1〜25日目!
「よォ、非行少年ゴリラ」
「げっ、なんで銀八いんの……」
「決まってんだろ、見廻りだよ。てめェみたいなやつがいるからな」
近藤は眉を寄せ、下唇を突き出して、目をそらす。その唇に目を奪われる俺は悪くないよな。
「だって……」
「だってじゃねェ。ウリやめろって言っただろ」
目も合わさず、俯くあいつに、俺はため息を吐いた。近藤がビクッと身体を一瞬固める。それに気づき、俺は俺自身に対して心の中で舌打ちする。近藤の家庭のことを考えなかった自身に。
「だって……家帰れないし」
知ってる。
母親が男を連れ込んでんだろ。
そりゃ、居づらいよな。
知ってるさ。
だから俺がここにいんだよ。
そう、これは先生としてだ。
下心はない。
「なら、俺の家来るか?」
……はずだ。たぶん。
俺は言った後に、メガネをかけ直す。少しピントが合ってない気がしたのだ。まあ、これ伊達だけど。
それに、最初はこちらを向き、ポカーンとしていた近藤だったが、理解できたのかふと笑って小首を傾げ、聞いてくる。
「それは俺をカウってこと?」
「ちげェよ、不良少年の回収だ。回収」
「えー!でも、先生は先生の仕事もう終わってんだろ?」
「は?」
「今は先生じゃなくて、銀八としてここにいるんだろ?」
「いや、そうじゃ……」
「お金くれたら合意だけど、くれなかったら強姦になるかも」
近藤が怪しく笑って俺を誘う。
あー、やだやだ。最近のガキは。どこで覚えてきたんだか。俺を脅そうっていうのか。どうしようもねェな。どうしようもねェよ。
それに抗えない俺は、もっとどうしようもねェ奴だよな。
俺は、ごくりと唾を飲んだ。
おわる
おまけ(続き)次ページ!
「げっ、なんで銀八いんの……」
「決まってんだろ、見廻りだよ。てめェみたいなやつがいるからな」
近藤は眉を寄せ、下唇を突き出して、目をそらす。その唇に目を奪われる俺は悪くないよな。
「だって……」
「だってじゃねェ。ウリやめろって言っただろ」
目も合わさず、俯くあいつに、俺はため息を吐いた。近藤がビクッと身体を一瞬固める。それに気づき、俺は俺自身に対して心の中で舌打ちする。近藤の家庭のことを考えなかった自身に。
「だって……家帰れないし」
知ってる。
母親が男を連れ込んでんだろ。
そりゃ、居づらいよな。
知ってるさ。
だから俺がここにいんだよ。
そう、これは先生としてだ。
下心はない。
「なら、俺の家来るか?」
……はずだ。たぶん。
俺は言った後に、メガネをかけ直す。少しピントが合ってない気がしたのだ。まあ、これ伊達だけど。
それに、最初はこちらを向き、ポカーンとしていた近藤だったが、理解できたのかふと笑って小首を傾げ、聞いてくる。
「それは俺をカウってこと?」
「ちげェよ、不良少年の回収だ。回収」
「えー!でも、先生は先生の仕事もう終わってんだろ?」
「は?」
「今は先生じゃなくて、銀八としてここにいるんだろ?」
「いや、そうじゃ……」
「お金くれたら合意だけど、くれなかったら強姦になるかも」
近藤が怪しく笑って俺を誘う。
あー、やだやだ。最近のガキは。どこで覚えてきたんだか。俺を脅そうっていうのか。どうしようもねェな。どうしようもねェよ。
それに抗えない俺は、もっとどうしようもねェ奴だよな。
俺は、ごくりと唾を飲んだ。
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