自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
スポーツジムのプレオープンに招待された少年少女
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「かばっち凄い凄いっ!」
樺地は分からなかった。なぜこうなっているのかと。
最初、樺地崇弘は跡部について回っていた。運動器具やマシンの動作確認などを行っているようで彼はその後ろをついていたが「樺地、俺のことはいいからお前も何か試してこい」と他のレギュラーやマネージャー達同様に招待客として跡部は扱う。
最初は戸惑ったものの、すぐに寡黙な彼は「ウス」と返事をして鈍色の巨体は気になるマシンがないか探した。
その結果、樺地はベンチプレスに目が行き早速試すことに。ウェイトの重さやラックのセッティングなどをしっかり確認し、自分に合わせると樺地はベンチに横たわりバーベルを持ち上げ上半身のトレーニングを開始した。
ちょうどその時だった。ユーバウンドを終えて汗をかき、一休みがてら愛しの想い人を探し回る遥が姿を見せる。
「かばっちいた! 一人なの?」
彼女に見つかった樺地はいつもの返事をすると、遥はそそそとトレーニングする樺地の傍に立つ。
「じゃあさ、じゃあさ! かばっちのトレーニングしてるとこ見てていいっ?」
「ウス」
寝転びながら頷き、トレーニングを再開する樺地だったが、バーベルを上げる度に遥は声援などを送っていた。
樺地は分からなかった。なぜこうなっているのかと。いや、見学をしたいと願う遥に許可を出したからこうなっているのだが、なぜ彼女はトレーニングをする自分の見学をするのかも分からなかった。
西成遥は元々トレーニングに興味があるような人物ではない。それは何となく理解はしていた。
じゃあ、なぜ。と、考えるも樺地は遥の気持ちを知らないわけではない。
遥が自分に好意を寄せていることも分かってはいたが、それだけの理由で見学したいと思うものなのかと樺地は考える。
別に見ていても面白いものではない。テニスの試合ならまだしも、これはただのトレーニング。それなのに彼女は大きく目を輝かせながらバーベルを上げ下げする樺地を見続けた。
初めて樺地が遥と出会ったのは人通りの少ない裏庭だった。
たまたま裏庭の花壇の様子を見に来ていた彼はそこですすり泣く声を耳にする。誰かの泣き声だと理解して声がする方へ向かえば、小さく蹲る女子生徒を発見した。
最初はどこか痛むのかと思ったが、痛みに泣くというより、悲しみに泣く方が近いと察した樺地は自分のポケットからハンカチを取り出す。
樺地に気づかず、ずっと俯きながら泣き続ける彼女が手で目元を拭おうとしたその瞬間、彼はハンカチをその女子生徒に差し出した。そこでようやくその女子こと遥は樺地の存在に気づく。
使ってくださいと一声かけると、濡らした目が樺地を捉え瞬きを繰り返す。
泣いてる所を見られたのが少し恥ずかしかったのか、顔を逸らしながらも「あ、りがと……」と小さくお礼を言う遥に樺地は本当にこの対応で良かったのだろうかと己の行動を顧みた。
何せ泣いている相手を前にする機会なんてそうそうなかったのだ。妹が泣いている時は泣き止むまで傍にいたりと出来るだけのことをするが、相手は家族でもない赤の他人。同じ対応をするわけにもいかないだろう。
ここにもし彼の尊敬する跡部がいたなら相手に合わせた行動を取っていたと思われる。
それにハンカチを渡したあとのことは考えていなかった。目の前でしゃがみ込む女子はハンカチで涙を拭っているようだったが異性に見られたくないのかもしれない。そう考えて樺地は静かにその場から立ち去ったのだ。
その行動が果たして正解かなんて分からないまま樺地はいつもの通りの生活を過していた。
そして数日後━━。
「か、樺地!」
跡部の後ろを歩いていた樺地を呼び止めたのは裏庭で出会った女子生徒だった。
「あのっ、ハンカチありがとう! ちゃんと洗ったから返すねっ」
「ウス。ありがとう……ございます……」
あの日渡したハンカチ。もう彼の中ではあげたつもりでいたのだが、ハンカチには自分で刺繍した名前を刻んでいたこともあり、それを頼りにわざわざ返してきてくれたのだろう。樺地はそれを受け取り、お礼を言うと相手はとんでもないと言わんばかりに首を横に振った。
「お礼を言うのはあたしの方だよ! ほんとにありがとう! 凄く、すごーく嬉しかった!」
相手の様子を見るとどうやらあの時の行動は少なくとも間違いではなかったようだ。あのあと、泣いているところをそっとして置くべきかとも考えていたので樺地はそうしなくて良かったと安心を覚える。
