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春の唄に耳を澄ませば

銀時が花見をしている頃、江戸の真選組の屯所の中では上からの極秘任務だと聞いた沖田、土方、近藤の三人と一見、僧の様な格好をした深く編み笠を被り顔を表さない二人がいた。



「真選組局長、近藤勲と申します」



「同じく副長、土方十四郎だ」



「同じく一番隊隊長、沖田総悟でさぁ」




「貴方達が…いや何でもない。そうそう、幕府からの極秘任務の件ですが、真選組の貴方達だけで解決して貰いたいのだが。」



「俺達三人だけですか?」



極秘任務の割には人が少ないと思い疑問を抱いた。



「はい、何せ随分と昔の事についてなので確実、では無いと言いましょうか。我々も確信はついておりません」



「確信ねぇのに任務なんざごめん被るぜ」




おい、トシ!この人達は幕府のっ!と、近藤が土方に言った。



「ハハハハっ!そんなに気にすることはありません。彼の言う通りですから。」



「すみません…。で、極秘任務とは何を」



「あぁ、そうでしたね。ちょっと長くなりますが…。
そうですね、攘夷戦争の終わり…つまり激戦の頃です。白い髪に赤い血を浴びて戦場を飛び回る姿…それはまるでっ」
「白夜叉だろィ」


沖田が今までの話を興味がなさそうにその場で静かに聞いていたが、突然口を開いた。



「おや、知っていましたか」




「へい。攘夷戦争の四天王、狂乱の貴公子 桂小太郎、鬼兵隊総督 高杉晋助、そして未だ正体がわからない桂浜の龍と白夜叉…あの桂と高杉と並ぶ程、いや、其奴らの中じゃ一番強いとか…まぁ、俺達幕府側にとって一番脅威となる奴でィ。それに、その高杉と桂とは幼馴染だとか…」




「おやおや、よくご存知で。そうなんですよ、高杉晋助と桂小太郎と幼馴染…それは本当です。しかも、攘夷戦争に参加する理由もそこにあるとか。」




はっ!と、土方が思い出した。
白夜叉って奴は…



「おい、その白夜叉ってやつの事はもう上から調査命令が下されている。極秘任務は何すりゃいいんだ?」





「はい。今回は白夜叉本人ではありません。
白夜叉と高杉、桂との関係。そして、恩師。この二つを調べて下さい。」





「恩師?そんな奴いるのか?」




「分かりませんが、推測ですよ。幼馴染なんて、そうそう出来るものじゃありませんから」







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