チャコペンの日常(リク
2-1.昼
「チャコちゃんみて!ありさん!」
「...うん....」
炎天の空。外出日和とはいえ平日の昼間はお昼休みで会社や学校を抜け出してきた人がちらほら見えるだけでそれほど賑わっているわけではない。
まして、チャコとペンがいるところは会社や学校から遠い公園だ。公園で昼食をとる人もいない。
「これはねづちゃんでー....こっちはそぞろさん!でー、こっちは...あれぇ?これそぞろくん?」
「....」
炎天下であっても5歳児の好奇心旺盛の少年には、遊びに最適な日としか感じない。今日もまたジリジリと照りつけ熱くなった砂の上でうずくまりアリの巣を眺めてる。
「わかんなくなっちゃった....。もういいや!これみんな椿さんね!!ひとりでいっぱいのひとやっつけるから!」
「....椿さんはこんなにいないし働き蟻じゃないと思う。.....それは私たち」
「そっか!!!じゃあ椿さんはみんながこわがるじょおうバチだ!」
「......」
もはや蟻の話ではなくなっているし、女王でもないし、何よりどちらかといえば蜂と蟻は敵対関係である。ツッコミどころが多いが、もはやチャコはそれどころではなかった。ペンと違い幼少心を持ち合わせないチャコにとってこの炎天下の日なたは自殺行為だった。
こんな暑いところにいるんだったら、拠点で椿を襲いたがって息を巻く女性陣に何故か巻き込まれてる方が良かったとチャコは後悔する。
しかし大好きな椿からの命令なら最後まで頑張るしかないと今朝の出来事を思い出す。これで何度目だろうかと思いながら。
__数時間前に遡る
髪が寝癖で爆発してるペンと寝癖ひとつ無いチャコは2人みんなが集まっている所へ糸間に連れてかれる。
2人はその部屋に入ると真っ先に大人数に囲まれてる椿の元へ駆けた。
「椿さん!おはよう!!!」
ガン無視しているのにも関わらず九十九神達に無駄に付き纏われてうんざりしていた椿だったが、チャコとペンが駆け寄ってきて初めて、そちらに目を向けた。
椿もまた自分に害を及ぼすか否かを九十九隊の中で区別しているのだ。
「あのね!!きょうね!!椿さんとあそぶゆめをみたの!」
とはいえ椿はこれと言って構う訳ではなく、ただ話を聞いてあげるだけだ。ペンはそれで満足する。
「....」
そのペンの横でじっと椿を見つめていたチャコの視線に気づいたのか椿の青灰色の目がチャコの瞳を捕らえた。
ぁぅ....と気圧されたように目を少し逸らすチャコ。椿に素直に感情を表せない内気な彼女は、口を噤む。
それでも椿はチャコから目を離さずに、安心させるようにゆっくりと瞬きをする。その目は九十九隊の誰に向ける目よりも優しいものだった。
それに安心したのかチャコはおずおずと口を開いた。
「任務....頑張る....」
小さい声だったが椿はちゃんと聞き取っていた。最初に返ってきたのは大きな手だった。普段血に染まっている手だとは思えないほど綺麗な手がチャコの頭に置かれたのだ。
「期待している」
次に降ってきたのはその言葉だった。
チャコは思わず顔を上げて椿の顔を確認した。椿はふっと笑ったかのように目を細めた。チャコはそれを見てまた俯いてしまったが、その口は勝手に緩んでしまう口元を必死に引き締めてるせいで歪んでいた。
「ねえ!きいてる!?椿さんってばあ!ずるい!ぼくのあたまもぽんぽんして!」
「椿様...!!でしたら私 めの頭も撫でていただけると、猫故嬉しくて....」
「何言ってんのよ!あんたはただの猫の名前借りた汚物じゃない!!椿様の手を汚すんじゃないわよ!!」
その後自分のせいでまた椿の取り合いが始まったがその喧騒さえも遠く聞こえるぐらいその時のチャコは頭で感じる椿の手の嬉しさで1杯だった。
_そして現在に至る
チャコが椿の手の感触と言葉を思い出して、気を入れ直した時だった。
「こーんにちはっ」
