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スタート(fkr)

それから、どうやって家に着いたか覚えていない。

好きなのに、こんなに好きなのに別れないといけない現実を、誰がどう頑張ったってどうにもならないことをすぐに受け入れられるほど、僕は大人じゃなかった。



気づけば朝だった。
寝たのか寝てないのかそれさえも分からない。
仕事は9時から。この頭で仕事がいつも通りできる保証はなかった。でも、家にこのままいるほうが気が狂いそうだったので支度を始めてみた。
ぼーっとしたままオフィスには着いた。必死にいつも通りを装い仕事をした。






身体が悲鳴をあげてるのには薄々気づいていたけど、自分に嘘をつくように誤魔化し、ただひたすら毎日毎日仕事をこなしていた。



そんなある日、仕事から帰る途中で、とてつもない寒気を感じだした。
外はこんなに暑いのに自分はこんなに寒いって、明らかに熱が上がるなと感じた。
早く家に帰ろうと足早に進むも、熱が上がるにつれて身体は重く、マンションに着いた頃にはフラフラだった。
壁にもたれかかり、休みながら歩くのが精一杯。エレベーターの前までたどり着いたのを最後に記憶がなくなった。




彼女と別々の道を歩みだして4ヶ月が経とうとしていた夏の始まりのことだった。
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