自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
復活を喜び、復活を憎み
主人公名前変換
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「ううぅぅ……」
部活から抜け出した遥は人気のない裏庭で蹲りながら泣いていた。
自分は間違ってない。おかしいのは向こうなんだ。そう固執する遥は一人で泣き腫らした。
しばらく泣いたあと少しだけ感情が落ち着いてきた遥は幼馴染みのことを考える。
一人にしてと言われたからにはそっとすることしか出来ない遥は何もしてやれないことに歯痒さを感じた。
(萩……)
きっと幼馴染みも一人で塞ぎ込んでいるかもしれない。明日また声をかけてみようかな。
結局、自分に出来ることはそれしかないんだと思って俯き顔を上げると、そこにはハンカチが一枚彼女に向けて差し出されていた。
「!」
このシチュエーションには覚えがあった。そう、遥が樺地と初めて出会い、言葉を交わし、恋に落ちたあの日と酷似していたのだ。
まさか運命が再び……!? そう思ってハンカチを差し出す相手へと目を向けた。
「お嬢さん、良かったら使ってくれへん?」
忍足侑士だった。期待していただけに遥のテンションが一気に急降下。不服そうな顔で唇もへの字になる。
「めっちゃ嫌そうな顔やん」
「期待を打ち砕かれたもん」
「さよか。ちょっとは落ち着いとるみたいやけど、せっかく出したんやから使うてや」
微笑みながらもハンカチを差し出す手はそのままだったので、この手を跳ね除けるのはさすがに可哀想かなと思い、忍足からのハンカチを受け取ってすでに渇きかけの目元を拭った。
「……まだいるんすか?」
「好きな子が泣いとるのにそのままに出来るような薄情な男やと思うん?」
「……」
どの口がそういうのか。そう言いたげなジトッとした視線を忍足に浴びせば、相手もそれを理解したのか目が泳ぎ出す。
「ま、まぁ、確かに薄情なこともあったのは否定せんけどな……」
「分かってるではないか」
「嫌っちゅーほど分からせられたんやし。まぁ、それは今置いといて遥が怒っとったことやねんけどな」
「……忍足もあたしが悪いって言うの?」
「別に誰が悪いとか言う話ちゃうで。それを言い出したらキリないんやし。もちろん遥が怒るのも分からんでもないんやけど、宍戸に肩入れしたくなるのも分かるからな」
「……」
むすーっとしながら結局は宍戸の味方でもあるじゃんと顔に出す遥だが、忍足はそんな彼女の表情を予想していたのか気にすることなく話を続ける。
「遥が宍戸の扱いが気に入らんのやったら抗議するのもえぇと思うねんけど、一度滝と話し合う方が先やと思うで。いくら遥だけが反対しても当人がその気なかったら抗議し損やん?」
「……」
何か反論しようと思ったが少し冷静を取り戻した遥としては忍足の言い分も少しだけ理解出来た。
そういえば秋も冷静になってと言っていたことも思い出し、話を聞こうとしなかったことを今になって申し訳なく感じる。
「そう、だね。萩と話してみる」
「ええ子やな」
素直に滝と対話することに決めた遥に忍足が安堵の笑みを浮かべる。
色々あった相手とはいえ、今は純粋に心配してくれてるのだろう。そんなふうに感じた遥は小声でぽつりと呟いた。
「ありがとね、忍足」
申し訳なさそうに、控えめな礼を告げると忍足はそんな彼女の姿さえもいじらしく思ったのか、遥を見つめたまま湧き上がる思いが口から出た。
「……遥、結婚しよ」
「脈絡がないんだけど!?」
どういたしまして、なら分かるのになぜ求婚されたの!? そう戸惑いながら忍足から距離を取ろうとするが、いつの間にか手を掴まれていて逃げられない。
これだから運動部は!! と遥はいつもの元気を取り戻しながら誰も来ない裏庭で叫んだのだった。
部活から抜け出した遥は人気のない裏庭で蹲りながら泣いていた。
自分は間違ってない。おかしいのは向こうなんだ。そう固執する遥は一人で泣き腫らした。
しばらく泣いたあと少しだけ感情が落ち着いてきた遥は幼馴染みのことを考える。
一人にしてと言われたからにはそっとすることしか出来ない遥は何もしてやれないことに歯痒さを感じた。
(萩……)
きっと幼馴染みも一人で塞ぎ込んでいるかもしれない。明日また声をかけてみようかな。
結局、自分に出来ることはそれしかないんだと思って俯き顔を上げると、そこにはハンカチが一枚彼女に向けて差し出されていた。
「!」
このシチュエーションには覚えがあった。そう、遥が樺地と初めて出会い、言葉を交わし、恋に落ちたあの日と酷似していたのだ。
まさか運命が再び……!? そう思ってハンカチを差し出す相手へと目を向けた。
「お嬢さん、良かったら使ってくれへん?」
忍足侑士だった。期待していただけに遥のテンションが一気に急降下。不服そうな顔で唇もへの字になる。
「めっちゃ嫌そうな顔やん」
「期待を打ち砕かれたもん」
「さよか。ちょっとは落ち着いとるみたいやけど、せっかく出したんやから使うてや」
微笑みながらもハンカチを差し出す手はそのままだったので、この手を跳ね除けるのはさすがに可哀想かなと思い、忍足からのハンカチを受け取ってすでに渇きかけの目元を拭った。
「……まだいるんすか?」
「好きな子が泣いとるのにそのままに出来るような薄情な男やと思うん?」
「……」
どの口がそういうのか。そう言いたげなジトッとした視線を忍足に浴びせば、相手もそれを理解したのか目が泳ぎ出す。
「ま、まぁ、確かに薄情なこともあったのは否定せんけどな……」
「分かってるではないか」
「嫌っちゅーほど分からせられたんやし。まぁ、それは今置いといて遥が怒っとったことやねんけどな」
「……忍足もあたしが悪いって言うの?」
「別に誰が悪いとか言う話ちゃうで。それを言い出したらキリないんやし。もちろん遥が怒るのも分からんでもないんやけど、宍戸に肩入れしたくなるのも分かるからな」
「……」
むすーっとしながら結局は宍戸の味方でもあるじゃんと顔に出す遥だが、忍足はそんな彼女の表情を予想していたのか気にすることなく話を続ける。
「遥が宍戸の扱いが気に入らんのやったら抗議するのもえぇと思うねんけど、一度滝と話し合う方が先やと思うで。いくら遥だけが反対しても当人がその気なかったら抗議し損やん?」
「……」
何か反論しようと思ったが少し冷静を取り戻した遥としては忍足の言い分も少しだけ理解出来た。
そういえば秋も冷静になってと言っていたことも思い出し、話を聞こうとしなかったことを今になって申し訳なく感じる。
「そう、だね。萩と話してみる」
「ええ子やな」
素直に滝と対話することに決めた遥に忍足が安堵の笑みを浮かべる。
色々あった相手とはいえ、今は純粋に心配してくれてるのだろう。そんなふうに感じた遥は小声でぽつりと呟いた。
「ありがとね、忍足」
申し訳なさそうに、控えめな礼を告げると忍足はそんな彼女の姿さえもいじらしく思ったのか、遥を見つめたまま湧き上がる思いが口から出た。
「……遥、結婚しよ」
「脈絡がないんだけど!?」
どういたしまして、なら分かるのになぜ求婚されたの!? そう戸惑いながら忍足から距離を取ろうとするが、いつの間にか手を掴まれていて逃げられない。
これだから運動部は!! と遥はいつもの元気を取り戻しながら誰も来ない裏庭で叫んだのだった。