つんでれさんの事情
【クラウディアさんの場合】
恥ずかしいのはわかるんだよ。
わかるんだけど。
「いってえええ!?」
「痛くなるようにしたんだもの、当たり前でしょ」
「なんでだよ、俺はお前を心配してだな…っとぉ!?」
「怪我ならマグに診てもらうからあっち行って!」
一応ね、ちゃんと心配してんだと思うよ、フィッシャーは。
流石にそれを倍返し(と言うのかは甚だ疑問だが取り敢えず考えない事にしておく)にするのは、ちょっと可哀想なんじゃないかな、と思ったりもする訳で。
この場合、一応、なのが問題なのも、わかっちゃいるんだけども。
「隙あらばべたべたしようとする、あんたのそのひん曲がった性根が悪いね」
「誰がひん曲がってんだ、誰が」
「ああごめん、言い方変えよっか。自重という言葉を知らない変な意味での愚直バカ」
「…酷くなってる気がするのは俺の気の所為か」
「そうだって言ったら納得する?」
「………ゴメンナサイ」
心配云々はさておき、いつでもどこでも自分の願望さらけ出しまくりなのがいけないんだ、きっと。
一般論に照らして言えば、緊急性は無いにしろ服を脱ぐ必要はありそうな女性の具合を見るのに、医者でもない男性がしゃしゃり出るのはおかしいでしょうよ。
たとえそういう、きわどい部位はてんで無関係だとしても、普段から下心見え見えな野郎に任せる女居ないと思うよ。
そのくらい、フィッシャー当人もわかってる筈なんだけど、似たような事を何度も何度も何ッ度も懲りずにやらかす辺り、確信犯じゃなかったらホンマモンのバカだよね、とも思ったりする。
…いやでも、バカ云々もさておくとして、まがりなりにも心配してくれてる相手の急所を一蹴するのは、流石のあたしもちょっと躊躇うよ?
最近、そういう意味での無遠慮に拍車が掛かってる気がしないでもない。
まあ、やられてる側が妙に頑丈だから大丈夫だろうけど。
「俺そんな変態じみた事してる訳じゃねェだろが。なにもひん剥こうとしてるんじゃねェんだし」
「バカ。だからその、不要なまでにべたべたするのが嫌がられてるっつってんでしょうが」
「惚れた女心配して何が悪い」
「開き直るなこのバカ」
「…ネル。殺っちゃっていいわよそこの阿呆」
「お許しが出たけど、殺っちゃっていい?」
「いい訳があるか!」
さっきからバカとかアホとか!…と喚くフィッシャーに、拳骨をひとつ。
もっとこう、惚れてるなりに慎ましい接し方ってモノを学習した方がいいと思うんだ、この男は。
そうしないといつまで経っても進展しないどころか、寧ろクラウからの扱いが酷くなっていく一方でしかない訳で。
…まあ、結構長い事それで落ち着いちゃってる辺り、お互いにもうどうしようもないのかもしれないんだけども。
嫌よ嫌よもなんとやら、って言うじゃん?
