雲の上のフーセン
おーい、まじで。
誰かさんは学年美少女とお付き合いが始まってるっていうのに。日陰の僕は野郎と何やってるんだい?
僕も花の学園ライフをしたかった。
個性も、もっと、
炎とか。水とか。風とか。電気とか。
ありきたりで良かったんだ、単純で。
なのにコピーってなんだよ。
いつ輝けっての?
で、この状況なんなの?
めちゃくちゃヤなんだけど。
「っ!なんで君まで取り込まれるんだよ!」
「君が四角に入り込んでくからつい、、。っせっま、」
手を伸ばし、四角に触れた途端に身体が吸い込まれた。猫はどういう訳か四角から飛んで木を伝い逃げていってしまった。
僕を助けようとした留学生もろとも四角い中に飛び込まれてしまった。
「ああ!もう、どーすんだよこれ!」
コンコン
「硬い。これは殴っても敗れなさそうだ。」
「〜〜っもうめんどくさい事になった!」
コンコンとガラスの壁を叩く留学生。
触れた時はゴムのような間隔だったが今は分厚いガラスのように硬く、素手で叩いても割れなさそうだ。無理にやると返って指の骨を折るかもしれない。
なんだ、この個性。
世代が進むにつれて「個性」は混ざり合い、より強力で複雑になっていくとは聞くが。
個性の最近のガキの個性はこんなにも、、。
「っと、狭いねさすがに。」
「君、僕よりチビなんだから寄れよ。」
「物間君がデカいだよ。ちょっと待って、いま体勢変えるから。」
デカいって君が小さいというか華奢なんだろ。
男のくせに。
どう足掻いても身体のどこかが触れてしまう距離。彼は閉じていた足を僕にまたがり、向かい合わせで座る。まあ、なんか狭い浴槽に入っている感じ。足が短い(失礼)から彼は上だ。
「これでなんとか収まった!ごめん、足重く無い?」
「別に」(かっる。)
こんな森の中電波もないし助けに来るのなんていつになるんだ。もし死んだら僕らこの状況下で発見されるの?!
そういや世界史で見覚えがある。エジプトのミイラで、二人の男女が向かい合って死んでるの、、。
(ってこんな奴と死体で発見されたくない!!)
ゴン!ゴン!
「ッチ!クソッ!!ビクともしない、、!」
「やめなよ、怪我するだけだよ。」
「じゃあどうするんだよ。こんな四角い中、君とシネってか?」
「不可能ではないよ。事実、猫は出たんだ。多分何かカラクリがある筈だ。どうにかして出る方法を探るか考えるしかない。」
は?なんだよ。妙に冷静な。
こんな狭い空間に少しは不安になったり、恐怖したりしないのか。少なくとも僕は焦ってるのに、この留学生、戦場での場数を踏んだプロのように体育座りで辺りを見渡している。マイペースなのか?それとも危機管理能力が低いってのか?
「君だってビビってるんじゃないの?ハッ」
「空気は吸える。猫は小さいから持ったもしれないけど。
そのうち、酸素切れになるかもしれないけど俺が雲を出せばそんな心配もしなくていい。
取り込まれたのが君だけじゃなくて良かった。」
僕の煽りにスルーする。
その上、僕の心配まで。うっざ!なんだよ、結局足を引っ張ってるのは僕かよ。むかつく!!