「それでね、あたし……樺地に一目惚れしちゃったって言うかなんていうか、好きになって……いや、好きです!」
「……?」
そこでまさかの告白を受けた。樺地は突然のことで首を傾げる。
「いや、うん。そうだよね! そうなるよね! そうなんだけど、あたしも運命を感じたっていうか……とにかく好きなのでよろしく!」
「……」
よろしくとは……? どう返事をすべきか。いつもの二文字の返事をしたらどう受け取られるのか。そもそもこちらはどう受け取るべきなのか。樺地は分からなかった。
「おい、テメェ! 勝手に纏まりのない話で樺地を混乱させんじゃねぇよ」
「纏まりなくないやい! あたしは樺地にあたしの気持ちを伝えてるんだから茶々入れするんじゃないやい!」
当時、遥と跡部は2年だったということもあり、跡部はまだ遥のことをよく知らなかったので強い警戒を見せた。
「とにかくあたしは樺地が好きなのでそんな感じでこれから接したいと思います!」
「……ウス」
よく分からないまま返事をすると満足気に笑った遥は照れくさい表情をしながら「またね!」と去っていった。その時はまだ遥の名前も知らなかったため、彼女の名を知るのはもう少し先になる。
それからというもの、遥は度々樺地を捕まえては世間話や自分がいかに樺地のことが好きなのか語り出したりするのだった。
しかし、告白を受けたが特に付き合ってという望みを告げられていない。おそらく遥も玉砕するのが見えたため恋人を願うことは口にしなかったのだろう。
そんなあまりにもオープンな好意的言動を繰り返しながらも、どこか慎重である彼女が不思議であった。
跡部も最初は遥のことを「俺に気に入られるため身近にいる樺地から懐柔しようとしている」と思っていた。実際にそのようなことが何件かあったのでさらに警戒心が強かったのだ。
だから予め樺地にも「俺に近づこうとしてお前を利用する奴もいるだろう。そうならないためにも人を見る目は養っておけ」と教えられたこともあるくらいだが、その教えは何よりも難しかった。もはや動物的勘を頼りにするしかないようなものだから。
樺地なりに遥を己の心眼で覗いた結果、彼女は跡部の害になることはないと判断した。樺地の中で遥は自分を利用しようとする人間ではないと信じたのだ。
跡部もそうだと思ったのか、警戒をする声は聞かなくなった。ただただ「嫌なら拒絶しろ」と別の警戒心が生まれたようでそう口にするようにはなったが。
ガシャン。
一通りの回数をこなしてバーベルを戻した樺地はゆっくりベンチから起き上がると、目の前にタオルが差し出された。
「かばっち、お疲れ様! 格好いい! 汗が輝いてる! 神々しい!」
賞賛のオンパレードと共に渡されたそれは汗を流した樺地にはありがたいものではあるが、どちらかといえば自分が跡部に向けて行う行為だったので自分に向けられると少しばかり不思議に思える。
「ありがとう、ございます」
礼を告げると遥はえへへーと笑みを浮かべる。裏のないその笑顔を受け取った樺地の胸もほわっと温かくなるのを感じた。
しかし樺地は分からなかった。なぜ彼女が想いを寄せるのが自分なのか。自分はただハンカチを差し出しただけに過ぎないのに。それが理由というならば自分はたまたまその場に居合わせただけであり、もしかしたら別の人物も同じことをしていたのかもしれない。
一目惚れする相手は他にもいたはずなのに。それでこそ自分が慕う跡部なら納得したと樺地は思った。
「ね、ね、ね、これあたしにも出来るかなっ!?」
樺地と同じトレーニングマシンを使いたかったのか遥は興味津々でベンチプレスを指差す。
キラキラと目を輝かす様子は、純粋無垢だと称された樺地から見ても純粋な子どものようだと感じた。
とはいえ、樺地の使用したベンチプレスは何も鍛えていない少女には厳しいだろうと判断した樺地は首を横に振る。
「危ないので……ダンベルから始めた方が……いいと、思います」
「えー? そっかー。残念」
名残惜しそうにベンチプレスに目を向ける遥だったが、すぐに何かを思いついたのか言葉を続けた。
「それじゃあ、次はあたしもやれそうなやつやろ!」
「ウス」
こくりと樺地は頷いた。彼女がそれでいいのならば。彼女がそれで喜んでくれるならば。そう思い、返事をする。
もちろん、遥の反応は言うまでもない。寡黙な表情の樺地に比べると遥は表情豊かであった。
こんなに慕ってくれる彼女を誰が邪険に出来ようか。出来るならば自分よりももっといい人の隣に立つべきだろう。気の利いた会話も出来ない自分よりも、表情も変わらない自分よりも、楽しませることが出来ない自分よりも。
