雲の上のフーセン

この作品は長編【明日天気になぁれ】のパロ、またはおまけ作品になります。
主の詳細設定は本編参照を。

※本編30話の裏話です


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で。なんで僕はこんな目に合ってる?



【雲の上のフーセン】



僕は物間寧人。人の個性をコピーできる個性。
まぁ、ややこしい事を言ってるようだが
3分間だけなら真似が出来るって事。

出来ない個性も勿論あって。僕の中で、これはスカって言うんだけどまぁ大概、街中の個性は大体。

表向きな個性じゃ無いけどたまに依頼される仕事といったら、誰かの個性をコピーにして二倍の威力を稼ぎたいとか。またはその個性がなんらかの問題で使えないからコピーして使えるようにしたいとか。
ま、大体前者かな。
そういう個性って、代用が効かないから困る訳で。いわゆるレア物。炎とか水とか氷とか風とか、まぁよくあるメジャーなものじゃなくて
つまりは珍しいから扱いもめんどくさい。

みんな、簡単そうにコピーしろって言うけど。その人は何年もかけて成長させた個性。僕は間借りしてるから結構難しいんだ。いきなりやった事もないのに逆上がりしろ、なんて言われている感じ。
でも、ま。僕はセンスの塊だから難なくコピーして使いこなすんだけどね。

で。今回、ある人物と任務の依頼に出た訳なんだけど、、。


「前、歩かないでくれる?先に君がやられたらコピーする相手いなくて詰むんだけど。」

「あ、ごめん。」

「はぁー!なんで僕が交換留学生のお守りなんてしなくちゃいけないわけ?そんな雑用、A組に任しとけばいーのにブラド先生!」


僕の前を歩いている彼は無表情に謝ると僕の嫌味に気にすることなくまた歩き出す。
そう、こいつは昨日急に来た交換留学生。国内留学というべきか。


(そこそこ優秀じゃないとUAの国内留学なんて選ばれない。面も良く来て早々みんなにチヤホヤされて。(主に女子)いけすかないな、、。)


「ねー?君の個性ってなんなのさ?
金持ちの猫が、その金持ちのバカ娘に風船つけられて飛んでって僕らに依頼。君が召喚されたのは千里眼でもあるわけー?」

「そんなんない。」

「だったら、ボーッとしてないでさっ。バカみたいに空でも眺めて探したらどーだい?」

「24時間経過しているんだから浮いてる可能性はもう低い。風船が割れたか、建物にひっかかってるかだけど。まぁ、逃げ出したに近いんじゃないかな。だから地上を見た方が手っ取り早いよ。」

「、、っ」(ムカつくこいつ!!)


今回。UAのスポンサーをしている会社オーナーの娘の飼っている猫が行方不明になったらしい。僕らはその捜索依頼で、町から少し離れた森へと散策にきていた。
金持ちの猫。大層に恵まれてきた猫。
僕は猫以下なのか。誰でも良いような仕事依頼にいちいちプライドがへし折られる気がする。