「君、僕が邪魔だとでも思ってる?」
「え。なんで?」
こいつの言った通り。物をどうにかしてから猫を助けたら良かったかもしれない。
物に衝撃を与えるやらなんやらして、この四角いのを分析してからでも遅く無かった。
僕は歯をギリ、と噛みながら自分にも腹を立てる。
(僕の不甲斐なさはコイツに当ても仕方ないのに、、っ)
「だから君の力が必要なんだって言ってるじゃないか。」
「、、、っ、何をどう考えて僕がいるんだよ!僕は、、!」
「!」
そう言って胸ぐらを掴んだ。僕の行動に留学生は流石に驚いた顔を見せる。そう、君ありきじゃなきゃ、僕は個性を出せない。
そう言い切ってしまいたかったが無能な自分を認めたくなかった。
猫のように丸い眼をしている。瞳が揺れる。
それは恐怖とか怒りとかではない、
彼は僕に嫌悪してない。その無垢な目に僕は余計に辛くなった。
「ごめん。」
「だから、だからさぁ、、!」
「?」
訳もわからず謝ってきた。若干だが、心配してるような声色だった。ここまでしたら反撃するかと思ったが。
同行して、一部始終見るとこいつは本当に無垢というか人を貶すとかないらしい。
「何?」
「ハァ、もういい。」
もう疲れた。というか八つ当たりしてダサいの僕じゃんか、もうやめよう。体力奪われるだけだ、
こんなコンニャクみたいな女男に突っかかっても反応悪いし、爆豪に比べて面白くない。
「そう。」
僕に掴まれてぐっちゃぐちゃになった裾を少し払って直す。彼は呟き手を差して雲を出す。
「酸素薄くなったかも。少し出しておくよ、死活問題だから。」
まるで魔法使いみたいだ。仕草もその綺麗な顔や髪色も。両親がら良いところを貰ったんだろう。
一人称は俺だけど、中性的な。そして僕を傷つける事もないし。僕は散々嫌味言ってるけど。
「便利な個性だね、色々。」
「え?」
「あ?いや、えっと、、。うっ羨ましいよ、お似合いで!雲なんてぼーっとしてる君にそっくりでさ!」
道中、貶してた癖につい見惚れて褒めてしまったことに焦ってそう付け加えた。彼は手にボールのように雲を掴んで僕を見つめる。まるで子猫のような瞳に僕はあんまり見るなとも思った。
「フッさっきはありきたりみたいに言ってたじゃないか。」
(覚えてたのかよ!)「そうだっけ?いちいち覚えちゃいないよ。」
「そっか、」
「何、ニヤニヤして。気持ち悪いな。」
「いや昔、幼馴染にもそんな風に言われたなって思い出して。」
クスっと笑って僕の嫌味にだんだん慣れてきたように返す。こいつが笑っているところ初めて見た。笑うと更にも増して、、いやいやいや。
笑顔から読み取るに、その幼馴染は彼にとって大切のように思えた。
変な思考を悶々とさせる僕は何だかんだ彼の行動に目を追ってしまう。
四角いガラスの壁に隙間がないか指に雲を伝わせて探している。
(よく見ると。顔、整っているな、、。)
まあ僕ほどハンサムじゃないけど、
今朝、普通科の女子生徒が騒いでいたのを思い出す。おまけに。
「ああ、息苦しくなったら言って。俺、標高高いとこ慣れてるから空気薄くても平気なんだ。」
「、、、っ」ピキ
(顔も良くて、性格良くて、個性もかっこいいとか益々腹立つな、、っ)
「君さ、海外にいたんだっけ?」
「いや子供の時だけ。これは国内留学だから。」
「ふーん」
それから僕らは色々試した。
推してみたり引いてみたり、擦って熱を加えたり。身体を揺らして四角い風船を移動させ太陽に当ててみたり、コンコンと何箇所かずつ叩いてみたり。
あれからどれくらい経ったか。僕の腰についた時計を見るなり早、2時間が経過していた。
「っ流石に疲れたね。」
「君の提案した太陽に辺りに行くのが1番応えたよ。っはぁ、、」
「あの時(猫が出た瞬間)、太陽が眩しく感じたんだ。ごめん、君にばっかり動いてもらって。」
「君が華奢過ぎんだよ!女子か!全く!」
「ボソこれでも女の身体よりか大きくなったんだけど、、」
「何か言った?」
「あっいや何でもない!」
2時間。訓練に比べたら大した時間じゃないけど、この狭い空間で動くのはなかなか堪える。
僕らは向かい合わせで、ぐったりと透明の背もたれガラスに項垂れた。
「はぁ、少し休もう。」
「、、、うん、」ゴンッゴンッ
「こら!言葉と行動が一致してないぞ!」
「あ、ごめんつい、、。」
彼はそう言いつつ、足を踏ん張ってガラスに押しやる。ふと見ると手の甲が赤くなっていた。
「っはぁ!だめだねビクともしない。」
「君さ、、。」
「このままだと物間君が餓死しちゃう。体調は平気?」
僕の心配をしてくる彼。喉が渇いてない?雲で水分補給できるよ、コスパ悪いけど。と言いながら手のひらから雲を出す。
(この期に及んでこんな、、)
湿った手のひらにゆらゆらと揺れる雲。
こんな水蒸気じゃたくさん口に含んでも喉の渇きは癒せない。
「いよいよ危なくなったら俺が雲で押してUAに君を帰すから安心して。少し時間はかかるけど、、。」
ここまでどれだけ歩いたと思ってるの?
