銀魂 短編
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夏だ!海だ!休みだ!キャッホォォォイ!!!
「そんな季節なのになんで私だけ補習ぅぅぅ?!!」
スパーッン!
「いっったぁあ!!なにすんですか先生!!」
「黙ってその問題やれっつーの。先生だって暑い中わざわざお前の為に来てやってんだぞコノヤロー」
私の頭をぶん殴ったこの人は、3年Z組の担任、坂田銀八。
くわえタバコに(本人はペロペロキャンディーとかいってるけど)シワシワの白衣に安物のサンダルというだらしない格好をしてるが一応これでも教師である。
折角の夏休みだというのに、期末テストの点数が悪かっただけでクーラーも扇風機もついていない教室で補習をさせられているというなんとも忌々しい状態だ。
けどまぁ、1年の頃から片想いしてる相手だったりもするので、先生には悪いけど私にとってこの状況はちょっと嬉しいかも。
「でも神楽ちゃん達も点数悪かった筈なのに何で私だけ…?」
「お前の場合は出席日数が足りてないのも入ってるからね」
「う"っ…わ、分かってますよ!でも聞いて先生!」
「先生は聞くより手を動かして欲しいなぁ~」
「さっきここ来る前にですね、お妙ちゃんから『ななしちゃん、天パ野郎の所為で海へ一緒に行けなくなっちゃったけど、ななしちゃんの分まで楽しんでくるから頑張ってね(ハート)』って、来たんですよ!?」
「えっ?先生の話は無視?無視なのねぇ?」
「何なんだよチクショー!私への嫌がらせ!?嫌がらせかコレ!?」
「先生はいま無視されるという嫌がらせうけてるんだけど。何?お前ら海行く約束してたの?」
「そうなんですよ。夏休み前に皆で予定立てて。それなのに、それなのに…先生が思い付きでテストなんかやるって言うからァァァ!!」
「いやいや俺の所為じゃねーから。校則だから。つかテスト以前に成績もヤバかったからね?だから補習受けてるんだろーが」
「無理ですぅ。暑くて死にそうなんでやる気が出ません!」
「ななしの所為で先生だってクソ暑い中補習に付き合ってるんですぅ。いい加減プリント早く終わらせて解放しやがれコノヤロー」
「先生がジャンプ読んでる内にもう終わらせてありますぅ」
「おっ!何だよそれ早く言えよ。はぁ~これでやっと解放されるわ~」
先生はそう言いながら白衣の胸ポケットから赤ペンを出して鼻歌を歌いながら採点をしていく。
なんだよー。そんなに解放されるのが嬉しいかコノヤロー。職員室冷房付いてるからさっさと戻りたいのは分かるけどね!!
でも普段先生と二人きりになれるというチャンスがないに等しいので、折角のこの機会を有りがたく使わせてもらう。と言っても、話題はないのでさっきの続きになっちゃうけど…。
「でね、先生。おまけに沖田くんからなんかはさ~…」
「え、まだ続くの?」
「いいじゃないですか!可愛い生徒の愚痴くらい聞いてくれても!!」
「えっ?可愛い生徒なんて何処にいるの?」
「目の前!先生の目の前にいるから!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「んで、みんなで楽しく遊んでる姿をわざわざ送って来やがったんですよ!?あの野郎絶対私が悔しがってるの楽しんでるよチクショー!」
「まぁ、お前いじりがいあるもんな」
「 ひどっ!そんなハッキリ言わないで下さいよ!私のHPはもう残り少ないんですよ!?」
「あー、はいはい。」
魚が死んだような目して鼻クソほじりながらもういい加減終われよみたいな態度とるなし!
あ、先生が死んだ目してるのはいつものことか。
「あっ、でも高杉くんには悪いことしたかも…」
「はっ?高杉?」
私の愚痴に飽きたらしい先生はジャンプを掴もうとした手をピタリと止め、目を丸くしながら驚いた表情で私を見てきた。
「お前ら、仲良かったっけ?」
「仲良いですよ~。3Zのみんなは知らないと思いますが、私が初めてサボった時からよく屋上で高杉くんと喋ったり、たまにお昼一緒に食べたりするくらいには」
初めて授業をサボるという事に罪悪感はありつつも、どうせならサボりという行為を満喫しようじゃないか!という事で、定番の屋上へ行くと高杉くんにバッタリ出会って、すごい睨まれた時は怖かったけど喋ってみれば良い人という事が分かった。
「…まさか高杉もメンバーに?」
「高杉くんもですよ~。駄目元で誘ってみたら『俺が選んだ水着を着るなら行ってやっても良いぞ』って意味分からない事言われましたけど。でも誘った本人の私が行けなくなっちゃって、高杉くんにはホントに悪いことしちゃいました」
あははっ、と笑ってみると何故か先生は俯きながらワナワナしていた。
「せ、先生?どしたの?」
「ななし!!」
「うひゃい!?」
顔をバッと上げた先生に、ガッと肩を急に捕まれて思わず声が上擦ってしまったが、いつもより真剣な眼差しで私を見る先生にドキリと胸が高鳴る。
「せ、せんせい…?」
「ななし……」
先生は真剣な眼差しのまま、口を開いて私にこう言った。
「課題、追加な」
「はあぁぁあああ!!?」
胸のトキメキを返して下さい
「(まさかこれは告白か!?とか一瞬でも思った私が馬鹿だった!!」
「(ななしと一緒になりたいからって神楽達を物(補習ナシ)で釣ったって言ったら怒んだろうな…。それにしてもあのキ○ロー野郎…俺のななしに近付くとは許すまじ…!)」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
―出発前―
高「……何でななしが居ねェんだ」
土「高杉、お前ななしだけが補習になったこと知らねェのか?」
高「はっ?」
妙「フフッ、たぶん今頃は先生と二人きりで嬉しがってるんじゃないかしら?」
神「銀ちゃんがチャラにしてくれるって言ったアル!」
高「…チッ、そういう事か」
沖「残念でしたねィ高杉。ま、どっちにしろななしに嫌がらせ出来るんで俺ァ別に良いですが」
高「…ななしがいねぇなら帰る(あの天パ、ブッ殺す)」
一発ブン殴りに教室に乗り込んだ高杉くんが、課題が終わらないと泣きつかれたのはまた別のお話。