800字100日チャレンジ!?
「早く好きって言えばいいネ。みみっちィ」
「か、神楽サン??」
唐突に神楽が俺に言葉の刃を突き刺してきた。え?何?反抗期?銀さんだって傷つくよ?
「まァ、僕もそう思いますけど」
「新八くん??え、何?銀さん何かした?」
「自分の胸に聞いてみるアル」
「え、全然ないけど」
「「ハァ」」
二人、神楽と新八が、眉をしかめて、ため息を吐いた。しかし、思い当たることがない。思い出せない。
あれか、昨日の報酬を倍増する計画がバレたのか?今日はなんだか、右手が唸って倍になる気がするんだよな、多分。
「一昨日のことも、もう忘れたアルか」
一昨日か。一昨日は、近藤が珍しく非番だったから、飲みに出かけ……あ、そういうことか。
俺は、こいつらの言いたいことが分かって、頬が引き攣った。あいつ、こいつらにチクったのか。
「ちなみに近藤さんから言われたんじゃないですよ」
「そうアル。ドSとマヨからチクチク嫌味言われたネ。甲斐性がないですねーおたくの旦那さんはって……ぐぬぬぬ!!銀ちゃん!!言われっぱなしでいいアルか!?」
神楽が飲んでいた缶ジュースを握りつぶす勢いで、俺に迫る。
と、言われてもだな……ゴリラじゃねェんだから、そんなポンポン言葉で言えねぇっつーか、好きとかそういうのって、大っぴらに言うもんじゃねーってか。
「じゃあ、お前らは言えんのかよ、素面で」
「何を?」
「その…….す、す……きって……」
「言えるアルヨ。好きだヨ、銀ちゃん」
「僕も、あー、えーと、好きですよ、銀さん」
「お、お前らっ!」
自分で顔が赤くなるのが分かる。いや、恥ずかしいだろ!!俺が!!
「ハハハ、改めて言うとちょっと照れますね」
「根性ガ足リナイアル」
「神楽ちゃん神楽ちゃん。潰してるから。缶ジュース潰れて溢れてるから!!」
神楽の手元にはゴミクズ同然となった缶ジュース(スチール)が、握られていた。まだ、中身は入っていたのだろう。手がベトベトになって、机にジュースが広がっていくのを、新八がすかさず拭いていた。もったいねェ。
昨日の仕事の差し入れだが、滅多に飲めない果汁100%のジュースだというのに。
「ほら、銀ちゃん!!言われっぱなしでいいアルカ!!」
神楽が若干赤くなった顔で、俺を問い詰める。てめェらが勝手に言ったんだろうが。それでも、2人の視線が俺に突き刺さって……言うしかない空気が漂う。
俺は手元にあるジャンプを机に置き、一回深呼吸する。ただ好きだと言うだけ。ジャンプの表紙を指でトントンしながら、気持ちを落ち着かせる。
「あー、なんだ、そのーー、別にお前らのこと、その、んー、悪くねェっていうか、その、す、す、す、きってか、あああああ!!」
俺はなんだか居た堪れなくなって、ジャンプを真っ二つに引き裂いた。うわあああ!!まだ半分しか読んでねェのに!!
「何やってんですか!!恥ずかしいからって、やめて下さいよ!」
「うおおおおお!!」
「オイイイイ!!てめェもなんで机割ろうとしてんだ!!あんたら不器用か!!」
神楽はリビングに置いてある机をチョップしようとして、新八はいつもより丁寧に丁寧にツッコんでいる。どっちも顔が真っ赤だ。
ほら、言葉にするとこうなるんだ。
それが言い訳だと分かっているが、そんなに俺は分かりにくいだろうか。言葉で欲しがるくらいに俺が好きだってことが分からないのだろうか。
難しいな。好意を伝えるってことは。
「好きだ……」
俺が天井を見上げて呟いた言葉は、机の破壊音の中に消えた。
おわり
「か、神楽サン??」
唐突に神楽が俺に言葉の刃を突き刺してきた。え?何?反抗期?銀さんだって傷つくよ?
「まァ、僕もそう思いますけど」
「新八くん??え、何?銀さん何かした?」
「自分の胸に聞いてみるアル」
「え、全然ないけど」
「「ハァ」」
二人、神楽と新八が、眉をしかめて、ため息を吐いた。しかし、思い当たることがない。思い出せない。
あれか、昨日の報酬を倍増する計画がバレたのか?今日はなんだか、右手が唸って倍になる気がするんだよな、多分。
「一昨日のことも、もう忘れたアルか」
一昨日か。一昨日は、近藤が珍しく非番だったから、飲みに出かけ……あ、そういうことか。
俺は、こいつらの言いたいことが分かって、頬が引き攣った。あいつ、こいつらにチクったのか。
「ちなみに近藤さんから言われたんじゃないですよ」
「そうアル。ドSとマヨからチクチク嫌味言われたネ。甲斐性がないですねーおたくの旦那さんはって……ぐぬぬぬ!!銀ちゃん!!言われっぱなしでいいアルか!?」
神楽が飲んでいた缶ジュースを握りつぶす勢いで、俺に迫る。
と、言われてもだな……ゴリラじゃねェんだから、そんなポンポン言葉で言えねぇっつーか、好きとかそういうのって、大っぴらに言うもんじゃねーってか。
「じゃあ、お前らは言えんのかよ、素面で」
「何を?」
「その…….す、す……きって……」
「言えるアルヨ。好きだヨ、銀ちゃん」
「僕も、あー、えーと、好きですよ、銀さん」
「お、お前らっ!」
自分で顔が赤くなるのが分かる。いや、恥ずかしいだろ!!俺が!!
「ハハハ、改めて言うとちょっと照れますね」
「根性ガ足リナイアル」
「神楽ちゃん神楽ちゃん。潰してるから。缶ジュース潰れて溢れてるから!!」
神楽の手元にはゴミクズ同然となった缶ジュース(スチール)が、握られていた。まだ、中身は入っていたのだろう。手がベトベトになって、机にジュースが広がっていくのを、新八がすかさず拭いていた。もったいねェ。
昨日の仕事の差し入れだが、滅多に飲めない果汁100%のジュースだというのに。
「ほら、銀ちゃん!!言われっぱなしでいいアルカ!!」
神楽が若干赤くなった顔で、俺を問い詰める。てめェらが勝手に言ったんだろうが。それでも、2人の視線が俺に突き刺さって……言うしかない空気が漂う。
俺は手元にあるジャンプを机に置き、一回深呼吸する。ただ好きだと言うだけ。ジャンプの表紙を指でトントンしながら、気持ちを落ち着かせる。
「あー、なんだ、そのーー、別にお前らのこと、その、んー、悪くねェっていうか、その、す、す、す、きってか、あああああ!!」
俺はなんだか居た堪れなくなって、ジャンプを真っ二つに引き裂いた。うわあああ!!まだ半分しか読んでねェのに!!
「何やってんですか!!恥ずかしいからって、やめて下さいよ!」
「うおおおおお!!」
「オイイイイ!!てめェもなんで机割ろうとしてんだ!!あんたら不器用か!!」
神楽はリビングに置いてある机をチョップしようとして、新八はいつもより丁寧に丁寧にツッコんでいる。どっちも顔が真っ赤だ。
ほら、言葉にするとこうなるんだ。
それが言い訳だと分かっているが、そんなに俺は分かりにくいだろうか。言葉で欲しがるくらいに俺が好きだってことが分からないのだろうか。
難しいな。好意を伝えるってことは。
「好きだ……」
俺が天井を見上げて呟いた言葉は、机の破壊音の中に消えた。
おわり