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5.帰る場所
*名前変換*
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少し駆け足で、義勇に追いつく。
並んで数歩進んだあと、
「……さっきの」
ぽつりと、声が落ちる。
「え?」
「……距離が近い」
「……え?あぁ……」
茉子は少し考えてから、答える。
「……うーん、でも……傷、見せてもらってただけですよ?」
「………」
一瞬、言葉が止まる。
「……そういう問題じゃない」
低く、短く。
「……?」
茉子は首を傾げた。
義勇の足が止まる。
次の瞬間、
ぐっと腕を引かれた。
「……っ」
距離が、一気に縮まる。
「……近いのは、俺でいい」
息がかかるほど近い距離まで、
茉子を自分の元へと寄せる。
「………っ」
周囲には
つい先ほど義勇に圧をかけられた隊士。
その前にすれ違ったヒソヒソ声の隊士たち。
普通に道行く人たちもいる。
茉子は、頬をほのかに赤く染めた。
そして見上げると、
まっすぐこちらを見ている義勇。
「ぎ、義勇さん……っ」
それは、明らかに戸惑っている茉子の声。
けれど、
離れようとはしなかった。
「…………」
義勇は、何も言わない。
ただ、視線を逸らさない。
(……わかっていないな)
小さく、息を吐く。
「……行くぞ」
それだけ言って、
今度は腕ではなくそのまま手を取る。
指先が、絡む。
逃がさないように。
けれど、強すぎない力で。
「……っ」
茉子は何も言えず、そのまま歩き出す。
繋がれた手が、やけに熱かった。