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5.帰る場所
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夜風が吹く。
戦いの気配が消えた山道を、
2人は並んで歩いていた。
「………」
言葉は少ない。
けれど、
歩幅は自然と揃っている。
義勇の視線が茉子へ向く。
「……疲れているな」
「はい、かなり走りましたっ……」
茉子は笑いながら答える。
「初めて一緒に戦った時も、こんな山道の途中でしたね」
「……そうだな」
「……あの時の義勇さん、私がちょっと戦えること知らなかったはずなのに、信じてくれて……嬉しかった」
「………」
義勇は、夜空を見上げた。
初めて、茉子の姿を見たとき。
その身のこなしに、目が留まった。
無意識だった。
自身を削る戦い方には驚いたが
人にはそれぞれやり方がある。
それをとやかく言うつもりなど、なかった。
「今日は少し、お役に立てた……かな?」
義勇は視線を下ろし、笑顔で話す茉子を見た。
「そうだな」
それだけ言って、数歩先を行く。
茉子は一瞬、目を見開いたあと、また笑った。
「斬ってるところ、見てくれましたっ?」
駆け寄る茉子。
「……ああ」
いつもなら、走る帰り道。
2人並んで、山を降りるのだった。
