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ヴァルキス魔学校での密かな噂。それは筆頭様にまつわる噂。だがただ一人、そんな噂は嘘だと知っている人物がいた。それが今、屋上の扉を大きく開けた名前であった。
「ドミナ!」
名前に大声で名前を呼ばれて振り返ったのは、ドミナ・ブローライブ。ヴァルキス魔校内では、彼と肩を同等に並べられる者など存在しない。ドミナはその綺麗な桃色の髪を風になびかせ、名前を見て薄く笑った。
「……そろそろ来ると思ってた」
「さすが。私が来るのだって気配で分かっちゃうか」
「僕ほどにもなるとね。また呼び出し?」
「そ、人気者の筆頭様をみんな探してるよ」
「名前、それは違うな。ただトップに立っているというだけで別に人気者なわけではないよ」
ただトップに立つのがどれほど大変か。
まるで嫌味のような発言に聞こえるが、おそらくそうではなくて本当にそう思ってるからそう否定しただけなのだろう。その発言に足る実力を兼ね備えてドミナが言うからこそ、ちょっとかっこよく聞こえてくるから不思議である。
「でも、僕って『どこにでもいるけど探すといない』なんて揶揄されたりするのに、君はいつも見つけるのがうまいね」
ドミナに素直に褒められて嬉しくない生徒なんていないだろう。もちろん、名前も例外ではない。
「まぁね! そりゃ先生に頼まれてるぐらいですから。それにかくれんぼは昔からうまかったんだ〜」
そう得意そうに言ってみせた名前に、ドミナはやれやれと両手を上げて降参のポーズを見せた。だが、すぐに悪戯を思いついたような顔で名前に提案した。
「次からは君に見つからないのを目標にしようかな」
「ふふん、ムダムダ! どこにいてもすぐに見つけてあげる!」
「へぇ? どこにいても……ね。随分と大きく出るじゃないか」
その挑発的な態度に名前も負けじと食い下がる。
「うん。たとえ、世界の裏側にいても見つけられる自信ある」
「根拠は?」
「そうねぇ、いわゆる愛の力ってやつ!」
名前がパチッと目配せをすれば、ドミナは呆れてため息をついた。
「なんだよ、全くの無根拠じゃないか」
「何よ、愛の力信じてないの?」
「少なくとも信用には足らないね。……あ、そうだ。見つけられなかったら罰を与えるから覚悟しておくこと。いいね?」
冗談とは思えないようなその声色は、本当は見つけて欲しいというドミナの気持ちだろうか。しかし、その意地悪い笑みを見ると罰を与えるというのは本気なのだろう。
「えっ、やだよ罰与えられるの」
「豪語したことに対して、達成が出来なかったら罰を受けるのは当然だろう? それが嫌なら、僕のことをその愛の力とやらで必死になって見つけるしかないね」
ドミナは名前が困っているのを見て満足気に笑みを浮かべ、そのまま名前の手を引いて自分の方へ軽く引き寄せた。
全く。素直に見つけてって言えないプライドの高いところとか、本当は承認欲求の固まりのくせに意地張っちゃうところとか、我が校の筆頭様はわがままが過ぎる。そんなの必死になって見つけるに決まっているのに!
それに見つけられなかったら見つけられないで、愛が足りないとか言って拗ねるのが容易に想像出来て、名前は苦笑した。
「もう……ドミナってそういう時、本当いい顔するよね」
「フフッ、からかいがいがあるからかな。ま、期待して待ってるよ。君への挑戦状。僕のこと、見つけてごらん」
屋内へと導かれるようにして引かれた手は、階段を降りきるまで繋がれたままだった。
「ドミナ!」
名前に大声で名前を呼ばれて振り返ったのは、ドミナ・ブローライブ。ヴァルキス魔校内では、彼と肩を同等に並べられる者など存在しない。ドミナはその綺麗な桃色の髪を風になびかせ、名前を見て薄く笑った。
「……そろそろ来ると思ってた」
「さすが。私が来るのだって気配で分かっちゃうか」
「僕ほどにもなるとね。また呼び出し?」
「そ、人気者の筆頭様をみんな探してるよ」
「名前、それは違うな。ただトップに立っているというだけで別に人気者なわけではないよ」
ただトップに立つのがどれほど大変か。
まるで嫌味のような発言に聞こえるが、おそらくそうではなくて本当にそう思ってるからそう否定しただけなのだろう。その発言に足る実力を兼ね備えてドミナが言うからこそ、ちょっとかっこよく聞こえてくるから不思議である。
「でも、僕って『どこにでもいるけど探すといない』なんて揶揄されたりするのに、君はいつも見つけるのがうまいね」
ドミナに素直に褒められて嬉しくない生徒なんていないだろう。もちろん、名前も例外ではない。
「まぁね! そりゃ先生に頼まれてるぐらいですから。それにかくれんぼは昔からうまかったんだ〜」
そう得意そうに言ってみせた名前に、ドミナはやれやれと両手を上げて降参のポーズを見せた。だが、すぐに悪戯を思いついたような顔で名前に提案した。
「次からは君に見つからないのを目標にしようかな」
「ふふん、ムダムダ! どこにいてもすぐに見つけてあげる!」
「へぇ? どこにいても……ね。随分と大きく出るじゃないか」
その挑発的な態度に名前も負けじと食い下がる。
「うん。たとえ、世界の裏側にいても見つけられる自信ある」
「根拠は?」
「そうねぇ、いわゆる愛の力ってやつ!」
名前がパチッと目配せをすれば、ドミナは呆れてため息をついた。
「なんだよ、全くの無根拠じゃないか」
「何よ、愛の力信じてないの?」
「少なくとも信用には足らないね。……あ、そうだ。見つけられなかったら罰を与えるから覚悟しておくこと。いいね?」
冗談とは思えないようなその声色は、本当は見つけて欲しいというドミナの気持ちだろうか。しかし、その意地悪い笑みを見ると罰を与えるというのは本気なのだろう。
「えっ、やだよ罰与えられるの」
「豪語したことに対して、達成が出来なかったら罰を受けるのは当然だろう? それが嫌なら、僕のことをその愛の力とやらで必死になって見つけるしかないね」
ドミナは名前が困っているのを見て満足気に笑みを浮かべ、そのまま名前の手を引いて自分の方へ軽く引き寄せた。
全く。素直に見つけてって言えないプライドの高いところとか、本当は承認欲求の固まりのくせに意地張っちゃうところとか、我が校の筆頭様はわがままが過ぎる。そんなの必死になって見つけるに決まっているのに!
それに見つけられなかったら見つけられないで、愛が足りないとか言って拗ねるのが容易に想像出来て、名前は苦笑した。
「もう……ドミナってそういう時、本当いい顔するよね」
「フフッ、からかいがいがあるからかな。ま、期待して待ってるよ。君への挑戦状。僕のこと、見つけてごらん」
屋内へと導かれるようにして引かれた手は、階段を降りきるまで繋がれたままだった。