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6.陽だまり
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柱稽古の最中、茉子は一時的に蝶屋敷へと戻っていた。
廊下を歩いていると、青空を見上げているしのぶの姿が見えた。
「あ、しのぶ様。お戻りでしたか」
「……茉子」
振り向くしのぶの表情は、いつもとどこか違った。
いや、表情は同じだ。
普通ならわからない。
ただなんとなく、違う、と感じた。
「………」
茉子は思わず、黙ってしまった。
その様子を見て、しのぶはフフッと笑った。
「大丈夫。お願いしたいことがあるだけです」
「……お願い……?」
しのぶは笑顔で、静かに頷いた。
その後、炭治郎が松葉杖をつきながら戻ってきた。
義勇の稽古も始まったと聞いて。
何かあったのかな?と思い問いかけたが「蕎麦はしばらくいいかな……」などと言っており
、一体何があったのか、茉子にはよくわからなかった。
「俺ももう復帰許可が下りるから、柱稽古に参加するよ」
「うん」
微笑む茉子に、炭治郎も笑った。
「……それで、茉子にお願いがあるんだけど」
真剣な表情に変わる炭治郎の様子に、茉子も背筋を伸ばした。
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次の日。
茉子は義勇邸まで走った。
稽古に向かう前の義勇が、今まさに玄関の戸を開けたところだった。
「もう、行くのか」
茉子の姿を見て、義勇はそれだけ言った。
「はい」
義勇は茉子へと近づき、目の前で足を止める。
「禰󠄀豆子の居場所は、そうそう見つからない場所だと聞いている」
そう。
茉子は、鱗滝と共に、禰󠄀豆子の元にいてほしいと頼まれていた。
初めて開発した薬。
禰󠄀豆子は太陽を克服した鬼。
人間に戻れたとしても、無惨に場所を突き止められたら取り込まれて終わってしまう。
全てはじめての試み。
しかし、失敗は許されない。
「先生もいると聞いているが、万が一のときは……」
義勇は言葉を詰まらせた。
万が一のときは頼む——
それは茉子を失うことかもしれない。
ほんのわずか想像しただけで、背筋が冷えた。
「……しのぶ様と、炭治郎と、義勇さんの頼みとあれば、断れませんからね」
茉子は、それだけ言って微笑む。
「……そうか」
「………」
「…………」
ここで離れたら、次に会えるのは——
「……義勇さ……っ」
言い終わるより先に、義勇の手は茉子の元へ伸びる。
強く抱きしめられ、簪の小花が揺れた。
「……茉子」
茉子は、ずっと前から覚悟ができている。
自分だってそうだ。
だが、どうしても——
「……生きて戻れ」
吐息がかかるほど近い距離。
その声は、しっかりと茉子の耳に届く。
茉子は、背中に手を回した。
「……義勇さんも」
二人とも、頷かない。
けれど、その想いだけは同じだった。