自身を卑下する樺地がそう考えていることも知らない遥は樺地の隣にいられる今をとても幸せだと感じていた。そんな遥の気持ちを樺地は分からなかった。
樺地は分からなかった。なぜこうなっているのかと。
最初、樺地崇弘は跡部について回っていた。運動器具やマシンの動作確認などを行っているようで彼はその後ろをついていたが「樺地、俺のことはいいからお前も何か試してこい」と他のレギュラーやマネージャー達同様に招待客として跡部は扱う。
最初は戸惑ったものの、すぐに寡黙な彼は「ウス」と返事をして鈍色の巨体は気になるマシンがないか探した。
その結果、樺地はベンチプレスに目が行き早速試すことに。ウェイトの重さやラックのセッティングなどをしっかり確認し、自分に合わせると樺地はベンチに横たわりバーベルを持ち上げ上半身のトレーニングを開始した。
ちょうどその時だった。ユーバウンドを終えて汗をかき、一休みがてら愛しの想い人を探し回る遥が姿を見せる。
「かばっちいた! 一人なの?」
彼女に見つかった樺地はいつもの返事をすると、遥はそそそとトレーニングする樺地の傍に立つ。
「じゃあさ、じゃあさ! かばっちのトレーニングしてるとこ見てていいっ?」
「ウス」
寝転びながら頷き、トレーニングを再開する樺地だったが、バーベルを上げる度に遥は声援などを送っていた。
樺地は分からなかった。なぜこうなっているのかと。いや、見学をしたいと願う遥に許可を出したからこうなっているのだが、なぜ彼女はトレーニングをする自分の見学をするのかも分からなかった。
西成遥は元々トレーニングに興味があるような人物ではない。それは何となく理解はしていた。
じゃあ、なぜ。と、考えるも樺地は遥の気持ちを知らないわけではない。
遥が自分に好意を寄せていることも分かってはいたが、それだけの理由で見学したいと思うものなのかと樺地は考える。
別に見ていても面白いものではない。テニスの試合ならまだしも、これはただのトレーニング。それなのに彼女は大きく目を輝かせながらバーベルを上げ下げする樺地を見続けた。
初めて樺地が遥と出会ったのは人通りの少ない裏庭だった。
たまたま裏庭の花壇の様子を見に来ていた彼はそこですすり泣く声を耳にする。誰かの泣き声だと理解して声がする方へ向かえば、小さく蹲る女子生徒を発見した。
最初はどこか痛むのかと思ったが、痛みに泣くというより、悲しみに泣く方が近いと察した樺地は自分のポケットからハンカチを取り出す。
樺地に気づかず、ずっと俯きながら泣き続ける彼女が手で目元を拭おうとしたその瞬間、彼はハンカチをその女子生徒に差し出した。そこでようやくその女子こと遥は樺地の存在に気づく。
使ってくださいと一声かけると、濡らした目が樺地を捉え瞬きを繰り返す。
泣いてる所を見られたのが少し恥ずかしかったのか、顔を逸らしながらも「あ、りがと……」と小さくお礼を言う遥に樺地は本当にこの対応で良かったのだろうかと己の行動を顧みた。
何せ泣いている相手を前にする機会なんてそうそうなかったのだ。妹が泣いている時は泣き止むまで傍にいたりと出来るだけのことをするが、相手は家族でもない赤の他人。同じ対応をするわけにもいかないだろう。
ここにもし彼の尊敬する跡部がいたなら相手に合わせた行動を取っていたと思われる。
それにハンカチを渡したあとのことは考えていなかった。目の前でしゃがみ込む女子はハンカチで涙を拭っているようだったが異性に見られたくないのかもしれない。そう考えて樺地は静かにその場から立ち去ったのだ。
その行動が果たして正解かなんて分からないまま樺地はいつもの通りの生活を過していた。
そして数日後━━。
「か、樺地!」
跡部の後ろを歩いていた樺地を呼び止めたのは裏庭で出会った女子生徒だった。
「あのっ、ハンカチありがとう! ちゃんと洗ったから返すねっ」
「ウス。ありがとう……ございます……」
あの日渡したハンカチ。もう彼の中ではあげたつもりでいたのだが、ハンカチには自分で刺繍した名前を刻んでいたこともあり、それを頼りにわざわざ返してきてくれたのだろう。樺地はそれを受け取り、お礼を言うと相手はとんでもないと言わんばかりに首を横に振った。
「お礼を言うのはあたしの方だよ! ほんとにありがとう! 凄く、すごーく嬉しかった!」
相手の様子を見るとどうやらあの時の行動は少なくとも間違いではなかったようだ。あのあと、泣いているところをそっとして置くべきかとも考えていたので樺地はそうしなくて良かったと安心を覚える。
「それでね、あたし……樺地に一目惚れしちゃったって言うかなんていうか、好きになって……いや、好きです!」