そんな事したら君が大変じゃないか。僕に頼ろうとはしないのかよ。
手からこぼれ落ちる水滴、早く掴みなよ。とばかりに彼は僕に差し出す。
「そうだね、、。」
僕は彼の手首を掴んで口元に寄せた。
手で汲んだ水を口つけるようにしてコク、、と飲んで見せた。
「えっ!!あっ、何?!」
「君が飲めって言ったんだろ?」
「あっいや手から飲めなんては言ってないよ?!」
「雲からじゃ、空気ばっかでコスパ悪いし。こうやって溜まった水飲む方が効率良いでしょ?」
ピチャピチャ、と一度引っ込めそうになった彼の手を引っ張っりお椀を作るようにして少しずつ飲む。彼は顔を真っ赤にしていた。それを見て悪い気はしなかった。僕と目が合った彼は恥ずかしそうに次は泣きそうになりながら顔を背けてみないようにしていた。
「〜〜っっ、ねえ、もういい?」
「後少し、、。チュ、」
(へぇ、そういう顔も出来るんだ。)
手首に滴る水滴も舌でつたい、舐めとると。
触れ合ってる足がピクっと動いた気がした。
終わったら、彼は両手いっぱいについた僕の唾液を服でゴシゴシと拭いて見せてプイっと顔を背ける。
(でも自分の服で拭くんだ。)
「何拗ねてんの?」
「君が変なことするからだろ!」
「変な事って何?具体的に教えてくれるかな?」
「知らないよ!」
「ねぇ、君は飲まないの?」
「両手に物間君の唾液がびっしりついてるのにヤだよ!」
は?何それムカつく。
まるで僕が汚いみたいじゃないか。ありがたく思えよ。
目いっぱい離れた彼をあぐらをかいていた足で彼を引き寄せてこう言った。
「っあ!物間く、、!」
「じゃあ、飲めよ。僕の手の平から。」
「!」
彼の個性をコピーした。
タイマーなんていらない。ずっと触れているから。手の平で揺れる雲。彼が作った雲よりも荒々しい。次第に溜まる水分が僕の指をすり抜けていく。
「や、やだよ、こんな、、。」
「僕だって君の手の平から飲んだんだよ?恥をしのんで。それを君だけ拒否するってのかい?」
「だ、だったら最初から自分で!」
「僕に出来る事を君が望んでやったんだろ?」
彼はひどく動揺しているようだった。
なんだろ、、すごく、ドキドキする。
彼は心配そうに、不安そうに僕の手の平の雲を見つめる。
「ほら、飲めよ。」
「、、、ッ!」
口をキュッと摘んだが、彼は目を伏せて。唇を手の平に寄せた。
触れるか触れないかの位置で、唇が僅かに当たる。僕になるべく近づかないよう僕の胸に押し当てる手は僅かに震えていた。
「んっ、。ふ、、」
(怖がってる、、、)
本来なら、このぐらいで止めただろう。
見たかった彼の降伏顔は見えたんだから。なのに、なぜか、彼が必死に子猫のように僕の手の平から飲んでいる絵に目が離せない。
(くすぐったい、、。)
「ん、、、。ピチャ
も、いい?、、、ーーわっ!?」
「ねえ。こういう目には合わなかったの?」
僕は彼を狭い四角い空間で押し倒していた。
彼がやっと驚いた顔で僕を見た。
「っ!、、、。物間君、痛いよ。」
「よくあるんだよね。海外の友達が言ってたんだけど。身体を教授に売って単位だったり成績上乗せして推薦もらえたりするんだって?」
「し、知らないよ。それに海外から来た訳じゃないし。」
「君、よく見たら綺麗な顔してるし。人気ありそうじゃないか。」
(こいつ歳は同じか下?ま、そんなんどーだっていい、、。)
