優しい味
泣きながらうわずった声で、何度も詰まりながら主は何があったのかを話した。
政府から表彰を受け、よくやっているとお褒めの言葉を頂いて、後日報酬もこの本丸宛に届くとの事だった。
そこまでは良かった。
「良いよなぁ、女の審神者は」
帰るために手続きの順番待ちで椅子に座っていると、後ろの方から声が聞こえた。
今ここに女は、自分しかいない。ビクリと体が固まる。
「ああ、俺達が苦労したところで評価されるのは戦が何か分かっていないような女なんだからな。まったくやってられないぜ。」
別の人の声も加わる。怖くて後ろを振り返る事が出来ない。
「ちょっと胸でも揉ませてやれば、あいつらも男なんだからやる気になるだろうさ、なぁ」
「ああ、それにああいう大人しそうに見える女ほどいやらしかったりするもんだ。」
「ははっ、じゃあ胸だけじゃなくて股も開いてたりしてなぁ、いやぁそれなら俺もお世話になりたいもんだな。」
下品な笑い声が響く。
ぐっと拳を握ってその場を耐える。そこでようやく番号を呼ばれ、震える足を必死に動かしてその場を去った。