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3.隣に立つ理由
*名前変換*
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茉子は、言われた方角——
東側の村に向かって歩いていると、
1人の隊士が後を追って来た。
「……?」
「さすがに1人じゃ大変だろ?
柱には、行っていいって言われたから」
「……ありがとうございます」
「いつもみんな櫻井には助けられてるからさ」
それを聞いた茉子は、少し瞳を揺らした。
--------------
夜。
山を降りた先には村が見えた。
(……被害があったのは反対側の村だったようだけど
……今夜はこっちかもしれない……)
茉子が警戒して刀に手をかけたその時、
影が、一歩踏み出し、影の“端”が、ふっと剥がれる。
——分かれた。
ひとつは、茉子の前へ。
もうひとつは、山の斜面へ。
(……分裂……?)
茉子の脳裏に、嫌な予感が走る。
「……来る!」
隣の隊士が声を上げるより早く、影が地を滑る。
——速い。
だが、茉子ほどではない。
距離が、絶妙だった。
近すぎず、遠すぎず。
普通の踏み込みでは届かない。
鬼は、振り返りもしない。
(……わざと……?)
逃げる。
追わせる。
追いつけそうな速さで。
まるで茉子の能力を測るかのように。
「っ………!」
茉子は、歯を食いしばり追いかける。
このまま逃がせば、村の方へ行く。
「ここは私が止めます!“水柱様”に報告を!」
隊士が一瞬ためらう。
その隙に、鬼が速度を上げた。
——ほんの、わずかに。
(……露の呼吸じゃないと、間に合わない…!)
考えるより先に、身体が判断する。
『露の呼吸——』
踏み込んだ瞬間、
鬼の口角が、上がった。
(……来た)
『——滴閃』
茉子の視界が、一気に流れる。
風が裂ける。
木々が後ろに弾け飛ぶ。
——だが。
鬼は、完全には逃げていなかった。
避ける。
受ける。
斬らせる。
首は出さない。
致命に入らせない。
鬼の腕は斬られていたが、
体を再生させながら距離を取る。
(……いい。いいよ……思った通り、速い)
鬼の口角が上がる。
(そして——この技、重い)
茉子が着地した瞬間、
胸が、きゅっと縮んだ。
息が、浅くなる。
鬼は、それを見ていた。
(なるほど……
これほどの動き、何度もできるはずがない。
“消耗”する呼吸だな)
露の呼吸は、短期決戦用。
乱発すれば、必ず代償が来る。
鬼はニヤッと笑って、走る。
村の方向へ。
(……もう1回、使わせる。
2回、3回……
速さが、武器じゃなくなるまで。
ボロボロにしてから、食ってやるよ……)
茉子は、息を切らしながら鬼を追った。
*************
いつも気持ち悪い鬼でごめんね.....笑
東側の村に向かって歩いていると、
1人の隊士が後を追って来た。
「……?」
「さすがに1人じゃ大変だろ?
柱には、行っていいって言われたから」
「……ありがとうございます」
「いつもみんな櫻井には助けられてるからさ」
それを聞いた茉子は、少し瞳を揺らした。
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夜。
山を降りた先には村が見えた。
(……被害があったのは反対側の村だったようだけど
……今夜はこっちかもしれない……)
茉子が警戒して刀に手をかけたその時、
影が、一歩踏み出し、影の“端”が、ふっと剥がれる。
——分かれた。
ひとつは、茉子の前へ。
もうひとつは、山の斜面へ。
(……分裂……?)
茉子の脳裏に、嫌な予感が走る。
「……来る!」
隣の隊士が声を上げるより早く、影が地を滑る。
——速い。
だが、茉子ほどではない。
距離が、絶妙だった。
近すぎず、遠すぎず。
普通の踏み込みでは届かない。
鬼は、振り返りもしない。
(……わざと……?)
逃げる。
追わせる。
追いつけそうな速さで。
まるで茉子の能力を測るかのように。
「っ………!」
茉子は、歯を食いしばり追いかける。
このまま逃がせば、村の方へ行く。
「ここは私が止めます!“水柱様”に報告を!」
隊士が一瞬ためらう。
その隙に、鬼が速度を上げた。
——ほんの、わずかに。
(……露の呼吸じゃないと、間に合わない…!)
考えるより先に、身体が判断する。
『露の呼吸——』
踏み込んだ瞬間、
鬼の口角が、上がった。
(……来た)
『——滴閃』
茉子の視界が、一気に流れる。
風が裂ける。
木々が後ろに弾け飛ぶ。
——だが。
鬼は、完全には逃げていなかった。
避ける。
受ける。
斬らせる。
首は出さない。
致命に入らせない。
鬼の腕は斬られていたが、
体を再生させながら距離を取る。
(……いい。いいよ……思った通り、速い)
鬼の口角が上がる。
(そして——この技、重い)
茉子が着地した瞬間、
胸が、きゅっと縮んだ。
息が、浅くなる。
鬼は、それを見ていた。
(なるほど……
これほどの動き、何度もできるはずがない。
“消耗”する呼吸だな)
露の呼吸は、短期決戦用。
乱発すれば、必ず代償が来る。
鬼はニヤッと笑って、走る。
村の方向へ。
(……もう1回、使わせる。
2回、3回……
速さが、武器じゃなくなるまで。
ボロボロにしてから、食ってやるよ……)
茉子は、息を切らしながら鬼を追った。
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いつも気持ち悪い鬼でごめんね.....笑