名字と名前を入れてください
4.静水に咲く
*名前変換*
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
明け方。
外はまだ薄暗い。
「……寒……」
里は山の中。
朝は空気がひんやりとしている。
茉子はぼんやりと、ただ少しでも温かい場所にと思いながら、モソモソと動いてまたすぐに寝た。
義勇は、そのわずかな気配に気がつきつつも目を閉じていた。
そして、ふと、肩を中心に温もりを感じた。
「…………」
ゆっくりと片目開けてみる。
茉子が布団ごとこちらにやってきていて、肩に頭が乗せられていた。
(……なんだ、この状況は……)
少しだけ離れてみようと思ったら、裾も掴まれていることに気が付く。
(……さすがに、無防備すぎるな)
義勇は一旦目を閉じる。
——加減ができない、とは言っておいたはずだが……
(安心されるのも……悪くは、ないか)
静かに息を吐いた。
-----------
肩の温もり。
規則正しい寝息。
裾を掴む小さな手。
動けない。
動かない。
静かに朝が白んでくる。
「ん……」
茉子の睫毛がかすかに揺れる。
目がゆっくりと開く。
視界いっぱいに、義勇の胸元があった。
(……?)
思考停止中の最中、上から声が降ってくる。
「……起きたか」
ゆっくり視線を上げると、そこには息がかかるほど近い義勇の顔があった。
「……っ!」
茉子は勢いよく顔を伏せる。
(え?なに?!何してるの私……?!)
「……随分、寝相が悪いな」
「えっと……!これは……さ、寒くて……!」
義勇は、視線を落とす。
掴まれている裾。
肩へ。
「……そうか」
それだけ言って、動かない。
茉子は義勇の顔を見上げる途中で、自分の手が義勇の服の裾を掴んでいることに気がつく。
「………」
一瞬時間が止まり、ゆっくりと顔が赤くなる。
「……っ」
慌てて離そうとするけれど、指がうまく動かない。
義勇は、それを見下ろす。
「……離すか」
からかいはしない。
責めもしない。
茉子はこくこくと小さく頷く。
ぱっと手を離すと、勢いよく布団の端へ転がり、丸まった。
「……すみません……っ」
布団の中から小さな声。
義勇はゆっくり体を起こす。
茉子は布団の中で顔を隠したままだ。
義勇は立ち上がった。
「……支度しろ」
いつもの声。
でもほんの少しだけ、柔らかかった。
布団の中で、茉子は天井を見る。
(……ほんとに、安心してたんだな……)
頬が、まだ熱い。
視線の先は
さっきまで肩を預けていた場所。
そっと、指先で触れる。
何もない。
でも、温もりは残っている気がした。