「……?」
そこでまさかの告白を受けた。樺地は突然のことで首を傾げる。
「いや、うん。そうだよね! そうなるよね! そうなんだけど、あたしも運命を感じたっていうか……とにかく好きなのでよろしく!」
「……」
よろしくとは……? どう返事をすべきか。いつもの二文字の返事をしたらどう受け取られるのか。そもそもこちらはどう受け取るべきなのか。樺地は分からなかった。
「おい、テメェ! 勝手に纏まりのない話で樺地を混乱させんじゃねぇよ」
「纏まりなくないやい! あたしは樺地にあたしの気持ちを伝えてるんだから茶々入れするんじゃないやい!」
当時、遥と跡部は2年だったということもあり、跡部はまだ遥のことをよく知らなかったので強い警戒を見せた。
「とにかくあたしは樺地が好きなのでそんな感じでこれから接したいと思います!」
「……ウス」
よく分からないまま返事をすると満足気に笑った遥は照れくさい表情をしながら「またね!」と去っていった。その時はまだ遥の名前も知らなかったため、彼女の名を知るのはもう少し先になる。
それからというもの、遥は度々樺地を捕まえては世間話や自分がいかに樺地のことが好きなのか語り出したりするのだった。
しかし、告白を受けたが特に付き合ってという望みを告げられていない。おそらく遥も玉砕するのが見えたため恋人を願うことは口にしなかったのだろう。
そんなあまりにもオープンな好意的言動を繰り返しながらも、どこか慎重である彼女が不思議であった。
跡部も最初は遥のことを「俺に気に入られるため身近にいる樺地から懐柔しようとしている」と思っていた。実際にそのようなことが何件かあったのでさらに警戒心が強かったのだ。
だから予め樺地にも「俺に近づこうとしてお前を利用する奴もいるだろう。そうならないためにも人を見る目は養っておけ」と教えられたこともあるくらいだが、その教えは何よりも難しかった。もはや動物的勘を頼りにするしかないようなものだから。
樺地なりに遥を己の心眼で覗いた結果、彼女は跡部の害になることはないと判断した。樺地の中で遥は自分を利用しようとする人間ではないと信じたのだ。
跡部もそうだと思ったのか、警戒をする声は聞かなくなった。ただただ「嫌なら拒絶しろ」と別の警戒心が生まれたようでそう口にするようにはなったが。
ガシャン。
一通りの回数をこなしてバーベルを戻した樺地はゆっくりベンチから起き上がると、目の前にタオルが差し出された。
「かばっち、お疲れ様! 格好いい! 汗が輝いてる! 神々しい!」
賞賛のオンパレードと共に渡されたそれは汗を流した樺地にはありがたいものではあるが、どちらかといえば自分が跡部に向けて行う行為だったので自分に向けられると少しばかり不思議に思える。
「ありがとう、ございます」
礼を告げると遥はえへへーと笑みを浮かべる。裏のないその笑顔を受け取った樺地の胸もほわっと温かくなるのを感じた。
しかし樺地は分からなかった。なぜ彼女が想いを寄せるのが自分なのか。自分はただハンカチを差し出しただけに過ぎないのに。それが理由というならば自分はたまたまその場に居合わせただけであり、もしかしたら別の人物も同じことをしていたのかもしれない。
一目惚れする相手は他にもいたはずなのに。それでこそ自分が慕う跡部なら納得したと樺地は思った。
「ね、ね、ね、これあたしにも出来るかなっ!?」
樺地と同じトレーニングマシンを使いたかったのか遥は興味津々でベンチプレスを指差す。
キラキラと目を輝かす様子は、純粋無垢だと称された樺地から見ても純粋な子どものようだと感じた。
とはいえ、樺地の使用したベンチプレスは何も鍛えていない少女には厳しいだろうと判断した樺地は首を横に振る。
「危ないので……ダンベルから始めた方が……いいと、思います」
「えー? そっかー。残念」
名残惜しそうにベンチプレスに目を向ける遥だったが、すぐに何かを思いついたのか言葉を続けた。
「それじゃあ、次はあたしもやれそうなやつやろ!」
「ウス」
こくりと樺地は頷いた。彼女がそれでいいのならば。彼女がそれで喜んでくれるならば。そう思い、返事をする。
もちろん、遥の反応は言うまでもない。寡黙な表情の樺地に比べると遥は表情豊かであった。
こんなに慕ってくれる彼女を誰が邪険に出来ようか。出来るならば自分よりももっといい人の隣に立つべきだろう。気の利いた会話も出来ない自分よりも、表情も変わらない自分よりも、楽しませることが出来ない自分よりも。
自身を卑下する樺地がそう考えていることも知らない遥は樺地の隣にいられる今をとても幸せだと感じていた。そんな遥の気持ちを樺地は分からなかった。