2人の上に影がさしたかと思えば、チャコが顔を上げるとそこには若い女性が立っていた。
「チャコちゃんみて!ありさん!」
「...うん....」
炎天の空。外出日和とはいえ平日の昼間はお昼休みで会社や学校を抜け出してきた人がちらほら見えるだけでそれほど賑わっているわけではない。
まして、チャコとペンがいるところは会社や学校から遠い公園だ。公園で昼食をとる人もいない。
「これはねづちゃんでー....こっちはそぞろさん!でー、こっちは...あれぇ?これそぞろくん?」
「....」
炎天下であっても5歳児の好奇心旺盛の少年には、遊びに最適な日としか感じない。今日もまたジリジリと照りつけ熱くなった砂の上でうずくまりアリの巣を眺めてる。
「わかんなくなっちゃった....。もういいや!これみんな椿さんね!!ひとりでいっぱいのひとやっつけるから!」
「....椿さんはこんなにいないし働き蟻じゃないと思う。.....それは私たち」
「そっか!!!じゃあ椿さんはみんながこわがるじょおうバチだ!」
「......」
もはや蟻の話ではなくなっているし、女王でもないし、何よりどちらかといえば蜂と蟻は敵対関係である。ツッコミどころが多いが、もはやチャコはそれどころではなかった。ペンと違い幼少心を持ち合わせないチャコにとってこの炎天下の日なたは自殺行為だった。
こんな暑いところにいるんだったら、拠点で椿を襲いたがって息を巻く女性陣に何故か巻き込まれてる方が良かったとチャコは後悔する。
しかし大好きな椿からの命令なら最後まで頑張るしかないと今朝の出来事を思い出す。これで何度目だろうかと思いながら。
__数時間前に遡る
髪が寝癖で爆発してるペンと寝癖ひとつ無いチャコは2人みんなが集まっている所へ糸間に連れてかれる。
2人はその部屋に入ると真っ先に大人数に囲まれてる椿の元へ駆けた。
「椿さん!おはよう!!!」
ガン無視しているのにも関わらず九十九神達に無駄に付き纏われてうんざりしていた椿だったが、チャコとペンが駆け寄ってきて初めて、そちらに目を向けた。
椿もまた自分に害を及ぼすか否かを九十九隊の中で区別しているのだ。
「あのね!!きょうね!!椿さんとあそぶゆめをみたの!」
とはいえ椿はこれと言って構う訳ではなく、ただ話を聞いてあげるだけだ。ペンはそれで満足する。
「....」
そのペンの横でじっと椿を見つめていたチャコの視線に気づいたのか椿の青灰色の目がチャコの瞳を捕らえた。
ぁぅ....と気圧されたように目を少し逸らすチャコ。椿に素直に感情を表せない内気な彼女は、口を噤む。
それでも椿はチャコから目を離さずに、安心させるようにゆっくりと瞬きをする。その目は九十九隊の誰に向ける目よりも優しいものだった。
それに安心したのかチャコはおずおずと口を開いた。
「任務....頑張る....」
小さい声だったが椿はちゃんと聞き取っていた。最初に返ってきたのは大きな手だった。普段血に染まっている手だとは思えないほど綺麗な手がチャコの頭に置かれたのだ。
「期待している」
次に降ってきたのはその言葉だった。
チャコは思わず顔を上げて椿の顔を確認した。椿はふっと笑ったかのように目を細めた。チャコはそれを見てまた俯いてしまったが、その口は勝手に緩んでしまう口元を必死に引き締めてるせいで歪んでいた。
「ねえ!きいてる!?椿さんってばあ!ずるい!ぼくのあたまもぽんぽんして!」
「椿様...!!でしたら
「何言ってんのよ!あんたはただの猫の名前借りた汚物じゃない!!椿様の手を汚すんじゃないわよ!!」
その後自分のせいでまた椿の取り合いが始まったがその喧騒さえも遠く聞こえるぐらいその時のチャコは頭で感じる椿の手の嬉しさで1杯だった。
_そして現在に至る
チャコが椿の手の感触と言葉を思い出して、気を入れ直した時だった。
「こーんにちはっ」
2人の上に影がさしたかと思えば、チャコが顔を上げるとそこには若い女性が立っていた。