サーカス
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SSが終わり、すぐ後に開かれた桜フェスも『Trickstar』が花形を務め無事企画は成功し学院全体が落ち着いた頃、私はある大きな仕事に関わることになった。
「サーカスのお仕事?」
「うん。特殊なドリフェス…S1規模で、『fine』のお仕事なんだけど、天祥院先輩が他のユニットを加えようとしてるらしくて、私が仲介を頼まれたの」
「そしたらオレたちはどうかな。子供の頃大道芸で生活してたこともあるから多彩な活躍できると思うよ〜?」
食べていたホットドッグを呑み込み、ゆうたくんがサーカスの仕事に自分たち『2wink』はどうかとアピールしてくる。確かに体育の授業ではずば抜けて身体能力の高さを見せつけられている。大道芸だってきっと器用にこなすのだろう。
「えっホント!でも今回のお仕事、他のユニットは前座的扱いになると思うんだ。それでもいいかな?」
相談してすぐに乗っかってきてくれたことに驚く。既にいくつかのユニットのリーダーに相談をしてみたが、色良い返事は貰えなかった。参加するメリットがないからだ。『fine』が主体となっているため、他のユニットは盛り上げ役として『fine』の出番まで会場を温める、大事な役割だが地味だったりして美味しいところがあまりないのだ。
「うん。聞いてた限りだとオレたちが引き立て役だけど、今までのライブとかも似たようなものだし慣れてるし別に良いよ。それより結成したばかりの『2wink』が、『fine』のファンやサーカスの観客に知ってもらうチャンスだよ!」
確かに『2wink』は革命に与したユニットだ。革命の初めにS1 で『Trickstar』が『紅月』に勝利できたのも、彼らの協力なく実現しなかった。SSでもライブではなく妨害という作戦を実行したため、報酬もなくむしろペナルティを食らっていた。革命が為されたからといって自分たちが有名になったわけではない。世間からしたら『Trickstar』が英雄扱いだ。
「オレたちの認知は当然低くて、手っ取り早く覚えて貰うにはライブパフォーマンスが一番だけど、お金がないし」
溜め息を吐き、重い表情で話し続ける。
新米アイドルは資金も当然ないため曲も衣装も自前で用意するのが困難だ。学院が資金を提供することもあるが、彼らにはペナルティが課せられているため暫くはなさそうだ。憂う気持ちになるのも仕方ない。
「サーカスに来たお客さんに、名前と顔を覚えてもらうんだ。上手くいけば、『fine』からファンを奪えるかも♪」
「うん、じゃあ明日までにひなたくんの意見聞いて参加するか教えてね。本番まで一ヶ月もないからかなり慌ただしくなっちゃうと思うけど、いい返事を期待してるね」
頭の中では既に『2wink』をサーカスの企画にどうやって組み込ませようかと考えていた。
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