・アベル
「その質問にどういう意味があるのかは知らないが」左腕に抱えた人形を大事そうに撫でながらアベルは答える。「毎日、トランプするかな……恋人ならきっとダウトをできるほどの仲だろうからね」とおもむろに自分の懐からゴソゴソとトランプを取り出し、アベルにとりあえずひと勝負するかいと誘われる。
　
・アビス
「無意味な質問ですね。私のような呪われたものが恋など……」そう言って伏し目がちに寂しそうな笑みで名前を見る。「ですが、もしこの私の呪いごと愛してくれる人が現れたならば、全身全霊でその方を愛すると誓いましょう」それでは失礼します、と綺麗な水色の長い髪を揺らしながらその場を去っていく。
　
・ワース
「あぁ？ ンなの……知らねぇけど一緒に勉強とかするんじゃねぇの」あれ、意外とひねくれずに素直に答えてくれた。名前がその事に驚いていれば、「テメェ、今ぜってぇ失礼なこと考えてたろ？」と頬をむにっと引っ張られる。痛い痛い！ ワースさんぜひ勉強教えてください！と言えばワースは満更でもなさそうに頷いた。
　
・マイロ
「そうだな……一緒に色々な話をするかな」マイロは、ぽつぽつと理想のデートプランのようなものを語り始めた。「それからマーチェット通りに行って、一緒にカニクリームコロッケを食べる。で、新しい杖の手入れ用のクリームを買って、戻ってきたら一緒に杖の手入れをするんだ」完璧だ、とでも言いたげな自信に満ちた表情が可愛くて、名前はウンウンと頷いた。
　
・アンサー
「……知っているか？ 彼氏というのは男女が付き合うとなれるものだ」知ってる。アンサーは自分に浸るようにフゥとひとつ息を吐いた。「好きなタイプとはすなわち……理想だ。まず、オレが話す話に耳を傾けて聞いて欲しい。情報収集と称して、学内のゴシップを調べ回るのも悪くないな」さすが、自分の欲望に忠実なアンサー・シンリ。男女から遠巻きにされているのがよくわかる。
　
・シュエン
「フフッ、イケてる僕が彼氏になったら……だって？ 面白いこと聞くじゃないか」ファンクラブを持つレアン寮の貴公子は絵になるポーズで名前を見つめる。「ファンクラブがある僕の『特別』になるのは相当大変だろうけど……もしなれたのなら、街でデートしたり、遊んだりしたいかな。一緒に花の手入れをしてくれる子なら最高だね」お近づきのしるしにあげる、と魔法で出してくれた薔薇の花を、シュエンはローブの内側から出した可愛らしい包装紙で包んで渡してくれた。「綺麗な薔薇にはトゲがあるから気をつけてね」さすがファンを従えるイケメンは違う――。