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4.静水に咲く
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里長に挨拶をして、里を経つ準備をする。
義勇は先に降りる。
何事も、柱が優先だ。
「本当にありがとうございました」
茉子は義勇に頭を下げた。
「……寛三郎を」
「え?」
茉子は首を傾げる。
「……恐らく、俺は任務が続く。用がある時は、寛三郎を探せ。伝令の時以外は、蝶屋敷に飛ぶよう言ってある」
義勇は視線を下ろした。
「色々忘れてしまうところはあるが、家の場所はちゃんとわかっている」
「……義勇さんの、家……?」
義勇は、黙ったまま背を向ける。
「なるべく、帰るようにはする」
それだけ言って、里を後にした。
少し時間をずらして、茉子も降りる。
「それでは、また目隠しで移動するので、これを」
「はい」
目隠しをする前に、茉子は里全体を見渡した。
訪れた時の自分とは違う。
自分の力を信じて。
「お願いします」
澄んだ青空の下、茉子は里を降りた。