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3.隣に立つ理由
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元に戻るだけ。
茉子と出会う前に戻るだけだ。
義勇は足早に歩く。
力が弱いとはいえ、茉子自体は優秀な隊士だ。
治療もできるし、周りとコミュニケーションもとれる。
呼吸も以前より安定している。
他でも十分やっていける。
......俺の隣じゃなくても。
「あれ?今日は柱合会議があるってしのぶ様から聞きましたけど.....随分早いですね」
無意識に、蝶屋敷の方向に歩いていた。
茉子は、義勇の姿を見るなり、当たり前のように駆け寄っていく。
いつもなら自然と距離が詰められるのに、義勇は一歩下がった。
「.......次からは、別行動だ」
義勇は、背を向けたまま言った。
報告みたいな口調。感情は、乗せない。
茉子は、一瞬だけ止まる。
「.....そう、ですか」
それだけ答えた。
声も、呼吸も、乱れていない。
「その方が、効率がいい」
義勇が続ける。
理由を添えるのは、癖だ。
「お前は、どこでも通用する」
褒めているのか、切り離しているのか。
区別がつかない言葉。
茉子は、小さく頷いた。
「……はい」
その返事は、素直で。
あまりにも、いつも通りで。
一瞬、沈黙が落ちる。
言おうと思えば、言えることはあった。
大丈夫です、とか。
ありがとうございました、とか。
またご一緒できたら、とか。
でも、どれも言わなかった。
——言いたくなかった。
茉子と出会う前に戻るだけだ。
義勇は足早に歩く。
力が弱いとはいえ、茉子自体は優秀な隊士だ。
治療もできるし、周りとコミュニケーションもとれる。
呼吸も以前より安定している。
他でも十分やっていける。
......俺の隣じゃなくても。
「あれ?今日は柱合会議があるってしのぶ様から聞きましたけど.....随分早いですね」
無意識に、蝶屋敷の方向に歩いていた。
茉子は、義勇の姿を見るなり、当たり前のように駆け寄っていく。
いつもなら自然と距離が詰められるのに、義勇は一歩下がった。
「.......次からは、別行動だ」
義勇は、背を向けたまま言った。
報告みたいな口調。感情は、乗せない。
茉子は、一瞬だけ止まる。
「.....そう、ですか」
それだけ答えた。
声も、呼吸も、乱れていない。
「その方が、効率がいい」
義勇が続ける。
理由を添えるのは、癖だ。
「お前は、どこでも通用する」
褒めているのか、切り離しているのか。
区別がつかない言葉。
茉子は、小さく頷いた。
「……はい」
その返事は、素直で。
あまりにも、いつも通りで。
一瞬、沈黙が落ちる。
言おうと思えば、言えることはあった。
大丈夫です、とか。
ありがとうございました、とか。
またご一緒できたら、とか。
でも、どれも言わなかった。
——言いたくなかった。