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春の唄に耳を澄ませば

「まぁ、そこらへんにいるんじゃねぇの?」



辺りを見渡せば風の流れに乗ってヒラヒラと落ちて行く桜の花弁と、白い雪化粧を被った山々…



「銀ちゃ〜ん、居ないよ」



「確かに此処に居たはず…」



「んー、俺はもう見つけた」



「「えっ!!」」



「ほら、彼処…」



「…っ!」



桜の枝木の上に座る長髪で蒼い着物を着た…



「ヅラァ!!お前こんな所で何してるアルか!」



「ヅラじゃない、桂だ。花見に決まっておるだろう。」



「桂さんもお花見に?僕達も丁度お花見にして来ていたんです!一緒にどうですか?」



「そうだな、花見は大勢でした方が良い。是非一緒にさせてくれ。」



桂が木からストンと降りて来た。
それと同時に神楽と新八ははしゃぎ始めた。



「銀時、お前もここを覚えて居たか…」



「ん、まぁな。」




「銀ちゃーん、ヅラぁ!一緒に鬼ごっこしようヨ!銀ちゃん達が鬼ネ!」



声が聞こえて来た方を向くと、神楽が必死に走り回っている新八を余裕そうに追い掛けていた。



「てめぇら、覚悟しろよ!」



「ヅラじゃない!桂だ!フンッ、昔共に戦った俺達の力を見せてやるぞ!リーダー!新八君!」



それから随分早くに新八は桂に捕まり、神楽は銀時に追い掛け回されているままだった。



「銀時ィ!貴様の本気を出してやれ!」



「神楽ちゃーーん!頑張れ!」



「おい、駄眼鏡。もう捕まっているアルか!だから駄眼鏡アル!」


そこに新八のツッコミが降りかかる。


「おい!駄眼鏡って何だよ!!確かにこの四人の中で一番足は遅いよ!でも、この三人が怪物並みに速いんだよ!!」


そのツッコミと同時に神楽は銀時に捕まってしまった。



「っぺッ!現実から逃げるアルか?!良い加減認めなきゃダメヨ!!駄眼鏡!」



また、その新八のツッコミに追い討ちを掛けるように神楽の毒舌が降り掛かる。


「だから駄眼鏡って何だよ!!!」



「ハハハッ!リーダー、誘ってくれてありがとうな。」


「鬼ごっこならいつでも付き合うアル!!」



「はぁ、はぁ、はぁ…おい神楽、てめぇ何で息切れねぇんだよ…はぁ…はぁ…夜兎は肺もデケェのか、よ…」


「何言うネ、銀ちゃん。皆んなが小さいだけアル!」



「神楽ちゃん、皆んなが小さいのじゃなくて神楽ちゃんが大っきいんだよ。」



「そんな事無いアル、だってまだ私子供アル!」


「いや、そうだけど…」



そう、下らない話をする。けれど、その平和な時が続く事はもう、長く無い。


しかし、そんな事は知るはずもない4人は笑い続けて幸せそうに笑っている。




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