マグダレーナさんの大暴走

クラウが、笑ってる。
あのクラウが、めっちゃ笑ってる。

いやまあ、友人であるあたしから見たって仏頂面な事の方が多い彼女だけれども、笑う時にはちゃんと(?)笑う。
でも今は、その笑い方が全然違う。
『大笑い』。
まさに、そんな感じ。

…あたし、幼馴染の筈なのに殆ど初めて見たよ?



クラウの正面には、熱心に話しかけ、時折もの凄い勢いで何かを書きつけているマグ。



あー………。



『アレ』、クラウであってクラウじゃないんだな………。






「私のオススメ、気に入っていただけたようでなによりです♪」
「実物だとこうはならんがな」
「ご本人的にはそうでしょうけど、我々はソコに何かを見出すイキモノなんです。敢えてのif展開なのがミソなんです」
「面白いな」
「あ、まさかの、ご理解いただけました?www」
「嫌いじゃない」
「…あの、もしかして、『公式』ではなくても『公認』していただけたりは…」
「してもいいぞ」
「ぅわっひょおい!!」





……………。

ツッコんだ方がいいんだろうか、コレは。

いやツッコむったってどっからツッコめばいいんだコレ。
マグはもういつもの事&今更どうにかなるもんでもないから横に置いておくにしても、クラウ…というか『あのひと』には忠告のひとつもしてやった方がいいんだろうか。
…いやいやいや、忠告したところで全然響かんだろコレ。
めっちゃノリノリで楽しんでんじゃん。
既にマグに毒されてんじゃん。
クラウの人格、完全に食われちゃってんじゃん。



『あのひと』が相当なイタズラ好きなのは割と有名な話だが………






「…やってみたかったな、コレは」
「え?www」
「コレも、コレも、コレも…ふふ…」
「『反応が見てみたい』と?www」
「その通り。」
「もしタイムスリップ出来るなら、実行しますか?www」
「勿論。」
「…あーんわたしもお供して写真撮りたいー!!」






………ダメだこりゃ。

あたしの手になど、負える訳が無い。

マグに絡まれる前に逃げよう、うん。



クラウごめん。












終わっとけ。
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