✳︎幸せを解いて
「俺といて幸せだと言ってくれたら嬉しい」
「俺が幸せだと今言っても、言わされてると思うだろ」
「さあ？」
「俺の幸せは俺が決める」
「うん」
「俺がてめェと一緒にいるってことは俺がそう決めたからだ」
「……かっけェな高杉は」
「分かったなら」
泣くな。
高杉が優しく彼の目元を拭った。

✳︎さよなら、世界
「結ばれちゃいけないんだよ」
今の顔を見られたくないのか、両手で覆い隠す近藤。見なくても分かんだよ、泣いてることくらい。
下唇を噛みちぎりそうなくらい歯を立てている。俺は少しあいつの手を退かせて、そこにキスをする。
近藤は歯も手も浮かせ、驚いたように俺を見る。
「じゃあ、一緒に死ぬか」