START DASH‼︎2
後もう少しで、少女はアイドルになる。
キラキラと光るペンライト、舞台袖から見える観客の姿。それら全てに応えるためにアイドルがいる。
緊張と高揚からくる体の震えを腕で押さえつけて、ゆっくり呼吸をして落ち着かせる。
ライブ前の自身の準備、いつの間にか当たり前になっていた。アイドルを始めたばかりの頃、マネージャーが提案してくれた、ただの「#入谷##桃#」から、アイドルの「#入谷##桃#」へと変身するために、そして自分に暗示をかけるように。
アイドルとは、ファンを笑顔にする者だ。
「わたしは#桃#。みんなのアイドル、笑顔でみんなを幸せにするの」
注意事項を流していたアナウンスも終え、観客も自然と静かになった。彼らが見えるのは自らが持つペンライトの光と、舞台の光だけとなった。
「「#桃#ちゃーーん!!」」
静けさの中、お客さんの声がこちらにも届いた。興奮を抑えきれずに、またそれを皮切りに静寂は終わり拍手が肥大化してゆっくり鳴り響いていく。
彼女の登場を期待する拍手に、応えられるのはもちろん#桃#だけだ。
普通の女の子じゃない、スポットライトを浴びても動じない、ファンの為に歌って、踊って、ファンサービスもして、皆のアイドルになる。
スタッフの合図が降りてきた。あと数秒で、始まる。
「3、2、1、#桃#ちゃんお願いします!」
#桃#は、明るいほうへ走った。衣装が乱れない速度で、でも早く観客に会うために。
『みなさーん!こんにちはー!』
飛び出したと同時に大音量のBGMが流れ出す。その音に負けないぐらいに拍手も加速していく。
演出で噴出されたスモークと共に彼女は姿を現した。
ドッと大きくなる歓声に、つられて#桃#も鼓動が高鳴る。思いのままにマイクに顔を近づけ、耳鳴りはしない、けれど会場全体に響き渡るように大きな声でライブの始まりを告げた。
『今日は来てくれてありがとうございます!こんなにたくさんの方に会えて、私、とっても嬉しいです。#入谷##桃#、ライブを是非楽しんでください!……いっきますよ〜!!』
観客に呼びかけ、#桃#が指定の位置で止まる。ペンライトを持っていた観客も皆同じ姿勢で止まり、#桃#の次の動作を待っている。
イントロが流れ曲が分かるとペンライトの色を変える。この瞬間も#桃#は好きだ。少しずつ会場に光る色が、1つの色に集中して、自分と観客の気持ちが1つになったように感じるからだ。
もう一度心の中で観客に感謝を感じながら、そっと歌い始めた。
まだ上手くない歌でも、最大限自分の気持ちを乗せ、#桃#はその日のライブを終えた。
キラキラと光るペンライト、舞台袖から見える観客の姿。それら全てに応えるためにアイドルがいる。
緊張と高揚からくる体の震えを腕で押さえつけて、ゆっくり呼吸をして落ち着かせる。
ライブ前の自身の準備、いつの間にか当たり前になっていた。アイドルを始めたばかりの頃、マネージャーが提案してくれた、ただの「#入谷##桃#」から、アイドルの「#入谷##桃#」へと変身するために、そして自分に暗示をかけるように。
アイドルとは、ファンを笑顔にする者だ。
「わたしは#桃#。みんなのアイドル、笑顔でみんなを幸せにするの」
注意事項を流していたアナウンスも終え、観客も自然と静かになった。彼らが見えるのは自らが持つペンライトの光と、舞台の光だけとなった。
「「#桃#ちゃーーん!!」」
静けさの中、お客さんの声がこちらにも届いた。興奮を抑えきれずに、またそれを皮切りに静寂は終わり拍手が肥大化してゆっくり鳴り響いていく。
彼女の登場を期待する拍手に、応えられるのはもちろん#桃#だけだ。
普通の女の子じゃない、スポットライトを浴びても動じない、ファンの為に歌って、踊って、ファンサービスもして、皆のアイドルになる。
スタッフの合図が降りてきた。あと数秒で、始まる。
「3、2、1、#桃#ちゃんお願いします!」
#桃#は、明るいほうへ走った。衣装が乱れない速度で、でも早く観客に会うために。
『みなさーん!こんにちはー!』
飛び出したと同時に大音量のBGMが流れ出す。その音に負けないぐらいに拍手も加速していく。
演出で噴出されたスモークと共に彼女は姿を現した。
ドッと大きくなる歓声に、つられて#桃#も鼓動が高鳴る。思いのままにマイクに顔を近づけ、耳鳴りはしない、けれど会場全体に響き渡るように大きな声でライブの始まりを告げた。
『今日は来てくれてありがとうございます!こんなにたくさんの方に会えて、私、とっても嬉しいです。#入谷##桃#、ライブを是非楽しんでください!……いっきますよ〜!!』
観客に呼びかけ、#桃#が指定の位置で止まる。ペンライトを持っていた観客も皆同じ姿勢で止まり、#桃#の次の動作を待っている。
イントロが流れ曲が分かるとペンライトの色を変える。この瞬間も#桃#は好きだ。少しずつ会場に光る色が、1つの色に集中して、自分と観客の気持ちが1つになったように感じるからだ。
もう一度心の中で観客に感謝を感じながら、そっと歌い始めた。
まだ上手くない歌でも、最大限自分の気持ちを乗せ、#桃#はその日のライブを終えた。
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