「どーせ、しばらく出れないんだよね。昨日抜いてないしちょーどいいや。」
「、、、っ!」
「いつもやってる事、やってくれたらいいからさ。」
カチャカチャとベルトを外す。
男は全く趣味じゃ無いけど鳴き声上げたら
嘲笑ってやめてやるよ。
僕だって野郎のケツに、人がいないからと言ってこんなスッケスケな四角い箱詰めでやりたくないしね。
彼のヒーロースーツのジッパーを開けていく。
中は素肌か。白い肌に控えめに腹筋がある。
彼は恥ずかしそうに顔を背け白い髪が耳にかかる。
「ちょ、やめて物間くん!」
顎を上げてこちらへ向かせる。
顔を近づけてみたが、唇にする勇気はなく
耳に舌を這わせた。
ヒクッと動く喉仏。僕の身体を押し上げるが幸い四角い空間。距離を開く事は叶わない。
「っふ、やめてよ、、っこんな事してる場合じゃ、、!」
「もっとして?じゃなくて。お嬢さん。」
中性的な顔は今までバカにされただろう。
僕はわざとそう煽るように言った。
耳にわざとリップ音を出す。じんわり、
空気が熱くなってきた気がする。
(ちょっと、いじめるだけ、、。)
「物間くん、、っ」
「!、、、っ//」
うわ。
なんかこれ やばい。
白い肌が滑らかで、這わせる手が気持ち良い。
たまに苦しそうに出る声がやたらと色っぽくて僕を呼ぶ。
「こんな事より、出る方法を、、っあ」
甘い声、
湿った空間。
誰も助けには来ない中、この密室。
「っ、、。君、まじで経験者じゃないよね?馬鹿みたいに色っぽいんだけど。」
「くすぐったいからっちょっと、、!」
やばい。やばいやばい、、
止まれよ。僕。
「くすぐったい、ッだけ、、?」
こんなのただの憂さ晴らしだろ。
「やめっやめろって!!」
ドゴンッッ!!
「デッ、!!かっ、、?!なっなんだ?」
「わっわわっ!?」
頭上からなんか衝撃が走り、痛みと一緒に僕らは地面へと練り込んだ。
すると彼はこの四角い中から半分出ていき、またボヨンっとトランポリンが跳ね返るみたいにまた中へ収納された。
多分、彼が僕の頭をこの四角い外側から殴ったんだろうけど。
それよりもさっきの四角いこのガラスがゴムのように柔らかくなった。
「ねえ今、君なにしたの?!」
「思わず外から雲で君を殴ったんだ。そしたら反対側の壁が殴って押し込まれた分、ゴムみたいに伸びて、、!」
「なるほど。この四角いガラス。中からの衝撃にはビクともしないけど、外側からは脆い。しかも衝撃分、反対側が歪んでいく。」
つまりこの四角いガラスは
外部からの衝撃によって変形
その衝撃によって中の物が外へ出るんだ。
「もし、雲で外部を衝撃が出来たのなら、、!」
「ここから出れるかもしれない?!」
「なんだ、そんな事かよ。だから猫は外へ出たんだ。じゃあ話が早い、個性でやってみてよ。って、その前に、」
「?」
「//服、乱れすぎ、、みっともないから着なよ。」
「いや、君が脱がせたんだろ。」
まったく、と言いながら身支度し、それから雲を作り出す。危なかった。本当に僕は何しようとしてたんだろうか、、。
元わといえばこいつが変な声出すから。
「間違えて、僕ら諸共木っ端微塵にしないでね?」
「わかってるから難しいんだ静かにしてくれ。」
空気砲のようにためていく。
いくつか当てるが衝撃によって僕らが被害に合わないよう沸点を探すようにデカさを調整していく。
ボン!!ボン!!!
