金曜の半日は長い
ぐぐーっと伸びをする。
午前の授業が終わった瞬間のこと。
金曜の午前ってほんと落ち着かない。
だって明日休みなのに、1日が無駄に長いって言うか。
とか考えながら授業受けてんのは、ちょっとやべぇかなぁ。
一応受験ある年だしな。
何てへろへろな頭でいろいろ考えながら、机の上を片付けてた。
ら。
「あっ、坂下。よかった、まだいた」
数学別クラスの華倉が戻ってきたらしい、俺を見付けて呼び掛ける。
んー、と返事をして振り向くと、華倉は俺を手招く。
何だろうと思いながら華倉の方へ向かうと。
「はい、これ。1日早いけどプレゼント」
なんて。
え、と一瞬きょとんとなった。
でも、すぐに理解すると、再びフリーズした。
だって。
「え、かぐ、これ……」
「うん、誕生日でしょ、明日」
華倉はさらっと答える。
まさか。
まさかの華倉からの誕生日プレゼントだった。
まじか!!
「えっ、いいの? ほんとに? まじで!?」
「え、うん。何でそんなに驚くの?」
慌てる俺に華倉が逆にビビっている。
そんなに変かな、と華倉がきょとんとしている前で、俺は喜びと申し訳なさに震える。
いいの? まじで? ほんとに?
てゆーか何入ってんだろう?
包装はシンプルだけれど品がいい感じ。
でもそんなに重たくない。
自分で考えていても埒が明かなかったので、素直に訊く。
「華倉、これって中身は?」
「ああ、そうか。それね、洋菓子の詰め合わせ。予約して作ってもらったやつ」
「!?」
何その手の込んだセレクト!!!!!
「華倉!? 何か間違ってない? 俺だよ相手!? 逢坂の誕生日は忘れてたわりに何て愛のあることを!!」
「え、ああ、これ提案したの魅耶なんだけど」
俺の動揺に若干ビビリながらも、華倉は落ち着いて答えた。
その言葉に、え、と大人しくなる俺。
逢坂が? 俺のプレゼントの提案??
こればっかりは全く理解が出来ずに固まった。
何でも華倉の話によると。
お店はヨーロッパで有名な洋菓子専門店。
日本ではネット販売だけしているところらしい。
何か偶然逢坂がそれを見付けて、俺の誕生日近いし渡そうか、ってなったらしい。
……聞いてもフリーズ。
あいつそんな義理固いイメージないし。
「あ、嫌だった? 確かに洋菓子とか女の子っぽいしな」
驚きでフリーズしたままの俺を見て、何やらそう思ったらしい。
華倉が心配そうに訊いてくる。
いや、そんなことはないぞ。
食べ物だったら殆どのものがウェルカムである。
と、一応返したんだけど、俺表情が変わっていなかったようだ。
ほんと? と不安げな華倉の声。
俺がそのままの表情で頷いたところで。
「あ、どうでしたか華倉さん」
ちょっと何かしていたのか、逢坂も戻ってくる。
華倉はそれに気付き、逢坂を振り向く。
「それがよく分からんリアクションで」
「虫歯でもあるんじゃないですか?」
不安そうな華倉とは対照的に、逢坂ってほんとどうでもよさそう。
テキトーな原因を述べて、俺を見て来る。
いや、って言うか。
「ほんとに逢坂の発案? まじ? 毒とか入ってない?」
「……僕も柄じゃないことはしない方がよかったと後悔してます」
ついうっかり本音が漏れた俺に、逢坂が舌打ちしながら答えた。
ということは、まじか。
「一応俺と魅耶からってことで。誕生日おめでと、坂下」
華倉は昼休みに生徒会があるらしい。
一旦話をまとめてきた。
うん、と素直に頷いて、お礼を述べる俺。
午前の授業が終わった瞬間のこと。
金曜の午前ってほんと落ち着かない。
だって明日休みなのに、1日が無駄に長いって言うか。
とか考えながら授業受けてんのは、ちょっとやべぇかなぁ。
一応受験ある年だしな。
何てへろへろな頭でいろいろ考えながら、机の上を片付けてた。
ら。
「あっ、坂下。よかった、まだいた」
数学別クラスの華倉が戻ってきたらしい、俺を見付けて呼び掛ける。
んー、と返事をして振り向くと、華倉は俺を手招く。
何だろうと思いながら華倉の方へ向かうと。
「はい、これ。1日早いけどプレゼント」
なんて。
え、と一瞬きょとんとなった。
でも、すぐに理解すると、再びフリーズした。
だって。
「え、かぐ、これ……」
「うん、誕生日でしょ、明日」
華倉はさらっと答える。
まさか。
まさかの華倉からの誕生日プレゼントだった。
まじか!!
「えっ、いいの? ほんとに? まじで!?」
「え、うん。何でそんなに驚くの?」
慌てる俺に華倉が逆にビビっている。
そんなに変かな、と華倉がきょとんとしている前で、俺は喜びと申し訳なさに震える。
いいの? まじで? ほんとに?
てゆーか何入ってんだろう?
包装はシンプルだけれど品がいい感じ。
でもそんなに重たくない。
自分で考えていても埒が明かなかったので、素直に訊く。
「華倉、これって中身は?」
「ああ、そうか。それね、洋菓子の詰め合わせ。予約して作ってもらったやつ」
「!?」
何その手の込んだセレクト!!!!!
「華倉!? 何か間違ってない? 俺だよ相手!? 逢坂の誕生日は忘れてたわりに何て愛のあることを!!」
「え、ああ、これ提案したの魅耶なんだけど」
俺の動揺に若干ビビリながらも、華倉は落ち着いて答えた。
その言葉に、え、と大人しくなる俺。
逢坂が? 俺のプレゼントの提案??
こればっかりは全く理解が出来ずに固まった。
何でも華倉の話によると。
お店はヨーロッパで有名な洋菓子専門店。
日本ではネット販売だけしているところらしい。
何か偶然逢坂がそれを見付けて、俺の誕生日近いし渡そうか、ってなったらしい。
……聞いてもフリーズ。
あいつそんな義理固いイメージないし。
「あ、嫌だった? 確かに洋菓子とか女の子っぽいしな」
驚きでフリーズしたままの俺を見て、何やらそう思ったらしい。
華倉が心配そうに訊いてくる。
いや、そんなことはないぞ。
食べ物だったら殆どのものがウェルカムである。
と、一応返したんだけど、俺表情が変わっていなかったようだ。
ほんと? と不安げな華倉の声。
俺がそのままの表情で頷いたところで。
「あ、どうでしたか華倉さん」
ちょっと何かしていたのか、逢坂も戻ってくる。
華倉はそれに気付き、逢坂を振り向く。
「それがよく分からんリアクションで」
「虫歯でもあるんじゃないですか?」
不安そうな華倉とは対照的に、逢坂ってほんとどうでもよさそう。
テキトーな原因を述べて、俺を見て来る。
いや、って言うか。
「ほんとに逢坂の発案? まじ? 毒とか入ってない?」
「……僕も柄じゃないことはしない方がよかったと後悔してます」
ついうっかり本音が漏れた俺に、逢坂が舌打ちしながら答えた。
ということは、まじか。
「一応俺と魅耶からってことで。誕生日おめでと、坂下」
華倉は昼休みに生徒会があるらしい。
一旦話をまとめてきた。
うん、と素直に頷いて、お礼を述べる俺。