幼女戦記(二次創作)

 前世で近しい間柄であったとか運命的な繋がりがあってそうなったとか、そういったことは一切ない。些細な切っ掛け一つで『恋に落ちた』その事実が自分ながらにらしくないなと自嘲する程度には純度の高い恋愛感情を抱くのは久方振りのことで、調子を崩しているだけなのだとそう思い込みたかっただけかもしれない。
 その感情を自覚してから欲望の捌け口として、髪や瞳の色やその他一つでも其の面影がチラつく女を避けていたら、贔屓にしていた娼婦からは足が遠退き、同期には「好みが変わったな」と指摘される始末。別の誰かに勘繰られても面倒なので『気付いているならせめて無関心でいてくれ』と言うにも言えず其の時はただ黙り込むことしか出来なかった。
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