アレの典型例に、ばっちり当て嵌まっちゃってる気がしてならない。
それは性格だろうから…今更どうにかしろとか言っても、それこそしょうがない。
やっと落ち着いたかな、と思ったら。
フィッシャーがいらん事言った。
「…大体、」
「なによ」
「俺の事はばかすか殴る癖に、ユーリには普通にあっちゃこっちゃ触らせてんじゃねェかよ」
「ご、誤解招くような事言い出さないでよ!」
「事実だろ、事実」
「ええまあ事実よ、事実だけど。でもユーリはあくまで身内だし、それも手とか腕とかに限った話であって、あんたみたいに変にべたべたしてこないからいいの!それを変態みたいな言い方して自分を正当化しようとしてんじゃないわよ、この変態!!」
なんだ嫉妬か見苦しい。
…と、あたしがツッコむまでもなく、ヒートアップしたクラウ自ら鉄拳制裁を下していた。あーあ。
それまでなるべく平静を装おうとしていたらしいユーリは、自分の事に触れられた辺りで盛大に吹き出して噎せ込んでいた。
ああもう、このひとらめんどくさい…。
(ツンとデレの矛先が違うのか、ツンギレとツンテレの使い分けをしているだけなのか、コレガワカラナイ。そして野郎はどっちもダメだ。)
恥ずかしいのはわかるんだよ。
わかるんだけど。
「いってえええ!?」
「痛くなるようにしたんだもの、当たり前でしょ」
「なんでだよ、俺はお前を心配してだな…っとぉ!?」
「怪我ならマグに診てもらうからあっち行って!」
一応ね、ちゃんと心配してんだと思うよ、フィッシャーは。
流石にそれを倍返し(と言うのかは甚だ疑問だが取り敢えず考えない事にしておく)にするのは、ちょっと可哀想なんじゃないかな、と思ったりもする訳で。
この場合、一応、なのが問題なのも、わかっちゃいるんだけども。
「隙あらばべたべたしようとする、あんたのそのひん曲がった性根が悪いね」
「誰がひん曲がってんだ、誰が」
「ああごめん、言い方変えよっか。自重という言葉を知らない変な意味での愚直バカ」
「…酷くなってる気がするのは俺の気の所為か」
「そうだって言ったら納得する?」
「………ゴメンナサイ」
心配云々はさておき、いつでもどこでも自分の願望さらけ出しまくりなのがいけないんだ、きっと。
一般論に照らして言えば、緊急性は無いにしろ服を脱ぐ必要はありそうな女性の具合を見るのに、医者でもない男性がしゃしゃり出るのはおかしいでしょうよ。
たとえそういう、きわどい部位はてんで無関係だとしても、普段から下心見え見えな野郎に任せる女居ないと思うよ。
そのくらい、フィッシャー当人もわかってる筈なんだけど、似たような事を何度も何度も何ッ度も懲りずにやらかす辺り、確信犯じゃなかったらホンマモンのバカだよね、とも思ったりする。
…いやでも、バカ云々もさておくとして、まがりなりにも心配してくれてる相手の急所を一蹴するのは、流石のあたしもちょっと躊躇うよ?
最近、そういう意味での無遠慮に拍車が掛かってる気がしないでもない。
まあ、やられてる側が妙に頑丈だから大丈夫だろうけど。
「俺そんな変態じみた事してる訳じゃねェだろが。なにもひん剥こうとしてるんじゃねェんだし」
「バカ。だからその、不要なまでにべたべたするのが嫌がられてるっつってんでしょうが」
「惚れた女心配して何が悪い」
「開き直るなこのバカ」
「…ネル。殺っちゃっていいわよそこの阿呆」
「お許しが出たけど、殺っちゃっていい?」
「いい訳があるか!」
さっきからバカとかアホとか!…と喚くフィッシャーに、拳骨をひとつ。
もっとこう、惚れてるなりに慎ましい接し方ってモノを学習した方がいいと思うんだ、この男は。
そうしないといつまで経っても進展しないどころか、寧ろクラウからの扱いが酷くなっていく一方でしかない訳で。
…まあ、結構長い事それで落ち着いちゃってる辺り、お互いにもうどうしようもないのかもしれないんだけども。
嫌よ嫌よもなんとやら、って言うじゃん?
アレの典型例に、ばっちり当て嵌まっちゃってる気がしてならない。
それは性格だろうから…今更どうにかしろとか言っても、それこそしょうがない。
やっと落ち着いたかな、と思ったら。
フィッシャーがいらん事言った。
「…大体、」
「なによ」
「俺の事はばかすか殴る癖に、ユーリには普通にあっちゃこっちゃ触らせてんじゃねェかよ」
「ご、誤解招くような事言い出さないでよ!」
「事実だろ、事実」
「ええまあ事実よ、事実だけど。でもユーリはあくまで身内だし、それも手とか腕とかに限った話であって、あんたみたいに変にべたべたしてこないからいいの!それを変態みたいな言い方して自分を正当化しようとしてんじゃないわよ、この変態!!」
なんだ嫉妬か見苦しい。
…と、あたしがツッコむまでもなく、ヒートアップしたクラウ自ら鉄拳制裁を下していた。あーあ。
それまでなるべく平静を装おうとしていたらしいユーリは、自分の事に触れられた辺りで盛大に吹き出して噎せ込んでいた。
ああもう、このひとらめんどくさい…。
(ツンとデレの矛先が違うのか、ツンギレとツンテレの使い分けをしているだけなのか、コレガワカラナイ。そして野郎はどっちもダメだ。)