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3.隣に立つ理由
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夜の村は、思った以上に近かった。
屋根の影。
土壁。
家と家の隙間。
鬼は、わざと人の気配がある方を選んで走る。
(……来るな)
茉子は、唇を噛んだ。
ここで逃がせば、被害が出る。
——距離が、ある。
(……間に合わない)
普通の踏み込みでは、届かない。
(……露しかない)
一瞬、迷いがよぎる。
胸の奥が、じわりと熱い。
息が、さっきより浅い。
(でも......守る......!)
理由は、それだけだった。
茉子は、高く飛ぶ。
『露の呼吸——白暁』
(........やはり速い。
そして一度目よりも、明らかに重い)
鬼は、完全に想定していた。
(来る……!)
あえて、半身で受ける。
斬撃が、鬼の胴を裂く。
血が飛ぶ。
だが、首は落ちない。
「……っ!」
着地した瞬間、肺がきしんだ。
空気が、うまく入らない。
(2回目……)
喉が、ひくりと鳴る。
鬼は、距離を取る。
今度は、逃げない。
振り返って、笑った。
「……いいね」
低い声。
「2回も出せるとは思わなかった」
茉子は、刀を構え直そうとして——
ほんの一瞬、膝が沈んだ。
(……あ)
吸おうとして、吸えない。
浅い。
短い。
露の反動が、はっきりと来ている。
(……まだ……立てる)
村の灯りが、背後にある。
逃げ場はない。
退けない。
鬼は、それを理解している。
「速いのは武器だ」
一歩、近づく。
「でもね。速さは、削れる」
茉子は、歯を食いしばる。
(.......まだ......)
息を、整えようとする。
だが、吸おうとした瞬間、胸がつかえた。
呼吸が、跳ねる。
(........っ!だめ——)
視界が、わずかに揺れた。
鬼の目が、細くなる。
「.........っ!」
背後で、枝が折れる音。
同行していた隊士が、息を呑む。
「櫻井!!」
茉子は、返事をしようとしたが、声が出なかった。
息が、追いつかない。
胸が、上下するだけ。
ここでようやく、
露を使いすぎた事実が、身体に突きつけられる。
「人間っていうのは不思議だよなぁ。
なぜそこまで自分の体を犠牲にしてまで.......」
鬼は、ゆっくりと構えた。
「まぁ、安心しなよ。まだ、殺さない」
鬼はニタリと笑う。
「——柱が来る前に、仕上げたいだけだ」
屋根の影。
土壁。
家と家の隙間。
鬼は、わざと人の気配がある方を選んで走る。
(……来るな)
茉子は、唇を噛んだ。
ここで逃がせば、被害が出る。
——距離が、ある。
(……間に合わない)
普通の踏み込みでは、届かない。
(……露しかない)
一瞬、迷いがよぎる。
胸の奥が、じわりと熱い。
息が、さっきより浅い。
(でも......守る......!)
理由は、それだけだった。
茉子は、高く飛ぶ。
『露の呼吸——白暁』
(........やはり速い。
そして一度目よりも、明らかに重い)
鬼は、完全に想定していた。
(来る……!)
あえて、半身で受ける。
斬撃が、鬼の胴を裂く。
血が飛ぶ。
だが、首は落ちない。
「……っ!」
着地した瞬間、肺がきしんだ。
空気が、うまく入らない。
(2回目……)
喉が、ひくりと鳴る。
鬼は、距離を取る。
今度は、逃げない。
振り返って、笑った。
「……いいね」
低い声。
「2回も出せるとは思わなかった」
茉子は、刀を構え直そうとして——
ほんの一瞬、膝が沈んだ。
(……あ)
吸おうとして、吸えない。
浅い。
短い。
露の反動が、はっきりと来ている。
(……まだ……立てる)
村の灯りが、背後にある。
逃げ場はない。
退けない。
鬼は、それを理解している。
「速いのは武器だ」
一歩、近づく。
「でもね。速さは、削れる」
茉子は、歯を食いしばる。
(.......まだ......)
息を、整えようとする。
だが、吸おうとした瞬間、胸がつかえた。
呼吸が、跳ねる。
(........っ!だめ——)
視界が、わずかに揺れた。
鬼の目が、細くなる。
「.........っ!」
背後で、枝が折れる音。
同行していた隊士が、息を呑む。
「櫻井!!」
茉子は、返事をしようとしたが、声が出なかった。
息が、追いつかない。
胸が、上下するだけ。
ここでようやく、
露を使いすぎた事実が、身体に突きつけられる。
「人間っていうのは不思議だよなぁ。
なぜそこまで自分の体を犠牲にしてまで.......」
鬼は、ゆっくりと構えた。
「まぁ、安心しなよ。まだ、殺さない」
鬼はニタリと笑う。
「——柱が来る前に、仕上げたいだけだ」