「っはー、めんどくさ。いーよね金持ちは自分で雑用しないから!ていうかドラ猫探しなら僕らじゃなくてもいーだろ。」

「動物の命がかかってるんなら雑用じゃないよ。」

「うげ。君、見た目以上につまんないね。」


その上、留学生のお守り。
警察にもヒーローにも頼めない仕事だから雑用なんじゃないか。


「君の個性まだ聞いてないんだけど。」

「まあ、そのうちー、、」


森の奥へと突き進んでいると木々が抜け
一気に視界に入り込んできたのは四角い物体。
一つならず複数体、空中をゆらゆら浮かんでいた。


「なんだ、これ、、?!」

「個性だろうね。この数、、すごいね。あ、あれ、四角い中うっすらと何かが見えるよ。」

留学生が指をさす方へ目を凝らすと、服や、遊具、スコップや、中には家電製品、日用品が多いが中にはリスなど、小動物も紛れている。


「おいおいこれはどうなってるんだい、、?
僕ら猫探しに来たんだよね。珍事件じゃないか、これは。」

「これは町から風に乗って流れて来みたいだ。!、、あながち、猫探しで間違ってはないらしい。ほら、見なよ。」

「!!」

複数個の中、赤い首輪をつけた猫がいた。捜索されていたグレーの猫だ。何故こんなところに。

「風船につけて飛んでったんじゃ、、。」

「ふぅ、確かにこれ風船みたいだ。してやられたね。」

「なにがだよ。」

「多分、これは娘の個性だよ。」

「はあ?」

「風船。って依頼主は言ってたからね。」

「なっ個性だなんて、、」

「娘の個性で街中のものが飛んでったなんて、言えないから。これは俺達だけの秘密なんだ。」

「だったら依頼書にもそう書いて。」

「娘の不祥事で、なんて書けないんだろ。」

留学生はそう言うと、手のひらから白いモヤを出す。なんだ?大きくなって全身を包んでいく。

「雲?」

「ああ。」

「随分、地味な個性だな。」

「よく言われるよ。ほら、行くよ。」

僕の手を繋ぐ。僕は男に手を繋がれた事に嫌悪に振り払った。

「なんだよ気色悪いな。」

「雲で浮いて行く。君の個性、コピーなんだろ?」

「手繋がなくたって触れたらいいんだよっ」

「え?そうなの前に手繋がないとって、、」

「は?君と会ったの今日が初めてだよね?」

「あ、いや違う。他の人と勘違いした。うんいいよ大丈夫。」

「?」

「とにかく、俺の身体のどこか触れてて。落ちたら洒落にならないし。」

「3分あったらあそこまで行ける。」

僕は留学生の手をまたバシッとたたいて、3分タイマーした。それから雲を出した。
うえ、なんか気持ち悪い。胃が浮かんでいる気分だ。前にA組の彼女のコピーをパクった時と感覚似てる。留学生を置いて猫の方へと浮遊する。


「、、めっちゃ器用じゃん。」


雲はゆらゆらとして安定感はあんまりないが、胃の気持ち悪さとか覗いたらまあ悪くないか。
四角い障害物は雲に押し寄せられていくし便利だ。

「ねぇ、物間君!ちょっと待って。」

「トロイんだよ君は。」

猫はふぁっとあくびをしてあぐらをかいていた感じを見るとどうらやこの四角い物体、窒息の心配は無いみたいだ。


「ねぇ、先に行かないでよ。個性切れで下に落っこちたらどうすんのさ。」

「一度出た雲はしばらく浮いてるんだろ?」

「、、、。」

「知ってる人、いるんでね。」

後ろから追いかけてきた留学生は僕がそういうなり驚いた顔をしたもんだから被せて言った。
A組の彼女の天候の個性。一度悪ふざけでコピーした事があったからまぁ大体この手の個性はわかる。

(あの後、爆豪にキレられて鬱陶しかったけど。)

爆豪が前から彼女の事好きなのは気づいていた。報われないなーなんて嘲笑っていたのに最近、はれて付き合っているみたいでびっくりした。
おちょくりがいがあって面白かったのに幸せになったのならつまらない。

別に僕はアホ男子みたいに好きにはなかなかったけど。好きになったら終わり、みたいな感じじゃん?あんなの。自分には見向きもされないのにみんなバカだよね。
彼だってそうだと思った。だって幼馴染でキッカケ作りも出来ないなんてごじらせてたからさ。


(まあ、頑張ったのかな。下手そうなのに。)


そう思いながら猫に手を伸ばす。
空気の抵抗を受けてか中々届かない。


「危ないよ。」

背中を引っ張られ腰が引ける。
そんなに引っ張られたら後ろ痛いだろ、と思ったが雲がふんわりと包む。


「だからタイマーもしてるしまだ平気だって。」

「そうじゃなくて、迂闊に触るのは危なく無いかなって。」

「はあ?お子ちゃまが作った個性なんてまだ未熟だし、猫も平気そうにしてるんなら大丈夫だろ。」

「個性は年々細分化してる。この個性もたかだか四角い物体で浮かぶ、なんて。そんな有りったけなものじゃないかもしれない。
それにこの物たちが何故こうなった経緯もわからないままじゃ、、」

「単純な個性が何言ってんだよ。さっさと猫捕まえて帰るよ僕は。」

「だから俺達の世代とは違うんだ。それに先にこの物ら片付けないと、猫をどう抱えていくんだよ。」

「意外と強情だな君。ハっごみ収集なんて依頼にはないよ。その辺、ほっときゃいいだろ報告だけすればいい。いーから手を離せよ、僕だけでもこの猫連れて帰る。」

「頼むよ。君の力が必要なんだ。」


は?何言ってんの?
僕は君ありきじゃなきゃ、無個性にも近いんだ。バカにしてるのか。
留学生かなんだか知らないが。知らないこんな世間知らずにも僕は情けをかけられるほど落ちこぼれちゃいないぞ。


「うっさいな!君、どーせ動物が怖くて抱けないんだろ!冷徹無垢な顔してるもんな。」

「白いのは元からなんだ。猫も怖がってるからさ、、。」

「こーいうのは思い切りが、、って、ええ?!?」

「ちょ、、物間く、!」
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