マグダレーナさんの妄想書架

【パターン2. ライブラ総受け】






「これも済んだ、あれも済んだ、本屋さんも行った…あ、そうだ。ついでだからちょっと文房具も買い足して」
「俺行ってくる」
「いやお前に任せられるか。俺が行く」

…いや、あのね?
ちょっと買い物付き合って、とは言ったけど、こんなに買い込む気は無かったよ?

大体、なんで僕手ぶらなんだろう。
僕の買い物しかしてないのに。

「ねえ、やっぱり悪いよ。せめて趣味で買った本くらい自分で持」
「お前は非力なんだから任せとけって」
「俺は将来お前の従者になる人間だぞ。未来の主に余計な苦労はさせられん」
「………えっと、」
「要するに、このままでいい」
「そーそー」
「…あ、はい」

うろん、と差し出した手は軽く叩かれた。
日用雑貨は右隣のロビンが、書籍の類は左隣のウィリアムがそれぞれ抱えたまま。

「でもどのみちそれじゃこれ以上持てな」
「大丈夫だろ、さっきコイツが『後は俺が持つ』って宣言したし」
「それはあの場で買ったもの限定での意味だ。今度はお前が持つに決まってるだろう、荷物持ち」
「だから俺は荷物持ちじゃねっつの!最初に押し付けたのお前なんだからもうちょっと持てや」
「量は兎も角重さは俺の方がある。これ以上は不公平だな」
「…あの、だから僕持つって」

「「お前はいい」」

「…あ、はい」

なにを押し付け合ってるんだろう、このふたりは。
押し付け………んん?寧ろ取り合ってる?

…まあ、いっか。
どのみち僕ひとりじゃ重すぎる事は間違いないし、持ってくれるのは非常に有り難いけど、彼等にこれ以上苦労させる訳にもいかないので、とっとと終わらせて帰ろう。

「わかった、じゃあふたりはここで休んでて。僕ちょっと行ってくるから」
「お前はいいと言ってるだろう。どうせペンとインクだな?そのくらい俺が買ってきてやる。持つのはこいつで」
「んなっ!?」
「…いやあの、じゃあせめてお代」
「いらん」
「出たよーお坊ちゃん感覚ー」
「違う」
「どうせプレゼント代にするならやっぱ自分で稼いだ金じゃなきゃダメだろー。その点俺は正真正銘、自分の金しか持ってませんけどー」
「プレゼントだとか考える時点で違う。これはプレゼントじゃない、投資だ」
「………あのぅ?」

論点が見えな……………まあ、いっか。
気付いたらふたりとも行っちゃって置いてかれ気味だったし、迷子になるくらいならここで大人しく待ってた方がいいよね?



※※※



ク「…だから、これを私に読ませる意味は」

マ「天然受けって可愛いでしょ?と言いたかったんですよ。ついでにコレがわたしのケンカップルの目覚めだったりとか。あと総受け最高」

ク「はあ?」

マ「いいですよねぇ~学生は萌えですよぉ。若気の至りとかツンデレとかそういうの詰め込み放題。個人的にはこういうハーレム系の中にケンカップル要素があるの大好物!」

ク「…ねえ、それって別に普通の男女でよくない?駄目なの?」

マ「ダメです。」

ク「あ、そう…」

マ「ノマカプもそれはそれで可愛いんですけどね~なんか違うんですよね~」

ク「私に言わせればその思考の方がなんか違うと思うんだけど」

マ「逆ハーと総受けって、近いようで違うんですよねぇ」

ク「(聞いちゃいない…!)」

マ「逆ハーはまあまああり得るシチュエーションだけど、総受けは実際まず無いのがまた萌えというか…あ、もしかしてこういうの実際あったりしt」

ク「あのねマグ。私の中のライブラ様がすっごい微妙な泣き笑いしてるからそれ以上はやめてあげて」
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