不貞腐れて座り込んでいた遥は樺地と目が合うと慌てて立ち上がり、何事もなかったというような態度でえへへと笑いかけた。
「どう見ても誤魔化しきれねぇだろ、それは」
「うっさいやい、岳人め!」
事実を指摘した向日に噛みつく遥。この二人は昨年同じクラスだったため互いによく知る仲である。
「静かにしろテメェら。お前達を呼んだのはレギュラーの顔をこいつらに見せるためだ。無駄な時間を消費してんじゃねーぞ」
「って言っても、あたしレギュラーはみんな知ってるんだよね。有名だし。えーと、向日にジロー、萩ぃに宍戸、忍足と跡部の三年生でしょ。それで二年生は鳳くんとかばっち!」
「……何、そのふざけた呼び方は?」
「ふざけた呼び方とは?」
はて? と首を傾げる遥に麻美は彼女の頭を鷲掴み、頭蓋骨を粉砕する勢いで力を込めた。
「かばっちとかっていうふざけた呼び方だろ!」
「あいだだだだ!! かばっちは樺地のことだよーー!!」
「二人ともそこまで! みんなの練習の邪魔になっちゃうんだからじゃれ合うのもそれくらいにして」
「っち」
「秋……どうやったら今のがじゃれ合いに見えるの? あたしの頭が粉砕されちゃうってのに」
「粉砕されてないんだから手加減してくれてるってことに気づかなきゃ」
「えぇ……」
「……話を進めていいか?」
「うん。ごめんね、跡部。続けて」
「多分顔見知りがほとんどだろうが、初めて顔を合わす奴もいるだろう。マネージャー達には欲を言えば部員全員の名前を覚えてもらいたいが、今はレギュラーだけでも覚えろ。っつーわけでレギュラーのお前らも名前くらい名乗っとけ。俺様は言わなくてもわかるだろうが跡部景吾だ」
腕を組みながら自身の知名度の高さを自負している跡部から先に名乗りあげた。
「知ってる」
「うん。改めてよろしくね」
「クラスメイトなのでさっき会ったばっかだよー」
麻美、秋、遥の順番に答える。
昨年クラスメイトだった麻美と今年クラスメイトの遥、そして生徒会として繋がりのある秋にとって跡部はよく知った男だった。
「はいはいはーい! じゃあ俺からね! 俺、芥川慈郎! 秋と同じクラス!」
「ジロー起きてて偉いね」
「でしょー! だって秋がマネージャーとしての初部活なわけだから俺も気合い入れてたんだー!」
「その分、今日の授業中はずっと寝てたけどね」
「あっちゃー! それは恥ずかCー!」
くすくすと笑う秋に本当に羞恥を抱いているのか分からないが、恥ずかしい素振りを見せる芥川はどこか楽しげにも見えた。
「えーと、それから麻美とは一年のとき同じクラスだった。その頃からすげーおっかねぇけど!」
「馬鹿にしてんの?」
「してないCー! それからあとは西成、だっけ? 君は話したことないけどなんとなく知ってる! 忍足のオキニってやつ!」
「や・め・て!」
勢いのまま芥川から自己紹介を始めるが、本人は起きてるからなのか、秋がいるからなのか、そのテンションはあまりにも高い。
麻美相手に怯むことなく、遥とは会話をするのがほぼ初めてではあるが、互いにその存在を認識しているので知り合いと言えなくもなかった。
「じゃあ、ご紹介に預かったわけやし次は俺やな。まぁ、この喋りやし知っとると思うけど忍足侑士や」
「……」
「麻美……そないに嫌そうな顔せんとってくれへん? 傷つくわ」
「思ってもいないくせに。っつーか、名前で呼ぶな。耳障り」
「相変わらず厳しいわ」
眉を寄せながら忍足を睨む麻美に彼は肩を竦めると、秋が微笑みながら口を開いた。
「忍足のことはよく知ってるよ。でもこうして私と言葉を交わすのは初めてだよね? 九条です。よろしくね」
「そら光栄やわ。副生徒会長の九条さんに知ってもらえるやなんて嬉しいで」
忍足も同じように営業スマイルを向けて互いに挨拶を交わす。
