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4.静水に咲く
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その後、宿に案内された二人。
窓から、夕日が強く差し込む。
「……立派なお宿ですね……!」
茉子は、そんな窓から景色を見ていた。
「あそこが温泉ですかね?」
茉子は振り返って義勇を見て、湯気の立つ場所を指差した。
「ああ」
「わぁ……!」と声を出そうとして息を吸い込んだ茉子だったが、不意に胸を押さえる。
「大丈夫か」
義勇はすかさず茉子の元に寄る。
「すみません、深めに息を吸うとちょっと痛くて。一瞬なんですけどね」
茉子はそう言って笑ってみせた。
「……そうか」
義勇はそれだけ言って、座布団の上に座った。
「……ここの温泉はいろんな効能があるそうだ」
「え!すごい!温泉楽しみです」
体が心配なのは間違いないのだが、ニコニコと笑う茉子の姿を見ると、義勇は穏やかな気持ちになれた。
「暗くならないうちに、入って来い」
義勇はそれだけ言って、視線を温泉の方へやった。
茉子は「はい」と返事をして、温泉に向かっていくのだった。