「どう?」
「確かに衝撃によって歪みもデカくなる。
このまま調整すれば俺達が押し出されると思う。」
「はー、さっさと頼むよ。」
「直径1センチずつ拡大してるんだ。時間はかかるよ。」
野球ボールくらいから始まったそれはバレーボールくらいに。ってまぁ、大柄な個性とは打って変わって慎重な事。髪は少し乱れている。さっき僕が無理矢理、首や耳にキスした時か。
「怒ってないの?君。」
「何が。」
「さっき君に乱暴したじゃないか。」
「反撃したし、頭痛かったならおあいこだよ。」
「君、彼女は?」
「なんだよ、また。」
「なんとなく。経験なさそうだったから。」
そんな、何聞いてんだって事に。
彼は瞼を落とした。
「いる。」
「あっそ、良いよなイケメンは。可愛い彼女がいるんだろーね、いっやらし!」
「いやらしいかは知らないけど、可愛いよ。」
うわ。惚気かよ、うざ。
さっき無理矢理奪えばよかったか?
でも僕の初めてもこいつになるし。
「でも最近、上手くいかなくて。」
「?」
「俺が、悪いんだけど。」
へー、意外とこういう顔すんだな。
ショボンとした顔に僕は驚き、こんな奴も悩むことなんてあるのかと。
「君、彼女の何が好きなの?」
「えっ何って、、その。そうだなぁ。
負けん気強いけど面倒見良いっていうか。なんというか。」
「ふーん、」
「あとめっちゃ神経質で、綺麗好き。あと泣き虫で足が早い。」
「なんそれ。悪口挟まってない?」
「っぷ、そうかも。」
また笑った。今日2回目。
なんだ、割と明るいのかこいつ。
「顔とかも好きかな。」
「結局顔じゃん!」
「いやっいやいやそうじゃなくてさ!」
「SEXした?」
「ばっ!//物間くん変なこと言わないでよ!」
手元が狂う!と言いながら空気砲をボンボンと投げ打つ。はぁーと僕はため息をつきながら彼の手に触れた。
「二倍速なら早い、よね?」
「!」
「僕も手伝うよ。君だけじゃ時間かかりそうだし今の雲の大体の直径教えてくれる?」
「フッ、、今はバスケットボールくらいかな?
思いつく丸い物二人で言い合って投げよう。」
「キャッチボールみたいにね?」
それから僕らは手を触れ合って、背中を合わせて無限空気砲を続けた。
話してわかったけど、大きさだけじゃなくて質量も考えていたらしい。
ま、普通に考えて自分らに弾を撃つんだ。下手したら死ぬからね。
「ねえ?僕、良い案を思いついた。」
「ん?」
「玉撃つだろ、その瞬間この四角いの柔らかくなるから固くなる前に君の個性で広げられないかな?風船みたいに。」
「!」
「もしかしたらそのまま割れて出れるかもしれないし、良いんじゃない?」
「めちゃくちゃ良い案だ。物間君。」
ボン!!
グニィー、、!
