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鬼が塵になって消えたあと。
夜の空気が、ようやく元に戻る。
虫の声が、遅れて戻ってきた。
義勇は、刀を納めないまま、しばらく動かなかった。
——茉子を見ていた。
肩は上下している。
呼吸は、まだ完全には整っていない。
だが、乱れてはいない。
(……戻したな)
最初から完璧だったわけじゃない。
崩されて、揺らされて、それでも——
自分で、立て直した。
義勇は、ほんの一瞬だけ視線を落とす。
鬼の能力。
狙い。
自分が離れた判断。
間違っていなかったと、今なら言える。
義勇は、ようやく一歩、茉子の方へ向かう。
近づいても、もう呼吸は乱れない。
鬼の気配もない。
「……大丈夫か」
何度も言いかけたその言葉を、茉子に向ける。
心配ではない、という顔をして。
こちらを見上げる茉子の目は、
まだ少しだけ、目が熱を帯びていた。
茉子は、少し間を置いてから、頷く。
「……はい」
その声を聞いて、義勇は刀を完全に納めた。
(……十分だ)
呼吸を乱されても。
言葉で揺さぶられても。
それでも、斬った。
義勇は、背を向ける前に、ぽつりと言う。
「よくやった」
茉子は、わずかに目を見開いた。
義勇はもう、歩き出している。
その背中を、茉子は一瞬だけ見つめてから、慌てて追いついた。
一歩、二歩。
そして、少しだけ距離を詰めたところで——
「……冨岡さん」
義勇は立ち止まらない。
ただ、歩調がほんのわずかに緩む。
「ありがとうございました」
息が整った、はっきりした声。
守ってくれたことへの礼でも、
助けてくれたことへの感謝でもなく——
信じて、任せてくれたことへの言葉。
義勇は、答えない。
けれど。
「……ああ」
それだけ、低く返す。
振り返らないまま。
その一言で十分だと、わかっているから。
茉子は、ほんの少しだけ微笑んで、また隣を歩いた。
——夜は、もう静かだった。
**********
判断の早い義勇、かっこいい......!
夜の空気が、ようやく元に戻る。
虫の声が、遅れて戻ってきた。
義勇は、刀を納めないまま、しばらく動かなかった。
——茉子を見ていた。
肩は上下している。
呼吸は、まだ完全には整っていない。
だが、乱れてはいない。
(……戻したな)
最初から完璧だったわけじゃない。
崩されて、揺らされて、それでも——
自分で、立て直した。
義勇は、ほんの一瞬だけ視線を落とす。
鬼の能力。
狙い。
自分が離れた判断。
間違っていなかったと、今なら言える。
義勇は、ようやく一歩、茉子の方へ向かう。
近づいても、もう呼吸は乱れない。
鬼の気配もない。
「……大丈夫か」
何度も言いかけたその言葉を、茉子に向ける。
心配ではない、という顔をして。
こちらを見上げる茉子の目は、
まだ少しだけ、目が熱を帯びていた。
茉子は、少し間を置いてから、頷く。
「……はい」
その声を聞いて、義勇は刀を完全に納めた。
(……十分だ)
呼吸を乱されても。
言葉で揺さぶられても。
それでも、斬った。
義勇は、背を向ける前に、ぽつりと言う。
「よくやった」
茉子は、わずかに目を見開いた。
義勇はもう、歩き出している。
その背中を、茉子は一瞬だけ見つめてから、慌てて追いついた。
一歩、二歩。
そして、少しだけ距離を詰めたところで——
「……冨岡さん」
義勇は立ち止まらない。
ただ、歩調がほんのわずかに緩む。
「ありがとうございました」
息が整った、はっきりした声。
守ってくれたことへの礼でも、
助けてくれたことへの感謝でもなく——
信じて、任せてくれたことへの言葉。
義勇は、答えない。
けれど。
「……ああ」
それだけ、低く返す。
振り返らないまま。
その一言で十分だと、わかっているから。
茉子は、ほんの少しだけ微笑んで、また隣を歩いた。
——夜は、もう静かだった。
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判断の早い義勇、かっこいい......!