君を例えるなら酸素ボンベ

「ん…」

目が覚めると目の前にはミクの顔があった

(可愛いな…)

思わず見惚れてしまうほど綺麗な顔立ちをしていると思う
長いまつ毛に透き通るような白い肌、そして整った鼻筋とぷるんとした唇
全てが完璧で人形のように美しい

「んぅ…あきとぉ…」

ミクがオレの名前を呼ぶ

「夢の中でもオレと一緒なのかよ…」

オレは思わず笑ってしまった
どんな夢を見てるんだろうか…気になるところだ

(まぁでも、オレの夢見てるなら…いいか)

ミクの頭を撫でながらそんなことを考えてるうちにオレも再び眠りに落ちていった…



♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。・゚




(今何時だ…?)

まだ眠っていたい気持ちを抑えながらスマホに手を伸ばし画面を確認する

「…やべぇ。もうこんな時間なのかよ」

時計を見るともうすぐ昼近くになろうとしていた
ミクは先に起きていたみたいでベッドに居ない

(あーくそ。起こしてくりゃあ良いのに)

と思いながらもそんなことを言ってもしょうがないので、とりあえず身体を起こすことにする
すると寝室の扉が開きミクが入ってきた

「あ、起きてたんだね。おはよう」
「おう。おはよう」
「随分とぐっすり眠ってたけど…よく眠れた?」
「おかげさまでな」
「なら良かった」

ミクはニコッと微笑むとオレの隣に腰を下ろした

(あー、可愛い)

オレの彼女世界一可愛いと思う。本当に。
付き合い始めてから特に思うようになった

「どうかしたの?」

ミクはオレの顔を覗き込んで不思議そうに首を傾げる
その仕草一つ取っても可愛いと思ってしまう自分がいた

(なんか悔しいな)

「いや別になんでもない」
「そう?それならいいんだけど…」

ミクは納得してなさそうな表情だったがそれ以上追及してくることはなかった

(まぁ、良いか)

そんなことよりも今はもっと大事なことがある
オレはミクの手を握るとそのまま引き寄せて抱き締めた
そして耳元で囁くように告げる

「なぁ、ミク」
「なに?」
「ありがとうな。オレと一緒に住んでくれて」
「いきなりどうしたの?」
「いや、何となく言いたくなっただけだ」
「変な彰人」

ミクはクスクスと笑うとオレの背中に腕を回してきた
そしてそのままオレの胸に顔を埋める

「私もありがとう彰人」
「ん?何がだ?」
「私を受け入れてくれて」
「当たり前だろ、そんなの」

オレはミクの頭を撫でながら言う

「これからもずっと一緒に居ような」
「うん、もちろん」

ミクは満面の笑みで答えた
その笑顔を見てオレは改めて思う

(やっぱり好きだな)と…

これからもずっとこの笑顔を側で見ていたいと思うし、守っていきたいとも思う
だからオレなりに努力していこうと思った
まずはミクにもっと頼ってもらえるようにならないといけない
オレも頑張らないとな…と思わされるのだった
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