そして忍足の視線は遥へと移り、彼女は「ひぇっ」と言葉が漏れる。
「遥も俺のためにマネージャーを引き受けてくれておおきになぁ」
「違う違う違う違う!!」
「忍足。彼女をからかわないでくれる?」
ずいっと遥に顔を寄せる忍足をすぐに引き離した滝はあっち行けと言わんばかりに手でシッシッと追い払う。
「からかってへんねんけ━━」
「あ、次は俺の番だね。俺は滝萩之介」
「……」
あえて忍足の言葉を遮って自己紹介を始める滝に忍足は口にも顔にも出さないが、作り笑顔を浮かべながら苛立ちを覚えていた。
「まぁ、遥とは幼馴染みだからその繋がりで赤宮と九条とは顔見知り程度ではあるし、今更名乗るほどでもないかな。いつも彼女と仲良くしてくれてありがとう」
(萩ってばあたしの保護者みたい)
「こちらこそ、遥とは仲良くさせてもらってるからお礼を言われるほどのことじゃないよ」
「世話してるの間違いだろ」
「もう、麻美。ツンツンしないの」
誰に対しても尊大に構える麻美に小言を口にするものの、彼女には効果がなかった。
マネージャーの紹介が終わると、部員達はそれぞれの練習を始め、新マネージャー三人はコートの隅の方でマネージャーの役割などが記載されたプリントを跡部から渡され、説明を受けていた。
「分からないことがあれば俺に尋ねろ。俺がいなければレギュラー陣に頼れ」
「レギュラーが誰か知らないんだけど?」
そう口を挟むのは麻美であった。
氷帝男子テニス部のレギュラーは知名度があり、知らない人はほとんどいないとされているが、どうやら男子テニス部すら興味のない彼女はレギュラーが誰かなんて知らなくて当然と言わんばかりの態度である。
「……樺地。レギュラー達を呼んでこい」
「ウス」
跡部の後ろに立っていた樺地が頷くと、彼はレギュラー陣を呼びに動いた。
「あ、あたしも行くっ!」
「遥。樺地くんの邪魔しちゃダメでしょ?」
「邪魔しないもーーん!!」
「うるさい、下僕。ぶん殴られたいのか?」
「ぴえん」
そう呟いた瞬間、イラッときたのか遥の顔面に麻美の張り手が飛んだ。
バチーン! と、大きな音が響き、麻美からの攻撃を受けた遥は鼻を赤くして、その痛みに苦しみ、悶え転がった。
「いったぁぁぁぁい!! あたしの高いお鼻が潰れちゃううぅぅ!!」
「安心しろ。最初から潰れてる」
「酷いっ!!」
「もう、二人とも騒がしくしないの」
今は部活中なんだからと秋が注意するが、二人に反省の色は見られず溜め息をついてしまう。
そんなときだった。
「秋~溜め息なんてついてどーしたのー?」
「ジロー」
同じクラスの芥川が秋の顔を覗く。
彼だけではなく、他の正レギュラーの面子もぞろぞろと集まってきた。樺地による早い招集のおかげだろう。
そして先程までは転げ回って、今はただ不貞腐れて座り込んでいた遥は樺地と目が合うと慌てて立ち上がり、何事もなかったというような態度でえへへと笑いかけた。
「どう見ても誤魔化しきれねぇだろ、それは」
「うっさいやい、岳人め!」
事実を指摘した向日に噛みつく遥。この二人は昨年同じクラスだったため互いによく知る仲である。
「静かにしろテメェら。お前達を呼んだのはレギュラーの顔をこいつらに見せるためだ。無駄な時間を消費してんじゃねーぞ」
「って言っても、あたしレギュラーはみんな知ってるんだよね。有名だし。えーと、向日にジロー、萩ぃに宍戸、忍足と跡部の三年生でしょ。それで二年生は鳳くんとかばっち!」
「……何、そのふざけた呼び方は?」
「ふざけた呼び方とは?」
はて? と首を傾げる遥に麻美は彼女の頭を鷲掴み、頭蓋骨を粉砕する勢いで力を込めた。
「かばっちとかっていうふざけた呼び方だろ!」
「あいだだだだ!! かばっちは樺地のことだよーー!!」
「二人ともそこまで! みんなの練習の邪魔になっちゃうんだからじゃれ合うのもそれくらいにして」