「もし俺だけでも、物間君だけでも。ここに取り残されたら死ぬんだ。やってみよう、ねえー、、。」
「!」
「高いところは平気かい?」
一発、良い空気砲が入った途端に爆風、いや爆発に近いように四角い狭い雲が溢れて視界が真っ白になった。
何も見えない中、胃の中が浮いた気持ち悪い間隔。
パン!!!と風船が弾けて視界が
夕焼けである事に僕らは雲風船によって空へ上昇したのがわかった。
「っわ!わあああああー!!」
僕は急降下する。雲を出すが暴発した事により乱れて上手く取り込めない。
このままじゃ、3分経過し落下してしまう。
「君、天才だよ。」
「!っあ、まじでやるなら言えよ!?」
「ごめん空の上は慣れてるんだ。」
手を取り引き上げられる。
むかつくけど、天使みたいだと思った。
(こいつはいっぺん堕天した方がいいけど!!)
「で、どーすんの?」
「?」
「物、運ぶんだろ。君一人じゃむりだから下降りたら手貸せよ。」
にかっと笑う顔。
悪く無いと思った。
それから僕らは四角い中に入った生活用品らを雲で運んで猫はどうやら飼い主の元へ自力で帰ったというんだからマジで人騒がせ。猫騒がせ。
あの四角いのはやっぱり、娘の個性。
数日で壊れるらしいが、街の人らに当たって怪我させたらと懸念しヒーローの卵に依頼させたのは主人の目論みだったらしい。
僕らのヒーロー活動報告書には
猫を探してたら、森で不法投棄を見つけ回収。
なんとも地味な感じだ。
けど、怪我人が出ることはなかったから良しとするか。
「あ、物間君。お疲れ様。」
「まだいたの?君。」
「うん、少しね。」
「、、、、、。」
うっわ、何これ気まずい。
僕、色々やっちゃったし、早く国かどっか帰ってくんないかな。
「ありがとう。」
「は?」
「一人じゃ積んでたから。」
制服姿の彼は小さ!って感じで。
スカート履いたら女みたいだなって感じがした。
(こいつの彼女ってどうなの?)
「あー、はいはい。雑魚個性で大変だったよ。」
「色々と勉強になった。」
「ふーん、そう。どういう?」
壁に手をついて顎を上げる。
うわ、まじちび。だっさ。また顔赤いし、猫みたいにびっくりするし。
「次はお口にしてあげるね?」
「、、、。いいよ。」
「えっ、、、!ちょ、きみ、、!」
少し揶揄うつもりが彼は口を寄せてきた。
目を細め、僕の首に手を回して。
足を踏んで背伸びしてきた。
(なんだよそれ、、!可愛、、!!)
「おいおい、冗談、、」
「物間君が悪いんだからね?」
小さい薄い唇が近づけてくる
だめだ、と頭の中ではわかっているのに
身体はフリーズしてしまう。
雲の中に浮いてるようなそんな感覚、、
「あっ、、、まっ、」
ボフン!!!
「がっはっ?!?くっ雲?!」
「べー!」
「君!やったな?!!」
「仕返しだよ!空気砲、案外良いね!」
「〜〜っ!!」
「またね!物間君!」
「こら待て!!」
彼は口から空気砲を出して僕の顔面に一発ぶちこみ、そのまま窓から雲を使って空へと逃げてった。僕は後一歩の所で手を掴む事は出来ずに歯を食いしばる。
「あの野郎!!」
振り回された一日。
けど、なんか変な感覚だった。
そこにあるのに掴めない雲のような人だった。
あの目が少し既視感あったが、なんだろな。
「はぁー、、、。」
「あれっ物間ー?任務から帰ってたんだ!何してんの凹んじゃってさー。」
「あ?拳藤?僕がそんな顔してる?」
「いや、顔赤いな?大丈夫?」
「ほっといてくれ、、。」
2/2ページ
