名字と名前を入れてください
4.静水に咲く
*名前変換*
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
涙が、ぽたりと地面に落ちる。
乾いた土に、ゆっくりと染みていく。
(……泣いてる場合じゃないのに)
でも、止まらない。
今までだって泣いた。
できない自分に。
届かない力に。
足りない体に。
泣いて、歯を食いしばって、それでも速さだけは手放さなかった。
でも——
自分を削るな、って……
それは、初めて言われた。
(……「戦うな」じゃない……?)
茉子は、木刀を持つ自分の手を見つめる。
「……できる……かな……」
そして、夜空を見上げた。
ひとりごとのように。
問いかけるように。
茉子が泣いている。
けれど、止めない。
止めてはいけない。
自分を削るな
その言葉は、茉子に向けたものでもあり、自分への戒めでもあった。
祝言の前日。
血の匂い。
“守られた”感覚だけが、焼き付いている。
最終選別。
目が覚めたとき、隣にいるはずの背中はなかった。
彼の方がずっと強くて、勇敢だったのに。
自分が死ねば良かった。
ずっと、そう思っていた。
茉子は、逃げていない。
自分にできることを精一杯やろうとしている。
削る戦い方しか知らない。
そうするしか、道はなかったのだろう。
——でも
削られてほしくない。
自分のせいで誰かが死ぬのも、
自分のために誰かが身を削るのも、
自分の目の前で大切な人が死ぬのも、
もう見たくない。
それは“守る”というより、“失いたくない”に近かった。
守るために一人で立つのではなく、隣で、立っていてほしい。
生きて、隣で、同じ景色を見ていてほしい。
義勇は視線を落としたまま、息を吐く。
「……茉子なら」