「っち」
「秋……どうやったら今のがじゃれ合いに見えるの? あたしの頭が粉砕されちゃうってのに」
「粉砕されてないんだから手加減してくれてるってことに気づかなきゃ」
「えぇ……」
「……話を進めていいか?」
「うん。ごめんね、跡部。続けて」
「多分顔見知りがほとんどだろうが、初めて顔を合わす奴もいるだろう。マネージャー達には欲を言えば部員全員の名前を覚えてもらいたいが、今はレギュラーだけでも覚えろ。っつーわけでレギュラーのお前らも名前くらい名乗っとけ。俺様は言わなくてもわかるだろうが跡部景吾だ」
腕を組みながら自身の知名度の高さを自負している跡部から先に名乗りあげた。
「知ってる」
「うん。改めてよろしくね」
「クラスメイトなのでさっき会ったばっかだよー」
麻美、秋、遥の順番に答える。
昨年クラスメイトだった麻美と今年クラスメイトの遥、そして生徒会として繋がりのある秋にとって跡部はよく知った男だった。
「はいはいはーい! じゃあ俺からね! 俺、芥川慈郎! 秋と同じクラス!」
「ジロー起きてて偉いね」
「でしょー! だって秋がマネージャーとしての初部活なわけだから俺も気合い入れてたんだー!」
「その分、今日の授業中はずっと寝てたけどね」
「あっちゃー! それは恥ずかCー!」
くすくすと笑う秋に本当に羞恥を抱いているのか分からないが、恥ずかしい素振りを見せる芥川はどこか楽しげにも見えた。
「えーと、それから麻美とは一年のとき同じクラスだった。その頃からすげーおっかねぇけど!」
「馬鹿にしてんの?」
「してないCー! それからあとは西成、だっけ? 君は話したことないけどなんとなく知ってる! 忍足のオキニってやつ!」
「や・め・て!」
勢いのまま芥川から自己紹介を始めるが、本人は起きてるからなのか、秋がいるからなのか、そのテンションはあまりにも高い。
麻美相手に怯むことなく、遥とは会話をするのがほぼ初めてではあるが、互いにその存在を認識しているので知り合いと言えなくもなかった。
「じゃあ、ご紹介に預かったわけやし次は俺やな。まぁ、この喋りやし知っとると思うけど忍足侑士や」
「……」
「麻美……そないに嫌そうな顔せんとってくれへん? 傷つくわ」
「思ってもいないくせに。っつーか、名前で呼ぶな。耳障り」
「相変わらず厳しいわ」
眉を寄せながら忍足を睨む麻美に彼は肩を竦めると、秋が微笑みながら口を開いた。
「忍足のことはよく知ってるよ。でもこうして私と言葉を交わすのは初めてだよね? 九条です。よろしくね」
「そら光栄やわ。副生徒会長の九条さんに知ってもらえるやなんて嬉しいで」
忍足も同じように営業スマイルを向けて互いに挨拶を交わす。
そして忍足の視線は遥へと移り、彼女は「ひぇっ」と言葉が漏れる。
「遥も俺のためにマネージャーを引き受けてくれておおきになぁ」
「違う違う違う違う!!」
「忍足。彼女をからかわないでくれる?」
ずいっと遥に顔を寄せる忍足をすぐに引き離した滝はあっち行けと言わんばかりに手でシッシッと追い払う。
「からかってへんねんけ━━」
「あ、次は俺の番だね。俺は滝萩之介」
「……」
あえて忍足の言葉を遮って自己紹介を始める滝に忍足は口にも顔にも出さないが、作り笑顔を浮かべながら苛立ちを覚えていた。
「まぁ、遥とは幼馴染みだからその繋がりで赤宮と九条とは顔見知り程度ではあるし、今更名乗るほどでもないかな。いつも彼女と仲良くしてくれてありがとう」
(萩ってばあたしの保護者みたい)
「こちらこそ、遥とは仲良くさせてもらってるからお礼を言われるほどのことじゃないよ」
「世話してるの間違いだろ」
「もう、麻美。ツンツンしないの」
誰に対しても尊大に構える麻美に小言を口にするものの、彼女には効果がなかった。