銀魂 短編
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「ねぇねぇ銀さん!」
「んあ?何?」
「せっかくのデートなんだし、手繋ごう!」
「あー…また今度な」
「えー、どうして?」
「手ぇ繋ぐだなんて柄じゃねーよ。それに俺、街中でベタベタするのあんま好きじゃねェんだわ」
銀さんはいつもそういって誤魔化す。
理由を聞いても、答えてはくれない。
どこか二人で出掛ける時も、そうじゃない時も、なにか話題を切り出すのは私の方からで、デートなんかも私がお願いして誘わないと行かないし、手を繋ぐことはおろか、キスだって、まだしていない…
それに、銀さんは決まって夜遅くにどこかへ出掛けてしまう。
これで私達、恋人同士だなんていえるのかな…
銀さんと一緒にいて幸せって、胸を張っていえるのかな…
いろんな事を考えると、胸がモヤモヤして痛い。
そんなある日、銀さんは私に『別れよう』と告げた。
ねぇ、どうして?
私が嫌いになった?私が何か悪い事しちゃった?
嫌だ…嫌だ…
別れたくない…離れたくない…
まだ、銀さんの傍に居たいよ…。
「……うん。わかった」
けれど、私の想いとは逆に承諾した。
きっと、この苦しみから逃れたかったのかな…。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
銀さんと別れてから半年。あれから少しだけ、ほんの少しだけ、苦しい気持ちが薄れてきた。
今日は仕事の用事で、久し振りに銀さんと過ごした街の近くを通った。
この道を通らなければ良かったって、直ぐに後悔するはめになるとは知らず。
「お待たせ銀ちゃん!」
「おー、欲しいもん買えたか?」
「うん!」
「ほれ、いち。はぐれないように手ぇ繋いどけ」
「へっ?え、いいの?」
「迷子になられても困るからな」
「えへへ、銀ちゃん大好き!」
苦しさだけが残って
今の彼女さんとは手を、繋いであげるんだね…
私と居た時よりも、ずっとずっと楽しそうで、嬉しそうで、幸せそうで……
そう思うと枯れたと思っていた涙が、また戻ってきた。
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