800字100日チャレンジ!?

◯銀さんと近藤さんのお花話。
「花育てたくない?」
「なんで?」
「いやー、生き物は難しいけど、植物なら育てられるかなって」
「花、なめんなよ」
「なめてない!なめてない!でも、植物育てるなら春だよなー」
「そりゃな、寒すぎるだろ今日も」
「だよな!ああ、早く春来ないかな」
春よ、こいこい

◯寝顔
こくりこくりと舟を漕ぎ出す近藤を、銀時はじっと見つめる。
なかなかに会えない日々が続いていたのだ、ここ最近。
しかし、近藤がよろずやの近くを通ったから少しだけと言って、突然やってきた。
嬉しくないわけがない。
だから、銀時は珍しくもてなそうと、台所でいちごみるくを二つ分注ぐ。
そして、コップ二つを手に戻ると、ソファで近藤がさきほどの状態だったのだ。
疲れているだろうに、会いにきてくれたのだろうか。
ニヤける顔を抑えたくても、両手はいちごみるくで塞がっている。銀時は深呼吸をしてから、彼を起こさぬように、ゆっくりとコップを机に置く。
そして、向かい側に座り、近藤をじっと見ていた。
よく見るとすこし隈できてるとか、もう少ししたら涎垂れそうだな、あ、垂れたとか、どうでもいいことを頭の中で実況する。
それだけでも楽しく落ち着くのだから、相当、俺はあいつに惚れ込んでいるのだろう。
そう思うと、顔から火が出そうだ……なんて。
今は近藤と銀時しかいない。
こんな顔を見られることはない。それに安堵をし、せめて顔の熱が引くまでは、近藤を起こすのをやめようと、銀時はいちごみるくを飲むのであった。
それから、唐突に起きた近藤に時間を見て「起こしてよ!」と怒られたのだが、それはまた別の話。

◯付き合う前の銀近
「え、銀時、俺のこと好きじゃん?」
「は?」
酒でふわふわとした意識が軽く戻って、隣にいる近藤を見る。あいつは顔を真っ赤にして俺を見ていた。
「だって、寝る前に俺のこと思い出してんだろ?」
「!!」
「だから、夢に出るとおも、」
「忘れろ!」
「嫌だ!思い出にする!」
「は?」
「あ」
「……」
「……」
「…………」

沈黙するふたり。
店内の客達は彼らと同じように沈黙を保つ。そして、はよ告白しろよという雰囲気に包まれたとかないとか。
終わり

◯さけのみぎんさん
視線がぶつかって、
手が触れて、
足が当たって、
それでドキッとすることは
日常茶飯事。
でも、そのドキッは人によって種類が違っていたりなんなりしてだな。
「よろずやー、もう少しそっち寄ってくれよ。混んできたからさ」
「寄ってるわ」
あー、顔が赤いのを酒のせいできて良かったな。俺よ。

◯さけのみこんどうさん
目があって、
手が触れて、
足がくっついて、
それでドキドキするのは
日常茶飯事。
そりゃあ、意中の相手ならなおのことだろ?
「よろずやー、もう少しそっち寄ってくれよ。混んできたからさ」
「寄ってるわ」
少しでも近くにいたいだなんて思うのは、お酒のせいにしてもいいよな。
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