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5.帰る場所
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薄く、朝の光が差し込んでいる。
静かな部屋。
茉子は、ゆっくりと目を開けた。
「……」
ぼんやりとした意識のまま視線を動かすと
すぐ近くに、義勇がいた。
昨夜のことが、静かに蘇る。
思わず、布団を少しだけ握った。
「……お、おはようございます」
小さい声で。
「……ああ」
義勇はそれだけ言って、茉子の頭を撫でた。
「……すみません、また寝ちゃったんですね……」
昨夜のことのあと、
茉子は恥ずかしさのあまり
義勇の胸に顔を埋めたまま動かなくなったのだが
どうやらそのまま眠ったようだ。
「……無理をさせたな」
それを聞いて、茉子は勢いよく首を横に振る。
「……あの」
茉子は何か言葉を探すように
間を置きながら口を開く。
「……その……」
「……痛むか」
茉子は再び、首を横に振る。
「い、痛むというか……」
「………?」
自身の中に義勇がいた感覚が、まだ残っていた。
それは、昨日の出来事が事実であることの証明。
そして、繋がったという真実。
義勇の存在を側で感じたその感覚が蘇り
茉子はたどたどしくなる。
「……嬉しい、です……」
恥ずかしいのか、声は変わらず小さい。
ただ、その視線は真っ直ぐだった。
その言葉に、義勇はわずかに目を見開く。
そして、小さく息を吐いた。
「……だから、お前は……」
義勇は、茉子の頬に手を添えて
顔を近づける。
「………?」
今度は、茉子が瞳を大きくする。
(……嬉しい、か……)
次の瞬間、
額に、そっと唇が触れた。
「………っ」
ほんの一瞬、優しい口づけ。
落ち着かせるような、
慈しむような触れ方。
「……そういう顔で言うな」
静かな声が、近くで落ちる。
茉子は、義勇の胸元をぎゅっと掴む。
「……?だって、ほんとだから……」
義勇は一瞬目を閉じ、
そのまま茉子を抱き寄せた。
