800字100日チャレンジ!?
前世のことを覚えている奴はどれだけいるだろうか。
そもそもいるのか?という疑問は、ここに少なくとも2人はいるから、解消されるだろう。
「あ、キャベツ安いじゃん。うーん、ものすごくロールキャベツが食べたくなってきた。高杉、夕飯ロールキャベツでいいよな?」
近藤がキャベツの重さを比べながら、聞いてくる。
こいつと俺。
真選組と鬼兵隊。
決して交わってはいけなかったのに、交わってしまった運命。
もう交わることはないと思っていたのに、また交わってしまった運命。
運命だと言ってしまいたいくらい偶然、いや必然が重なって、こいつと俺の今がある。
この運命がずっと続けばいい、なんて思う日々が続いている。
いつのまにか、こいつのロマンティストがうつってしまったのかもな。
「高杉?ロールキャベツ好きだろ?」
不安そうに聞いてくる近藤に、俺は口元が緩む。ついでに、口が滑る。
「俺にとって終わらない運命、愛してる」
言い終わった後に、唇を噛む。
くそっ。なんだこの甘ったるい言葉はっ!!
自分でもこんな言葉が出るなんて思わず、咄嗟に口元を手で塞ぐ。それもこんなスーパーの野菜コーナーで言うことでもない。
幸い、人が少ない時間だったからか、周りに人はいない。
スーパーの宣伝音源だけが俺たちの間に流れる。
近藤は何も言わなかった。
だからこそ、居た堪らなさに拍車がついて、俺は拳を握る。
きっと近藤は呆れたのだろう。こんなムードもへったくれもないところでプロポーズなんて。
プロポーズはもっと落ち着いた場所で、ロマンティストのこいつのために、雰囲気を作って、といろいろ考えていたのに、台無しだ。
頼む、プロポーズと思うな。
仕切り直しがしたい俺は、肉コーナーへと足先を向ける。
だけど、俺はその先から進めなかった。振り向くと、顔を真っ赤にさせて、裾を掴む近藤の姿があった。
「なあそれってさ、プロポーズ?」
キャベツを抱きかかえて、俺に確認してきた。
ああ、受け取ってしまったんなら、仕方ないよな。
「早く帰るぞ」
その手を取って、足早にレジへ向かう。
今日の夕飯、きっとロールキャベツは無理だろう。
おわり
そもそもいるのか?という疑問は、ここに少なくとも2人はいるから、解消されるだろう。
「あ、キャベツ安いじゃん。うーん、ものすごくロールキャベツが食べたくなってきた。高杉、夕飯ロールキャベツでいいよな?」
近藤がキャベツの重さを比べながら、聞いてくる。
こいつと俺。
真選組と鬼兵隊。
決して交わってはいけなかったのに、交わってしまった運命。
もう交わることはないと思っていたのに、また交わってしまった運命。
運命だと言ってしまいたいくらい偶然、いや必然が重なって、こいつと俺の今がある。
この運命がずっと続けばいい、なんて思う日々が続いている。
いつのまにか、こいつのロマンティストがうつってしまったのかもな。
「高杉?ロールキャベツ好きだろ?」
不安そうに聞いてくる近藤に、俺は口元が緩む。ついでに、口が滑る。
「俺にとって終わらない運命、愛してる」
言い終わった後に、唇を噛む。
くそっ。なんだこの甘ったるい言葉はっ!!
自分でもこんな言葉が出るなんて思わず、咄嗟に口元を手で塞ぐ。それもこんなスーパーの野菜コーナーで言うことでもない。
幸い、人が少ない時間だったからか、周りに人はいない。
スーパーの宣伝音源だけが俺たちの間に流れる。
近藤は何も言わなかった。
だからこそ、居た堪らなさに拍車がついて、俺は拳を握る。
きっと近藤は呆れたのだろう。こんなムードもへったくれもないところでプロポーズなんて。
プロポーズはもっと落ち着いた場所で、ロマンティストのこいつのために、雰囲気を作って、といろいろ考えていたのに、台無しだ。
頼む、プロポーズと思うな。
仕切り直しがしたい俺は、肉コーナーへと足先を向ける。
だけど、俺はその先から進めなかった。振り向くと、顔を真っ赤にさせて、裾を掴む近藤の姿があった。
「なあそれってさ、プロポーズ?」
キャベツを抱きかかえて、俺に確認してきた。
ああ、受け取ってしまったんなら、仕方ないよな。
「早く帰るぞ」
その手を取って、足早にレジへ向かう。
今日の夕飯、きっとロールキャベツは無理だろう。
おわり