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夜。
風は弱い。
虫の声も、途切れがちだ。
鬼の気配を探りたいところだが、こんな夜の中、村の中を歩き回っていては村人たちに警戒される。
義勇と茉子は、空き家の外れに出て、周囲の様子を伺っていた。
(......なんだろう.....なんとなく、見られているような.......)
茉子が、ほんの一瞬だけ息を詰めた。
それは戦闘の構えでも、警戒でもない。
気づく前の、無意識の反応だった。
——カン
どこかで、小さな音がした。
石が転がったのか、枝が折れたのか。
判別できないほど、かすかな音。
義勇は即座に刀に手をかける。
だが、動かない。
(……違う)
音はした。
だが、鬼の気配も、殺気もない。
代わりに——
茉子の呼吸が、ほんのわずかに乱れている。
「......?」
茉子は自分の胸に手をあてる。
何もしていない。
それなのに、呼吸が“ずれた”ような感覚。
「.......気に入らない」
「.......え?」
義勇はそう言って、山の方を見ていた。
——違う。
村人でもない。
俺でもない。
……残るのは、ひとつだけだ。
義勇は、夜の闇に向かって言った。
「……鬼は、今日は出ない」
「.....“今日”は.....?」
茉子は義勇を見上げる。
義勇はまた、山の方に視線を向けたまま。
「...... 茉子」
ただ、茉子にだけ聞こえる声で。
「……俺から離れるな」
風は弱い。
虫の声も、途切れがちだ。
鬼の気配を探りたいところだが、こんな夜の中、村の中を歩き回っていては村人たちに警戒される。
義勇と茉子は、空き家の外れに出て、周囲の様子を伺っていた。
(......なんだろう.....なんとなく、見られているような.......)
茉子が、ほんの一瞬だけ息を詰めた。
それは戦闘の構えでも、警戒でもない。
気づく前の、無意識の反応だった。
——カン
どこかで、小さな音がした。
石が転がったのか、枝が折れたのか。
判別できないほど、かすかな音。
義勇は即座に刀に手をかける。
だが、動かない。
(……違う)
音はした。
だが、鬼の気配も、殺気もない。
代わりに——
茉子の呼吸が、ほんのわずかに乱れている。
「......?」
茉子は自分の胸に手をあてる。
何もしていない。
それなのに、呼吸が“ずれた”ような感覚。
「.......気に入らない」
「.......え?」
義勇はそう言って、山の方を見ていた。
——違う。
村人でもない。
俺でもない。
……残るのは、ひとつだけだ。
義勇は、夜の闇に向かって言った。
「……鬼は、今日は出ない」
「.....“今日”は.....?」
茉子は義勇を見上げる。
義勇はまた、山の方に視線を向けたまま。
「...... 茉子」
ただ、茉子にだけ聞こえる声で。
「……俺から離れるな」